2020年9月8日火曜日

IRチームからのご挨拶


みなさんこんにちは。

9/3日のリリースの通り、新たにIRチームの部長としてそーせいグループに加わりました野村広之進です。

入社して、今日でちょうど1週間が経ちました。


このブログには、今後も開示する程ではないけれど、そーせいを皆様にご理解いただくのに参考になることを書いていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします!


さて、今日は自己紹介も兼ねて、少し私自身のこと、今考えていることを書かせてください。


私は、2015年1月から2020年8月まで、みずほ証券でバイオベンチャーを専門に分析するアナリストをしていました。その前は三菱総合研究所という会社でヘルスケア領域(バイオ含む)のコンサルタントを、さらにその前は東北大学の薬学部・薬学研究科でバイオテクノロジーの研究を修士までしていました。合わせると、かれこれ15年くらいはバイオに携わっていることになります。


バイオ技術の面白いところは、最先端の研究でこれまでの常識が180度覆ったり、不可能が可能になったりと、日々ダイナミックな前進を繰り返していることだと思っています。皆さんの中にも、iPS細胞や免疫チェックポイント阻害薬の発見など、日本人研究者の方がノーベル賞を受賞したニュースを見て、その研究内容にワクワクした方が少なからずいらっしゃるものと思います。

一方で、少し残念なこともあります。ノーベル賞など一部の例外を除いて、最先端の研究のほとんどが世の中に知られていないか、知られてもその内容が正確に伝わりにくいことです。勿論、専門的なので細部を理解するのは大変ですが、それでも最先端の研究がどうなっていて、それが私たちの生活をどう良くする可能性があるのか、ということには、興味を持つ方も多いのではと思います。


私は、実はそーせいヘプタレスの持つテクノロジープラットフォームも、このように理解されにくいテクノロジーの一つだと思っています。「再生医療」や「遺伝子治療」など比較的治療のイメージが湧きやすい技術に比べ、そーせいヘプタレスの持つテクノロジーを説明すると、GPCR、結晶構造解析、SBDD...ちょっと聞いているだけでは何を言っているかわからない用語が、どうしても沢山出てきてしまうからです。

この辺の説明は今後じっくりやらせていただきたいのですが、私の役割は、まずはこれらの技術を皆様に分かりやすい形で説明していくこと、そして何よりそれがどのように事業としての競争力、将来の価値につながっていくか、ということを包み隠さず正直に皆様にお伝えすることではないかと思っています。


少し長くなってしまいましたが、まずは皆様へのご挨拶を兼ねまして、今考えていることを正直に書かせていただきました。


今後とも、どうぞよろしくお願いします!


【用語解説】

GPCR・・・Gタンパク質共役受容体(G Protein-Coupled Receptor)の略。現在発売されている医薬品の約4割がGPCRをターゲットとしている通り、最もメジャーな創薬ターゲットとして知られる。生体内では約800種類が存在、主には生体内のシグナル伝達に関わっている。そーせいヘプタレスはStaR技術(Stabilised Receptor技術)を使ってGPCRを結晶構造解析(次を参照)することで、これまでにアプローチが困難だったGPCRへの創薬に挑戦している。


結晶構造解析・・・たんぱく質の3D構造を解明する方法。そーせいヘプタレスでは薬のターゲットとなるGPCRの結晶構造解析を行っている。3D構造が分かれば、その構造に合わせたSBDD(次を参照)が可能になる。GPCRは構造が壊れやすく結晶構造解析が難しいことから、構造を安定化させるそーせいヘプタレスのStaR技術を使うことで、解析が可能になる


SBDD・・・Structure-Based Drug Designの略。ちょうどいい日本語はないが、一言でいえばIT創薬。従来の創薬手法であるランダムスクリーニング(創薬ターゲットに様々な化合物を試す方法)に比べ、結晶構造解析から得られた創薬ターゲットの3D構造を基に、コンピューターを使用して人工的に化合物を設計するので、創薬効率を大きく高められる可能性がある。