日本時間の昨晩に、当社提携先のファイザー社が、自社オリジンのDanuglipronの開発を優先させ、当社との提携から生まれたLotiglipron(GLP-1作動薬/PF-07081532)の開発を中止することを発表しました。ファイザー社のリリースはこちら、当社のリリースはこちらをご覧ください。Lotiglipronに関するポイントは以下の通りです。
- 薬物相互作用試験の薬物動態データとトランスアミナーゼ(AST/ALT:肝臓の検査値)の上昇が中止の要因。どの程度の上昇だったかなどの詳細は非開示
- 一方で、Lotiglipron投与者の中で、肝臓関連の症状や副作用が出た方、肝不全になった方、治療が必要となった方などは、いずれもいなかった
- 当社は、これまでに似た状況にあった他のプログラム/パートナーと同様、今後の開発の可能性検討を含めた、あらゆる協議を行っていく予定
- Lotiglipronに関する一連の試験データは、今後、学会あるいは論文を通じて公表される見込み
- Lotiglipronは当社のStaR技術を活用し、ファイザー社が生み出した化合物
我々にとっても青天の霹靂でしたが、まずはこれまでにファイザー社が集めたデータを元に、今後の開発方針について速やかに協議を開始したいと思います。ファイザー社の株価はLotiglipronの中止を受けて26日に約3.7%下落しました。ファイザーの投資家にとっても期待が高く、また想定外のニュースだったとみられます。
創薬は一筋縄ではいきません。残念ながら、期待通り開発が進まないこともあります。しかし、我々には約40本の進行中のプログラムがあり、Lotiglipronは期待の高いプログラムではありますが、我々にとっては40本の中の1つでしかありません。来年には、統合失調症に対するM4作動薬(NBI-1117568)のフェーズ2試験も完了する見込みであり、こちらは現在、順調に試験が進行中です。
我々はこれからも、我々は日本発の国際的なリーディングバイオ医薬品企業になることを目指し、困難を乗り越えて歩みを加速させていきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!