みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。
2024年6月26日(水)に個人投資家説明会を実施いたしました。お忙しい中にもかかわらず、Zoomウェビナーには184名、YouTubeには454名という非常に多くの方々にご参加いただきました。
また、2024年8月9日(金)に開催した第2四半期決算説明会では178名の方にご参加いただきました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
説明会中やアンケートなど、口頭・テキスト・メールなどでいただいた合計190件のご質問・ご意見・激励などのうち、重複を整理した以下の96件についてお答えいたします。(※カッコ内の数字は同様の趣旨の質問の数です)
なお、10月1日の3件のプレスリリースについてもいくつかメール・お電話で問い合わせをいただいておりますので、現在回答できる範囲で回答させていただいています。
- 早期開発品・提携プログラムについて(55)
Q1:今期の新規提携はあるのか。また、ベーリンガーインゲルハイム社との新規提携は今年の達成項目なのか(8)
A1:以前のブログの通り現在、複数パートナーと交渉中ですが、今期中に契約締結に至るかは不確定です。また、ベーリンガー社は昨年内の契約を目指していましたが残念ながら昨年未達となり結果的に今年になりましたので、今年の新規提携と考えています。常にいくつかのパートナー候補からはお声がけいただいておりますが、当社の方針として、十分でない状況・条件での提携は考えておりません。
Q2:創薬提携の段階で進捗があまり出てこないのは、何か理由があるのか(7)
A2:皆さまには進捗が見えにくいかもしれませんが、各提携は着実に進捗しています。ターゲット選定から前臨床試験までは当社の技術を用いても平均約3年かかることから、提携開始から結果が目に見える形になるまで相応の時間がかかります。6月に発表させていただいた通りAbbVie社との創薬提携の進捗をお伝えしましたが、今後もいくつかの提携でマイルストンに関するイベントが発生した場合には進捗をお伝えできればと思います。ターゲット毎に創薬の難しさ・かかる期間は変わってきますが、創薬効率については他社比較で依然として高い効率性があると考えています。
Q3:ニューロクライン社のプレゼンテーション資料におけるPreclinicalステージのM1作動薬はネクセラが開発したものか。日本での権利やマイルストン含め、どのようなステータスなのか(2)
A3:こちらはニューロクライン社からの公表が言及がないため、当社からの説明は差し控えさせていただきます。もし進捗があれば皆さまにお知らせいたします。(参考:リンク先2枚目の図)
Q4:EP4 ant.について中間解析を行う可能性はあるのか(2)
A4:中間的なデータをお出しできる場合は、開示等を通して皆さまに進捗を共有させていただく予定です。
Q5:GPR35受容体作動薬(GPR35 ago.)がGSK社から返還されたが、この開発プログラムに関する今後の見通しは(2)
A5:市場環境を加味しながら、自社開発を行ってから導出するか現時点で導出するかを決める予定です。GPR35 ago.は、GSK社がPh1開始準備まで終わらせた段階で突如中止が発表されており、Ph1を開始する準備自体は整っています。一方で、GSK社が計画していたPh1試験は当社からすると大規模な計画だったこともあり、自社でやる場合にGSK社の計画を踏襲するかは再検討している状況です。また、このアセットに興味を持つ会社もいるため、この段階で導出という選択肢ももちろんあります。そのため、自社開発・提携双方を並行して検討をしている状況です。
Q6:H4アンタゴニストの現状と導出可能性は(2)
A6:H4アンタゴニストについては現在優先度を下げております。H4受容体には多くの生体機能があることが示唆されており、現時点では新たな適応症への応用可能性を検討中です。ただし、適応症を探し臨床試験を実施するにも、それを実行するための人員や投資が必要となります。現状様々な案件があり、自社として魅力的と考える案件にリソースを集中させたいと考えているため、投資対効果を見極めて今後の対応を決めていきたいと考えています。
Q7:Nxera Pharma UK(旧ヘプタレス社)が創製したのものはいつ上市が目指せるのか(2)
A7:すべてが順調に行った場合、M4 ago.(NBI-1117568)が一番早く上市される予定で、2028年前後の上市となります。M4 ago.(NBI-1117568)は2025年上半期にニューロクライン社による最初のPh3試験が始まる予定です。競合他社の類似薬(KatXT)の場合、試験完了までに約1.5年、承認までに2年がかかりました。ただし、試験デザインを変えたり、仮にニューロクライン社が優先審査などの制度を用いると期間が短縮される可能性もあることから、うまくいった場合には2027年内の上市も可能性としては考えられます。(以前のブログも参考)
Q8:戦略パートナー先の数の目安はどのくらいを考えているか(1)
A8:パートナー数については数の目安を決めておりません。ただし、当社の研究員の数にも限りがあることから、現実的にはUK側の従業員数(約170名程度)に見合ったプロジェクト数を推進することになります。
Q9:今後自社の創薬プログラムはこれまでと同様のペースで臨床入りする予定か(1)
A9:臨床試験入りのペースはこれまで通りのペースを目指していますが、波がある可能性もあります。これまでGPCRの中でも疾患との関連性が高いとされているものを中心に研究開発を行い成果を上げてきました。しかしながら、疾患との関係性が不明なものや、NxStaR技術を使っても安定化が難しいものなども出てきています。そのボトルネックを解消するためにPharmEnable社などと提携を行い研究開発を加速しており、今後その成果が徐々に皆さまの目にも見える形となってくるよう努力してまいります。
Q10:化合物選定では技術はあると認識しているが、ターゲット選定で弱い部分があるのではないか。この点についてアカデミア等の連携はないのか(1)
A10:前述の通りターゲットが徐々に難しくなってきていることから、自社だけでなくアカデミアとの提携も活用しながらターゲット選定を行っています。また、それ加えてVerilyやPharmEnable、Kallyopeなどとの提携により新規ターゲットの選定も実施しております。
Q11:これまでPh2で失敗しているものは何が原因だったのか(1)
A11:安全性や有効性など一般的な創薬のハードルによるものです。主にはA2a拮抗薬、Lotiglipronが該当するかと思いますが、それぞれ、ポートフォリオ戦略見直し、安全性への懸念から開発が中断されました。一方で、Ph2試験は安全性・有効性を検証する創薬における最大のハードルであり、一般的にも成功率は3割程度です。今回、M4作動薬がPh2試験をクリアしたことは当社にとって大きなマイルストンの達成だったと考えています。
Q12:M4 ago.(NBI-1117568)失敗時にR&Dや販管費について絞る予定はあるのか(1)
A12:各パイプラインの成否にかかわらずR&D・販管費は適正化を進める予定です。黒字化に向けたコストの適正化は常に実施するべきな一方で、R&D費用などは将来の収益を生み出す原資となるものです。M4 ago.はもちろん当社としても大きなアセットの一つではあるものの、これが失敗したときに投資を絞ってしまうと将来の成長は妨げられてしまいます。また、医薬品開発の成功率を考慮し、当社は常に失敗リスクを織り込んで費用計画を策定しています。そのため、パイプラインが失敗した場合もこれまで通り将来の成長の種となる投資はしっかり行いつつ、業績改善に向けた取り組みを今後も行っていきます。
Q13:M4 ago.(NBI-1117568)のPh2試験において、PANSSスコアが競合と比較して小さい場合(例えばプラセボ調整後のスコアが5程度)は開発計画はどうなるのか?(1)
A13:こちらはすでに発表の通りPANSSスコアの改善がプラセボ調整後に7.5ではありましたが、安全性・有効性ともに競争優位性があると考えられるため、このままPh3試験に向けて進んでいく予定です。Ph2試験では1日1回の20mgで有効性が十分に確認でき、プラセボ効果も高く出てもなお有意に症状が改善したことは、Ph3に進むにあたって非常に心強い結果となりました。データ解釈に関しては別のブログ(こちら)もご参照ください。
Q14:M4 pref. ago.はM4 ago.と何が違うのか(1)
A14:M1やM4に対する選択性の違いとなります。M4 pref. ago.はM1に対して多少の活性があるもの、M4 ago.はM1に対する活性をほぼなくしたもの、とご認識いただければと思います。通常の医薬品は投与量を上げれば効果も上がっていく、いわゆる用量依存性と呼ばれる相関性があります。一方で、精神疾患における医薬品はそうならないことが多く、投与量を上げすぎると効果が落ちることが多く、適切な投与量を見つける必要があります。また、M1は認知症状、M4は精神症状への効果があることが知られており、これらをどの程度作用させれば統合失調症やそのほかの精神疾患に効果があるか、実はあまりわかっていません。そのため、当社とニューロクライン社はM1、M4に対して異なる選択性を持つ開発品を複数用意し、どの症状・疾患に対してどれが適切かを見極めていく予定です。こちらについては以前のブログもご参考いただければと思います。
Q15:M1 pref. ago.を開発した理由は何か。また、他との違いは(1)
A15:多様な精神症状・認知症状に対応するため、異なる選択性を持つ開発品を確認することが目的となります。M1 pref. ago.は主にM1に対する活性があり、M4に対しても多少の活性を有するAgonistになります。詳しくは上記回答と合わせてご確認ください。
Q16:ニューロクライン社が買収された時の対策は考えているのか(1)
A16:当社としては、パートナーによらずムスカリン作動薬ポートフォリオの価値最大化のために、できる限り強い協力体制を構築していきます。仮にニューロクライン社が買収されるとすれば、ムスカリン作動薬ポートフォリオの獲得は主要目的の1つと考えられ、その開発は加速されこそすれ、後退する可能性は限りなく低いと考えています。Biohaven社やAllergan社の買収の件では、当社からの導出品は前臨床段階もしくは早期開発品しかなく開発戦略が変更されましたが、ニューロクライン社はPh2が1品目、Ph1が3品目進んでおり、状況が全く異なります。
Q17:M1の臨床試験の完了時期と、日本試験の判断時期は(1)
A17:完了時期についてはニューロクライン社も公表していないことから、回答を差し控えさせていただきます。また、日本における試験については、早くても現在のPh1試験終了後となります。前回のブログでもご紹介しましたが、グローバルの試験に途中から参画することで、開発スピードを落とすことなく開発リスクを軽減することができます。そのため、オプション権行使の判断は早くても来年あたりになると考えています。
Q18:CCR6拮抗薬について、Ph1の試験内容がアップデートされているが、この狙いは何か(1)
A18:これまで中等症~重症を対象としていたものを、軽症~中等症の患者も加えることで、より多くの患者を狙った開発品になるか可能性を見極めていると考えられます。以前は中等症~重症のみの患者を対象としていましたが、2024年7月には軽症~中等症の患者も含めたデザインに変更となりました。そのデータをもとに、Ph2におけるデザインを見極めていくことが狙いと考えられます。
Q19:AbbVie社との提携において、炎症性疾患の表記がなくなっているが神経疾患領域に注力したということか(1)
A19:AbbVie社とは炎症性疾患における創薬提携は中断しており、神経疾患領域に注力をしています。炎症性疾患における創薬提携が中断している背景についてはAbbVie社との契約上述べることはできませんが、一般的には投資対効果の観点・研究の注力領域の変更、研究開発費用の制約によるものなどが考えられます。
Q20:GPR52作動薬はブロックバスターになる可能性はないのか(1)
A20:もちろんブロックバスターを狙っておりますが、現在得られている情報からブロックバスターの可能性が高いもののみにラベルを付けています(第2四半期説明会資料 P11)。例えば、M4 ago.は先行しているKarXT(Karuna社)の売上予想がされており、ブロックバスター化の可能性が高く、同様のメカニズムを狙っているM4 ago.(NBI-1117568)はブロックバスターを同じくブロックバスターとなる可能性が高いです。一方で、GPR52作動薬は、当社の開発品(NXE-149)がファーストインクラスであり、ポテンシャルとしては未知数です。今後Ph1やPh2試験の結果が出てきて、その効果・安全性が有望であればもちろんブロックバスターを狙えると考えています。
Q21:GPR52作動薬で現在実施中の試験はPh1aなのか、Ph1a/bなのか。(1)
A21:現在実施中のものはPh1a試験ですが、Ph1bをはじめ有効性を初期検証したのちにベーリンガー社がオプション権行使を判断する予定です。現在実施中の試験(参考リンク)は8月15日にリクルートが終了していますが、今後別の試験を実施し有効性シグナルを確認することを想定しています。
Q22:GPR52作動薬のロイヤリティや、EP4 ant.におけるCRUKとのロイヤリティ配分はどの程度なのか(1)
A22:どちらも公表はしておりませんので、回答は差し控えさせていただきます。ベーリンガー社についてはオプション権行使後は一般的な導出となりますので、他社との提携と大幅に条件が違うことはない予定です。一方でCRUKはFunding agency(研究開発費用の資金提供機関)で、寄付をはじめ資金を集めて活動を行う慈善団体であり、営利団体ではありません。そのため、上市までいけば多少のロイヤリティが発生しますが、その割合は小さいとご理解いただければと思います。
Q23:EP4 ant.について、なぜEP2/4のデュアルではなくEP4単体に狙いを絞ったのか。(1)
A23:EP2受容体とEP4受容体の特性の違いから、デュアルではなくEP4単体を狙うことにしています。EP2受容体とEP4受容体はリガンドへの結合のしやすさが異なります。そのため、同じ化合物でこれらの受容体を同時に狙おうとすると、どちらかを過剰に阻害してしまう、もしくはどちらかを全く阻害できない状態となってしまいます。そのため、まずはより薬になりそうなEP4単体を狙っています。もしEP2も薬のターゲットとして有用というデータが出てきたら、双方を狙うことも考えていきたいと思います。
Q24:EP4 ant.で記載されているPh1bとPh2は何が違うのか。(1)
A24:Ph1bは有効性の間接的なシグナルを見るのに対して、Ph2では特定のがん種に対して直接的に有効性を評価することを目的としています。Ph1bは血中の特定の物質の増減を見たりして初期的な抗腫瘍活性などを評価することや、それによりPh2の用量を特定することを主な目的としていますが、Ph2については特定のがん種に対して「無増悪生存期間」などより直接的な評価を行う点が異なります。どちらも有効性を見ることにはなりますが、Ph2の方が直接的な評価となるためインパクトは大きい試験となります。
Q25:IBD関連のパイプラインが3つあるが、それぞれの違いについて教えてほしい(1)
A25:炎症抑制・バリア機能の回復など、狙っている効果が異なります。詳しくは以前のブログ(Q27)をご参照ください。
Q26:Centessaはネクセラファーマが株式を持ちマイルストン収入の一部を補完していたと認識しているが、Centessaの評価額が低くなったことで、うまみが少なくなっているのでは(1)
A26:Centessa社の開発品の失敗が続いたことで、当初の想定よりも評価額が低くなっており、通常の提携契約よりもうまみは少なくなっていると考えています。Centessa社とはマイルストンを通常よりも安く設定する代わりに、当社がCentessa社の株の一部を所有するという契約になっています(参考)。現在Orexia社由来のORX750以外で開発が失敗している例が散見されていることから、上場時と比較すると半分程度の株価とはなっていますが、仮にORX750が成功した場合には市場規模も大きいことから株価も上がることが考えられ、その上がり幅によってはうまみが大きくなる可能性もあります。現在Centessa社はORX750に加え、後発のORX142の開発にも注力していることから、当社としても進捗を期待しています。(参考)
Q27:TMP-301で再度Ph1をやった理由は何か。また、ネクセラが実施したPh1との違いは何か(1)
A27:当社が導出前に行っていた試験は単回投与による評価を実施していましたが、Tempero Bioが行っているのは複数回投与を行う試験のため、Ph1試験でも目的が異なっています。単回投与漸増試験(SAD)(NCT03785054、当社実施)というものは、健常人の方に薬剤を1回のみ投与し、安全性と薬物動態を評価します。一方、反復投与漸増試験(MAD)(NCT06025396、Tempero社実施)では、被験者に複数回投与した際の安全性・薬物動態に加え、蓄積性なども評価をしていきます。また、TMP-301のPh1では、他にも想定しているメカニズムがヒトでも作用する可能性があるかを確かめる試験も実施しています(NCT04462263、当社実施)。
Q28:CGPR拮抗薬については、進捗はどうなっているのか(1)
A28:提携先の進捗ですので、残念ですが当社からのコメントは控えさせていただきますが、Pfizer社の優先順位が下がっていることからパイプライン表からは除いています。Pfizer社が既にzavegepant(当社が権利を保有するものとは別)は販売する中で、現在前臨床試験にある当社のライセンス品の開発を進めるかどうかは不透明であるため、当社の主要開発品一覧からは除いています。
Q29:SSTR5作動薬を日本で進める予定はないのか(1)
A29:H4アンタゴニストと同様優先度を下げており、現状日本での開発についても検討しておりません。何か進捗があれば皆さまにお伝えできればと思います。
Q30:コロナ治療薬の進展について教えてほしい(1)
A30:こちらは現在開発の優先度を下げており、皆さまにご報告できる進捗は現状ございません。COVID-19はまだ一定の感染者数はいるものの、世界的な流行がいったん収まったこと、すでに有効な治療薬もいくつか存在し、当社がこの領域に注力し新薬を開発する意義が薄れたこともあり、全社的には優先度を下げております。
Q31:ダリドレキサントを獲得したがHTL6641はどうするのか(1)
A31:ダリドレキサントを保有していることから、現状こちらの開発は優先度を下げております。今後アカデミア・他の製薬企業等に興味を持ってもらった場合、こちらについては提携をする可能性もあります。
Q32:MC4受容体は創薬ターゲットとして魅力的であり、MC4拮抗薬も開発しているのであれば、MC4作動薬の創薬・開発は考えないのか(1)
A32:ポテンシャルが高いと判断されれば創薬・開発を行う可能性はありますが、同じ作用機序ですでに上市済みの製品(setmelanotideやbremelanotide)があることから優先順位は高くありません。
Q33:InveniAI社との提携は終了したのか (1)
A33:InveniAI社との提携については中断をしております。技術提携段階では、実証実験も含めた提携を多く行っていることから、結果が出なければ早期終了もあり得ます。現在プレゼン資料で掲載している技術提携先に関しては、現時点でプログラムが動いている提携と考えていただければと思います。
Q34:今後キャッチアップしたい期待の技術はあるか(1)
A34:以前からお話をしておりますが、GPCR以外の膜タンパク質(例えばトランスポーターやイオンチャネル)については力を入れて検討をしています。当社の強みは、構造が不安定な膜タンパク質を安定化させて分析できる技術です。そのため、このプラットフォームの価値を最大化するために可能性を検討しています。また、もちろんAIを活用した研究開発の効率化は行っており、これらの技術動向は注視しています。
Q35:Orbitの成果について発表してほしい(1)
A35:基礎段階ではありますが着実に進捗しています。特に、これまでにない創薬ターゲット発掘に力を発揮しており、今後、しかるべきタイミングで皆様に成果をお話しできることを楽しみにしております。
Q36:提携について進捗が常に遅れているが、何が原因か(1)
A36:提携交渉では複数の相手とのコミュニケーションが必要であることに加え、双方の利益の落としどころを探るために時間がかかることが多いです。例えば、複数の会社が提携候補に挙がっている場合は、各社から提案が出揃うまで比較ができず交渉が進まないこともあります。当社としても期日内の目標達成に向けて常に工夫はしておりますが、自社の都合だけで交渉が進まないことがあることもご理解いただけますと幸いです。
Q37:今期の提携プログラムで、前臨床や臨床開発においてマイルストンを複数達成したと言っているが、その内訳は(1)
A37:前臨床段階ではAbbVie社との提携での進捗やニューロクライン社のM4作動薬の長期毒性試験の成功、臨床試験段階ではCentessa社の臨床開発開始が含まれます。AbbVie社との提携では、どのようなマイルストンを達成したかは契約上お伝えすることはできませんが、次のステージに向けて一定の成果が見えてきている状況です。
- 業績・株価対策について(33)
Q38:株価が低迷しているので何かしら対策をしてほしい(13)
A38:機関投資家やアナリストとの対話をより行っていき、当社の企業価値を理解していただくように進めてまいります。M4のPh2試験結果やダリドレキサント承認など、大きなカタリストがあったにも関わらず株価が反発しなかったことも踏まえ、それぞれのディールに対する説明を今後も継続的に行っていく必要があると感じています。なお、新規提携やM&Aなども株価上昇の要因にはなりますが、これらは交渉事であり相手先もあるため思い通りにはいかない部分もあることはご理解いただければと思います。
Q39:配当や自社株買いなどの株主還元は考えているのか(5)
A39:将来的な可能性としてありえますが、安定的な利益を上げることをまずは優先していきます。当社は現在成長途上の企業であり、余剰資金は将来の成長のための投資をすることで中長期的な安定利益基盤を確保し、それに加えて開発品の充実を図ることで、当社の価値を高めることが第一優先だと考えています。
Q40:今期の利益水準はどうなりそうか。また、いつ黒字化をするのか(3)
A40:今期は統合関連費用などの買収に伴う一時費用が多いものの、Core営業利益では黒字を目指します。IFRSベースでの黒字化はできるだけ早いタイミングで考えておりますが、契約一時金、マイルストン収入は提携先に依存してしまうため、確約が難しい点をご了承ください。2025年以降は買収に伴う会計上の一時費用等の減少が見込まれます。
Q41:販管費が200億円近くもかかる理由は(2)
A41:今期はピヴラッツの韓国販売に向けた準備に加え、ダリドレキサントの上市準備や旧IPJ/IPK(現NPJ/NPK)の統合関連費用がかかることから200億円と見積もっています。なお、来年からは販売準備や統合関連費用は一部残るものの、これらの大部分はなくなる見込みです。
Q42:ピヴラッツ・ダリドレキサントの売上目標に対してIPJ/IPKの買収金額が大きかったのではないか(2)
A42:ピヴラッツ・ダリドレキサントからの収益は十二分に買収金額に見合ったものだと考えています。2品目(ピヴラッツとダリドレキサント)の3地域(日本、韓国、台湾)に絞ったピーク時のEBITDA(予想)は100億円以上ですので、仮にこれだけでも魅力的とみています。それに加えてオプション権等を持つ開発品(7品目)、権利を持つ地域(12か国)、Nxera Pharma UK開発品とのシナジー、今後日本・APACでの開発・販売機能を活用した新規導入品は、全て追加でのアップサイドになります。
Q43:リストラ・報酬を抑えるなど、販管費を抑えることはできないのか(2)
A43:販管費・R&D費については常に最適化を図っていきます。2024年はM&A後の統合作業等で一時的に販管費が大きくなっていますが、統合は順調に進んでおり、今後はより筋肉質な組織構造になると考えています。
Q44:業績のガイダンスや中長期予想は出さないのか(3)
A44:依然として提携先の進捗状況に業績が大きく依存しており、特に契約一時金・マイルストン収入などのガイダンスを出すのは難しいと考えています。一方で、来期からはダリドレキサントのロイヤリティ収入が当社売上に加わり、これまでよりも見通しの立ちやすい売上げが増える予定です。
Q45:手持ち資金が枯渇する懸念はないのか。(1)
A45:2024年6月末時点で500億円以上の現預金があり、仮に契約一時金やマイルストン収入が一切が無くても長期間事業継続が可能ですので、資金枯渇の懸念は小さいと考えています。今後の投資も、当然手元の現預金を意識して行っていきます。
Q46:安定株主比率はどうなっており、他社と比べてどうなのか(1)
A46:安定株主の比率は着実に上がってきており、日本のバイオベンチャーの中でも安定株主比率は高いと考えています。当社は2023年からプライム市場に上場市場の区分変更を行ったことで、国内外の機関投資家からの注目度も高まりました。また、TOPIX指数に組み込まれたことでETFからの投資も一定の割合を占めるようになりました。現在も継続的に海外含め投資家との対話を行っていることで、安定的に当社株を保有する株主数は着実に高くなってきています。
Q47:2024年12月期 第2四半期(中間期)決算短信で記載されている「自社が権利を有する複数の開発品の臨床試験開始を見込みます。」とは何のことか(1)
A47:提携先パイプラインや自社開発のパイプラインを含んだものになります。提携先では、ニューロクライン社のM1 pref. ag.のNBI-1117567やCentessa社のORX-750の臨床試験開始、自社開発品ではEP4受容体作動薬のNXE0033744の臨床試験開始が該当します。
- インライセンス・後期開発品/上市品について(29)
Q48:Cenerimod/Lucerastatのオプション権行使判断はどうなっているのか(7)
A48:判断時期については当初の予定よりも後ろにずれ込んでおりますが、検討自体は進捗しております。Cenerimodについては2024年2月のプレスリリースでもお知らせした通り、Viatris社が日本・APACを除く権利を獲得したことで、交渉の際はIdorsia社・Viatris社・当社の3社での話し合いが必要となります。そのため、オプション権行使に向けて調整が必要となり、時間がかかっている状況です。また、グローバル治験への参加の要否も含め、3社間で検討をしておりますので、公表ができるようになったタイミングで概要についてお知らせできればと思います。
Q49:今後目標を達成するために、どのくらいのパイプラインを導入し、どのくらいの売り上げを目指すのか。(2)
A49:現在皆さまに公表している目標以上のことは申し上げられませんが、今後継続的に複数の製品を導入していくことを考えています。売上高についても社内では高い目標を掲げていることから、今後比較的大きな売り上げが見込める製品を積極的に導入し、その目標を達成したいと考えています。
Q50:ダリドレキサントはDORAとしては3番手となることから、どのような特徴を打ち出しシェアを獲得していく予定か。(2)
A50:戦略自体は機密情報になるため詳しくお答えすることはできません。一般論として研究結果や臨床試験結果をもとに医療従事者の方々に当社製品の特長を理解してもらい、選択していただく必要があります。有効性や安全性に関する情報提供を継続的に実施し、当社製品のシェアを高めていくことが基本方針です。
Q51:ダリドレキサントの上市は今年中を予定しているのか。(2)
A51:医薬品の開発では断定的なことは申し上げられませんが、薬価収載で特に問題がなければ年内の上市は達成可能と考えています。
Q53:アプロシテンタンの導入判断時期、Ph3の規模はどうなりそうか。(2)
A53:当社が優先交渉権を持っているアセットではないことから、導入する場合にもしばらく先となる可能性があります。もちろん関係が深いIdorsia社のアセットであり、欧米承認済みの医薬品であることから導入検討の対象とはなっていますが、まだ具体的な計画はございません。そのため、申し訳ございませんがPh3の規模についても現状お答えできません。
Q54:スイスIdorsia社と米Viatris社がセラトグレルに関して提携をしたが、権利関係はどうなっているのか。(2)
A54:セラトグレルについては、当社は権利がありません。
Q55:優先交渉権を持つパイプラインの判断時期はいつ頃になるのか。また、それはすべて同時なのか個別なのか。(2)
A55:優先交渉権の判断時期は具体的には申し上げられませんが、各開発品個別での判断となりますので、それぞれ当社として必要な時期に判断を実施していきます。例えば臨床試験の結果が今後出ることが見込まれるのであれば、その結果を待ってから導入の要否を決めることとなります。
Q56:ピヴラッツのピークセールスはどこまでを見込んでいるのか(1)
A56:製品個別のピークセールスは開示していませんが、今後も一定程度の成長すると見込んでいます。現在、販売しているのは日本だけですが、今後は韓国でも上市を見込んでいます。ただし日本国内では、市場浸透がかなり進んだことで、今後は成長率の低下が予想されています。
Q57:韓国でのダリドレキサントの承認申請の予定は?また、他の地域への進出プランはどうなっているのか。(1)
A57:ダリドレキサントは今年中にPh3の開始を予定しており、承認時期についてはお示しできるようになりましたらブログや開示等を通じてお知らせします。以前のブログでもお話しした通り、限られたリソースで複数のプロジェクトを回していることから買収当時の見込みからは遅延をしておりますが、外部提携等を活用しながら推進をしていく予定です。また、APACでの他地域展開についてもお話しできるようになりましたらお知らせいたします。
Q58:ダリドレキサントの名前はどうなるのか(1)
A58:先日承認のリリースで公表した通り、「クービビック錠」という名称となりました。
Q59:Cenerimodのオプション権を行使した場合、日本で治験を行うのか。また、費用負担は。(1)
A59:現在検討中のため詳細を申し上げることはできませんが、日本単体での治験実施も含め検討をしています。Cenerimodは過剰になった免疫系を抑制する作用があり、複数の自己免疫疾患に対して効果が期待されます。現在グローバルでは全身性エリテマトーデスの試験が行われていますが、それ以外の適応症も含め広範な可能性を考えています。
Q60:日本におけるCenerimodの治験申請を取り下げた経緯は(1)
A60:治験申請を取り下げた2023年12月当初は、Idorsia社の資金力に懸念があり、治験継続可能かが不透明であったことから、全身性エリテマトーデスでの開発が適切かを再検討するために治験申請を取り下げました。現在はViatris社がグローバルの権利も獲得し資金力も十分あることから、全身性エリテマトーデスのグローバルPh3試験に日本も参加する選択肢も含め検討をしている状況です。
Q61:Cenerimodの国内販売については、ネクセラ単独で可能なのか(1)
A61:上市は数年後で時間もあることから、準備含め国内販売は自社で行うことも可能だと考えています。しかしながら、自社単独での販売にこだわらず、パートナーと提携して実施するなどの幅広い選択肢を検討したうえで、当社の利益が最大化するような戦略を立てていく予定です。
Q62:イドルシア社以外からの導入品の状況はどうなっているか。(1)
A62:現在交渉中もしくは検討中のものが複数あり、今年中には皆さまに何かしらのお知らせができるように進めております。
Q63:導入品で新たにかかるコストは借り入れによって充足する予定か。(1)
A63:導入品のコストについては、原則自社で賄う予定です。他の質問の答えにもある通り、当社は十分な投資余力がありますので、適切なサイズの導入品に対して、自社で投資可能だと考えています。
Q64:M1の国内開発等において、補助金の活用を考えているか。(1)
A64:M1に限らず、補助金をはじめ、メリットが大きい外部資金については積極的な活用を検討しています。当社は潤沢なキャッシュを保持していますが、常にリスクを低減させながら研究開発投資を進めています。その選択肢の一つとして補助金の活用も考えております。
Q65:提携プログラムも含め、早期承認制度の活用は考えているか(1)
A65:提携プログラムは提携先の判断となりますが、当社開発のプログラムは使える制度は積極的に活用する予定です。今後導入する開発品についても、制度の適用可能性を検討し、可能であれば活用をしていきます。
- イベント・情報公開について(23)
Q66:決算説明会のQ&Aの公開が遅い。また、頻度高く発信をしてほしい。(11)
A66:こちらお時間をいただいてしまい大変申し訳ございません。今後もできる限り早めの公開を目指し今後も頑張ってまいります。また、開示している情報以外にも、皆さまにお伝えすべきことがあれば適宜ブログでお知らせしていきます。
Q67:個人投資家説明会はわかりやすくてよかった。今後も定期的に実施してほしい。また、Q&Aの時間も長めにとってほしい(5)
A67:ありがとうございます。普段なかなか交流できない個人投資家の皆さまとコミュニケーションをとれるのは、当社としても貴重な機会と考えておりますので、定期的に開催するようにしてまいります。また、今回は説明に多くの時間を割いてしまいましたが、次回以降は時間を調整し、Q&Aにも時間を割けるように工夫させていただきます。なお、すでにご案内の通り、11月14日には個人投資家説明会を開催いたします。こちらで皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。
Q68:パイプラインの進捗における開示は何を基準としているのか(3)
A68:業界での一般的な基準に従い開示をしております。提携先との議論をもとに進めていることもあり個別の基準についてはお示しすることはできませんが、進捗の中でも重要な進捗があった場合に開示をしております。例えば、GSK社から返還されたGPR35受容体作動薬では、治験届出が完了しておりましたが臨床試験開始前にGSK側で開発中止を決定いたしました。そのため、一般的に治験届出の段階での開示は行わないことが多いです。(もちろん開示を行うべき場合もあります)
Q69:決算説明会の際、一般質問の回答に時間をとってほしい(1)
A69:時間が限られるため、決算説明会の際はお時間が限られることご了承ください。一方で、個人投資家の方々に対する説明会も追加で実施いたしますので、そのような機会を通じて皆さまへの説明時間も増やしていければと思っています。
Q70:もう少し深掘りしたテーマを話してほしい(1)
A70:今回は業界の基礎知識も含めた発表にしましたが、次回以降は特定のテーマを深掘りした会を開くことも検討いたします。
Q71:新HPのデザインが特徴的だが、この意図を教えてほしい(1)
A71:他社とは異なる新しいバイオ医薬品企業であることを強調するために、それを押し出すようなデザインとしています。引き続き皆さまに適切な情報を届けられるように改善をしていきたいと思っております。
Q72:ウェブサイトに電話番号を載せてほしい(1)
A72:こちら申し訳ございません。現在HPを適宜アップデートしております。すでに電話番号含め企業情報を掲載しております。
- ビジョン・経営の方針について(10)
Q73:APACの開発進捗や戦略はどのようになっているか?また、その際の臨床試験の要否は(3)
A73:現状公表できることは限られており大変恐縮ですが、個別製品の戦略含めお話しできる段階になりましたら開示・ブログ等を通じて公表させていただきます。APACと一括りに言っても、各国で医薬品規制の事情は異なります。例えば、タイなどの東南アジア諸国では日本の臨床試験・承認データをもとに申請が可能となりますが、複数国でのデータや承認、もしくはその国での追加の臨床試験が必要な国もあります。また、その国での製造を要求されるところもあることから、これらを加味してAPACの戦略を考えております。
Q74:2030年のビジョンとして業界15位の時価総額というのは目標として適切なのか(2)
A74:2024年2月のブログや株主総会の質疑応答で補足の通り、「時価総額で日本国内の製薬企業の時価総額Top15位以上に入ることを目指す」という意味になります。当社自身の経営努力だけでは動かしがたいパートナー企業の進展を会社目標として設定するのは適切ではないと考え、パートナーの開発が仮に不調に終わっても、自社の努力・戦略で達成すべき目標として、15位以上を設定しています。もちろんこれを達成するために営業利益や売り上げを上げていく必要があるとは思っています。
Q75:「日本から世界にイノベーションを届け、日本発の国際的なリーディングバイオ企業となる」というビジョンの達成時期は(1)
A75:具体的な達成時期は申し上げることはできないものの、できる限り早い段階での達成を考えています。当社は2015年のHeptares社の買収、2023年のイドルシアファーマシューティカルズジャパン・コリアの買収により事業を大きく成長させ、ビジョン達成に向けてフルセットのバイオ医薬品企業へと進化してきました。必要なピースが揃ったこともあり、ビジョン達成に向けてこの先数年が事業を加速させていきたいと考えております。
Q76:国内製薬業界が元気がなくなって来ているが、ネクセラファーマの意気込みは(1)
A76:当社は成功したバイオベンチャーとなり、バイオ業界から製薬業界全体を盛り上げていきたいと考えています。バイオ業界はこれまで数多くのベンチャーが上場していますが、大きな成功を収めた企業はないと認識しています。そのため大きく儲かった投資家も少なく、バイオベンチャー業界への資金が入ってこない状況が続いています。当社は成功を収めることでバイオベンチャーという殻を破り、製薬業界においてリーダーとなっていこうと考えています。その実現に向け、当社の強みを最大限に生かし価値最大化に向けて引き続き一同取り組んでいきます。
Q77:企業買収の予定はあるか。また、その際の規模感は(1)
A77:直近で大型買収の予定はありませんが、常に買収の機会は探っており、もしいい機会があれば機動的に買収に動きたいと思っています。ただし、買収の規模感など現在特に決めているものもないため、リスク・リターンを都度加味し、十分にメリットがあると判断した場合には大型買収も考えていきます。
Q78:ストックオプションではなくRSUを付与する理由は(1)
A78:優秀な人材の確保と従業員の長期的なコミットメントを促進するためにも、RSUが適していると考えています。当社は付与量の差こそあれ、全従業員にRSUを付与することで、優秀な人材に長期的に、株主の皆様と同じ方向を向いて働いてもらい、自社の株価を自分事として捉え会社の業績に貢献してもらうべく報酬制度を設定しております。付与人数が相対的に多く、現実的な手続きを踏まえれば、RSUが適切であると考えています。
Q79:なぜ取締役の枠を増やしたのか。また、製薬企業等のコネクションがない人も入っているのはなぜか?(1)
A79:今後の事業成長に備えガバナンスを強化する必要がある場合に備え、2023年12月期の株主総会における承認を得て取締役の定員を増やしています。また、事業を進める上では製薬企業以外の専門性(例えば法律・ESGなど)も重要となることから、製薬業界以外からも社外取締役を選任しています。
- 一般的な医薬品開発について(5)
Q80:欧米で承認されている薬でこれから日本でも承認されるものはどのくらいの割合か(1)
A80:日本未承認薬の約半分が、日本でも遅れて承認の可能性があり、残りの約半分が開発もされておらず承認の見込みがないものになります。日本製薬工業協会HPに掲載の資料(参考)によると、欧米で承認されている新薬のうち、日本で承認されていないものは2020年時点で約70%(176品目)に上ります。そのうち、81品目(46%)は欧米から遅れながらも承認される予定(ドラッグ・ラグ)、95品目(54%)は国内で開発されておらず国内上市の見込みがないもの(ドラッグ・ロス)になります。
Q81:ヒット化合物が見つかってから前臨床試験に入るまでの期間の目安は(1)
A81:一般的には2-3年程度かかることが多いです。製薬協の資料では、基礎研究で2-3年、動物試験(前臨床試験含む)で3-5年となっております。基礎研究でヒット化合物が見つかったのち、2-3年かけて薬効・薬理試験などの試験を行い、毒性等を確かめる前臨床試験を実施します。ただし、この期間は企業もしくはヒット化合物に依存するため、あくまで目安として見ていただければと思います。
Q82:Ph1完了からPh2開始、Ph2完了からPh3開始の一般的な期間はどのくらいなのか(1)
A82:臨床試験完了から次のフェーズの臨床試験開始はおおよそ1年前後とみていただければと思います。化合物や臨床試験の結果、当局とのコミュニケーションに依存するため、上記期間はあくまで目安ですが、順調に進んでいる場合はフェーズ移行に数年かかることはほとんどないという認識です。
Q83:臨床試験の費用感は領域・フェーズ別でおよぼどのくらいなのか。(1)
A83:領域・開発地域・開発品の特性で大きく変わるので一概には言えませんが、国内ではPh1-3でそれぞれ5億円・15億円・30億円、グローバル開発では5億円・30億円・160億円となっています。こちらは製薬協の公表資料(参考:図5-5)からの引用であり、全てをまとめた平均であることに留意いただければと思います。例えば、長期間・大規模な臨床試験が必要なアルツハイマー病ではPh3の臨床試験は1000億円近くにもなります。
- その他(35)
Q85:田中諭氏の解任について詳しく教えてほしい。(7)
A85:当社の取締役会において同氏の解任を決議し、当社執行役副社長およびNPJ社長から解任いたしました。申し訳ございませんが、背景・理由や今後の対応についてはプレスリリースに記載している以上のことは申し上げられませんが、当社取締役会は社外取締役7名、社内取締役2名から構成されており、他社と比較しても社外取締役が多い構成となっております。これらの客観的な立場から、会社としての判断を行っております。
Q86:田中氏解任によってどのような影響があるのか。また、ネクセラ社内でトラブルは発生しているのか。(2)
A86:10月1日付で杉田氏がNPJの新社長兼CMOも就任し、各種業務も順調に進捗していることから、当社の業績や今後のビジネスへの影響はございません。本件は当社の臨床開発や導入活動、製品販売とは関係なく、当社の連結決算にも影響はなく、現時点で特段のトラブルは発生していませんのでその点はご安心ください。当社は、日本における臨床開発および商業化事業でリーディング企業になることを目指しており、その目標に向けた事業運営体制の強化を早急に進めており、その一環だとご理解いただければと思います。
NPJの開発・販売を加速するにあたり、日本の製薬業界で長年にわたり活躍してきた杉田氏は適任だと考えています。杉田氏のもと、ピヴラッツ、クービビックの製品の市場浸透に加え、日本・APAC地域での導入を実行し、買収時に見込んだNPJのポテンシャルを上回ることを目指していきます。
Q87:杉田氏が就任したことで、今後のNPJのビジネスはどう変わるのか。(2)
A87:現在あるNPJの製品を浸透させとともに、導入活動を加速させて日本ビジネスを拡大していきます。日本市場のポテンシャルは依然大きい一方で、ドラッグラグ・ロスの問題もありアンメットニーズは大きいと考えています。そのニーズを満たすために、革新的な新薬を日本・APAC市場に導入することをより加速させていきます。
Q88:塩野義との提携の背景やネクセラにとってのメリットについて教えてほしい。(1)
A88:背景について各社のリリース以上のことは申し上げられませんが、本剤、また当社も含めた関係3社にとってベストな取引だったと確信しています。持田製薬・塩野義製薬との協議の結果、持田製薬が塩野義製薬との販売提携を解消し、当社が塩野義製薬と新規提携しました。同一製品内での競争の抑制、他剤との競争への対応、最短での上市達成を3社で十分に検討した結果であり、当社の収益性も大きく改善すると考えています。
なお、各社のプレスリリースは以下をご参考ください。
持田製薬:リンク
塩野義製薬:リンク
Q89:野村CFOが入社後に達成したこと、これからやりたいことは何か(1)
A89:CFOとしての定常業務に加え、市場変更や事業開発を所管しています。ご存じの通り、今年から日本・APACへの開発品導入を積極的に行い、全社的に日本・APACのビジネスの強化に力を入れています。今後画期的な開発品を継続的に導入し、日本事業を当社の大きな成長ドライバーに育てていきたいと考えています。
Q90:ヘプタレスの元株主に対する報酬の支払いはすでに終了しているのか(1)
A90:既に大部分が終了しております。
Q91:創薬エコシステムサミットに参加された感想を教えてください(1)
A91:日本政府として当領域を支援する素晴らしい取り組みであると同時に、ベンチャー側も期待に応えるべく努力を重ねる必要性を感じました。開発体制の整備や投資資金が集まったとしても、開発を担う企業や投資先として魅力的な企業がいないとエコシステムが活性化することはありません。日本政府の意気込みに応えるためにも、当社をはじめベンチャーとしても日々努力をする必要があると感じました。
Q92:IR担当の田原の自己紹介をお願いします。(1)
A92:すると申し上げておきながら大変遅くなり申し訳ございません。もともと中外製薬でCMC部門で抗体医薬の製造プロセス・処方・剤形などの研究に従事したのち、外資系コンサルティングファームのアーサー・ディ・リトル(ADL)でヘルスケア領域のコンサルタントをしていました。ADLではCOVID-19パンデミックに関する書籍を執筆したり(参考)、再生医療・遺伝子治療の市場調査を行う(レポート1、レポート2)など、対外的な活動もしておりました。
ヘルスケアの領域とは離れますが、ADL在籍時代の2022-2023年に実施されたJAXA宇宙飛行士候補者選抜試験(参考)で第3次試験(最終試験)の10人にも残りましたが、残念ながら最後の段階で候補からは漏れてしまいました。
11月に開催予定の個人投資家説明会で登壇予定ですので、そこで皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。
Q93:StaR技術は名前を変えたのか(1)
A93:StaR技術含め、ネクセラファーマへの社名変更・ブランド変更に合わせて、技術の名前についても変更をしております。従来StaRと呼んでいたものをNxStaRと名付け、そのほかの技術を合わせてNxWaveプラットフォームと呼んでいます。
Q94:そーせいからの社名変更を知らなかった(1)
A94:今回の説明会では「ネクセラファーマ」への社名変更を皆さまに知っていただくためにも開催したこともありますので、これを機に知っていただけて良かったです。
Q95:決算説明会の通訳が聞き取りづらかった(1)
A95:申し訳ございませんでした、次回に向けて改善していきます。
Q96:頑張ってください!応援しています(16)
A96:ありがとうございます!皆さまのご期待に沿えるよう社員一同引き続き頑張ってまいります!