みなさんこんにちは。
IR&コーポレートストラテジー部長の野村です。
本日リリースの通り、ファイザー社が我々との提携から生まれた化合物の新たな臨床試験を開始しました。我々はこの進捗で5百万ドルのマイルストンを受領することになります。これで、2015年末にファイザー社との戦略的提携を開始して以降、合計3つ目の臨床試験が開始されたことになり、前臨床開発段階の化合物は全て臨床に進みました。提携開始から5年強でここまでの成果につながったことを、一同大変嬉しく思っております。尚、5百万ドルのマイルストン収入は全額2Qの売上高として計上されます。
さて、リリースにも記載した通り、本プログラムは拒食症を対象としたMC4(メラノコルチン4)受容体拮抗薬のPF-07258669になります。こちらは既にファイザー社が1Q決算時にアップデートしたパイプラインリストや臨床試験登録サイトにも記載されていますので、詳細や今後の進展などはこちらでもご確認ください。尚、これは2019年12月に臨床開発候補物質として特定され、3百万ドルを受領していたものです(参考)。一般論で言えばもう少し早い臨床試験開始を期待していましたが、新型コロナウイルス流行の影響も多分にあったものと思います。
尚、我々のStaR技術/SBDDから生まれて臨床試験に進んだプログラムはこれで9個目になりました。内訳と現在の開発状況は以下の通りです。
【当社のStaR技術/SBDDから臨床試験に進んだプログラム】
(開発品) (ターゲット) (対象疾患) (提携先) (開発段階)
1. AZD4635 アデノシンA2a 前立腺がん/複数の固形がん アストラゼネカ社 Phase2
2. PF-07081532 GLP-1 2型糖尿病/肥満 ファイザー社 Phase1
3. PF-07054894 CCR6 炎症性腸疾患 ファイザー社 Phase1
4. PF-07258669 MC4 拒食症 ファイザー社 Phase1(今回)
5. TMP301 mGlu5 物質使用障害/不安障害 Tempero
Bio社 Phase1
6. HTL0016878 ムスカリンM4 統合失調症 探索中/交渉中 Phase1
7. HTL0018318 ムスカリンM1 アルツハイマー病 探索中/交渉中 Phase1(自主中断中)
8. HTL0009936 ムスカリンM1 アルツハイマー病 探索中/交渉中 Phase1(18318と異なるプロファイル)
9. HTL0030310 SSTR5 内分泌障害 探索中/交渉中 Phase1
拒食症の薬物治療としては、一部の抗うつ剤での効果が約20年前に指摘されているものの、これまでのところ世界的に承認されている治療薬はなく、臨床試験中の開発品としても我々のMC4受容体拮抗薬以外にはめぼしい開発品がない領域です。個別の地域のみで承認されているおそらく唯一の例は、Apetrol(韓国のみ)で、2020年の売上高は10百万ドル程度(Evaluate Pharma)とされています。韓国の医薬品市場は世界の約1.6%です。また、拒食症以外の適応症においても、これまでMC4受容体拮抗薬で臨床試験までたどり着いたものは我々の化合物のみと思われ、一般的に、開発が順調に進めばファーストインクラスの治療薬となる可能性があります。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
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【2021年12月期の進捗(主に今期収入と関連するものを抜粋)】
(発表日)
(内容)
(今期の売上高と関連する部分)
5月19日 (参考)/2Q
ファイザー社が臨床試験を開始
マイルストン:5百万ドル
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