2022年10月17日月曜日

ファイザー社のフェーズ2b試験のデザインが公表

みなさんおはようございます。CFOの野村です。

木曜日のR&D Dayに出席いただいた皆様ありがとうございました。会場に加え、254人の方にZoomからもご参加いただきました。当日の資料はこちらで、ビデオも近日中にHPの「決算説明会・資料」にアップロードを予定しておりますので、見逃された方はご参考いただければと思います。また来週10月25日(火)には、主に個人投資家様を対象として、当社の事業内容をできるだけ分かりやすくご説明するWebセミナーも予定しています。お申し込みはこちらからお願いします。



さて、金曜日にファイザー社と当社の共同研究から生まれたPF-07081532について、フェーズ2b試験がClinicalTrials.govに登録されました。詳細はこちらをご覧下さい。また、既に発売されているリベルサスやマンジャロの、同じような開発段階(フェーズ2試験)時点での試験デザインの比較は、以下の通りです。

製品・開発品投与方法開発段階参加者適応症参照
PF-07081532経口(1日1回)フェーズ2b試験780名2型糖尿病・肥満NCT05579977
リベルサス経口(1日1回:飲食制限あり)フェーズ2試験632名2型糖尿病NCT01923181
マンジャロ注射(1週間に1回)フェーズ2試験318名2型糖尿病NCT03131687

PF-07081532のフェーズ2b試験は、2型糖尿病と肥満の両方を対象とし、780名と比較的規模が大きく、すでに販売済みの経口薬のリベルサス(最高用量の14mg)も含まれる内容となっています。また、PF-07081532の最高用量について、先日EASDで発表された1回目のフェーズ1b試験の180mgから、260mgへと引き上げられています。ファイザー社はEASDの発表内でも、GLP-1作動薬の一般的な副作用を低減するため、用量の段階的増加の方法(タイトレーション)をフェーズ1b試験(そもそも短期の試験デザイン)から変えることを示唆していましたが(参考)、今回、最高用量も大きく引き上げたのは興味深いですね。当社としても、試験の今後に期待したいと思います。



また、当社がニューロクライン社にライセンスしたNBI-1117568(HTL16878/M4作動薬)について、9月19日にフェーズ2試験の詳細がClinicalTrials.govに登録され、先週の10月12日から被験者の募集が米国の3か所の施設で開始されました。詳細はこちらをご覧下さい。こちらも、他のM4作動薬の開発品の、同じような開発段階(フェーズ2試験)時点での試験デザインの比較は、以下の通りです。

製品・開発品投与方法開発段階参加者適応症参照
NBI-1117568経口(1日1回)フェーズ2試験213名統合失調症NCT05545111
KarXT経口(1日2回)フェーズ2試験182名統合失調症NCT03697252
CVL-231 (Emraclidine)経口(1日1回)フェーズ2試験372名統合失調症NCT05227703

NBI-1117568のフェーズ2試験は、現在フェーズ3試験が成功し(参考)、来年の承認申請に向けて歩みを進めているKarXTのフェーズ2試験と、かなり近いデザインとなっています。(なお、CVL-231はNCT05227690も実施)



2型糖尿病、肥満、統合失調症などはいずれも、まだまだ既存薬に改善余地があり、大きなアンメットニーズが残る疾患領域です。先日のR&D Dayでもお示しした当社のビジョン「世界をリードするサイエンスで、人生を変える医薬品を生み出す」を達成すべく、上記2つや、それ以外の多くの開発品も含め、開発や事業を前進させるべく邁進してまいります。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!


【2022年12月期に発表した進捗(一時金/マイルストン収入と関連するものに絞って整理)】
発表日四半期内容収入の種類今期の売上高
8月2日(参考3Qアッヴィ社と新たな戦略的提携を締結契約一時金契約一時金40百万ドルの一定割合
8月5日(参考3Qニューロクライン社がM4作動薬のPh2試験(IND)を開始マイルストン30百万ドル