2025年9月17日水曜日

がん免疫療法候補薬HTL0039732/NXE0039732のP2a試験における被験者投与開始

皆様、こんにちはIRヘッドの都築です。


がん免疫療法候補薬HTL0039732/NXE0039732のP2a試験において最初の被験者への投与開始を発表しました(プレスリリース)。P1試験での良好な結果を得て、P2a試験に進むことになりました。

P1試験ではアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)との併用において、2つの異なるがん種での2例の部分奏効を含む有効性が観察されたことも報告でき、嬉しい限りです。

詳細結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO2025)で詳細結果が公表予定です(参考)。以下重要な点は3点に絞って報告させていただきます。


1)P1試験での有効性確認

→2つの異なるがん種での2例の部分奏効を含む早期の治験段階での有効性が確認できました。詳細結果はESMO2025で発表予定です。ESMO以降の説明会等において詳細データを可能な範囲で競合薬と間接比較できたらと思っております。


2)導出はP2a試験終了後を計画も経済条件に依存

→HTL0039732/NXE0039732は2022年7月にCRUK(英国王立がん研究基金)と提携し、CRUKがP1/2a試験の資金拠出、デザイン設計を担っております。そのためネクセラファーマとしては費用負担なく試験が進められるためP2a試験終了後の導出が経済条件を踏まえても最も良いタイミングであると考えております。一方でESMOでの詳細結果により好条件の交渉となれば導出タイミングは早まる可能性はあります。


3)P2a試験では4がん種に絞って実施

→P2a試験では、マイクロサテライト安定性(MSS)大腸がん(CRC)、胃または食道胃接合部腺がん(GOJ)、淡明細胞型腎細胞がん(RCC)、および転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象にした 4 つのコホートが実施されます。


競合薬の動向

EP4拮抗薬で先行するのは小野薬品工業のONO-4578となります。2025年度中に未治療のHER2陰性胃がんに対するP2試験結果が公表される予定です。公表済みのデータでは大腸がんに対するP1試験結果が報告されており、全奏効率3.9%(2/51)、無増悪生存期間1.54カ月、全生存期間10.68カ月でした(参考)。



引き続きよろしくお願い申し上げます。