みなさんこんばんは、IRヘッドの都築です。
本日の株価は大きく動きましたので、それに関するコメント、また我々と機関投資家との決算後の議論の中で話題となったQ&Aを一部整理しました。今後もフォローしていきます。
5月7日のバイオ・医薬品セクターは下記表の企業全体で-3.0%(5月2日終値比)でした。33業種の中でも医薬品セクターのパフォーマンスが最も悪い状況でした。これは米国時間5日に米国大統領トランプ氏が医薬品の品目別関税に関して、今後2週間以内に内容を発表すると言及したことから、不透明感から大きく売られた印象です。ただ、以下の質疑にもある通り、当社は現時点で米国との輸出入を行っている医薬品や医薬品原料はありませんので、関税のインパクトは現時点では無いと考えています。
●開発品の進捗について
Q1. M4作動薬NBI’568のフェーズ3試験は、プラセボを抑えるためにどのような工夫がされる予定か?
A1. 実薬:プラセボが1:1のシンプルな試験デザインを組み、臨床試験サイトを厳格に管理する予定です。試験デザインの詳細が開示されましたら、またフォローさせていただきます。ニューロクライン社の説明会でも一般的な精神薬の臨床試験において施設数が20以上となるとプラセボ効果が出やすい可能性が言及されておりました。先日最初のP3試験が報告されましたが、今後数か月以内に2本のP3試験も開始される予定です。
Q2. GLP-1作動薬PF-06954522の対象疾患が変更された背景は?
A2. 慢性的な体重管理に変更されたことはプラスであると考えます。対象疾患が2025年2月時点の「2型糖尿病」の記載からアップデートされ、5月時点では「慢性的な体重管理」に変更されております。疾患の記載変更はアクティブな状態であることを示していると考えております。尚、「慢性的な体重管理」は、ファイザー社がフェーズ2試験を進めるPF-07976016(GIP受容体拮抗薬/ネクセラは権利なし)と同じ適応症になります。
Q3. 今後臨床結果が予定されているパイプラインは?
A3. 2025年は最大6本の患者対象の臨床結果を期待しております。 既存自社開発品EP4拮抗薬NXE0039732のP1/2試験結果、mGlu5 NAM TMP-301の2本の臨床試験(アルコール依存症、コカイン依存症)、OX2作動薬ORX750のP2試験結果は競合薬と間接的な比較もできる可能性はあり期待しております。
●通期業績について
Q4. 通期業績に対する対社内計画に対する進捗状況は?
A4. 対社内計画に対して順調な進捗です。特にコマーシャル事業(コーポレートプレゼンテーション資料p34)は対社内計画を上回る進捗であったと思います。製品別で研究開発費は進捗率は高めとお思いになるかもしれませんが、下期にかけてコントロールしてしていく予定です。仮に考え方に変更があれば、適宜決算でご報告させていただきます。
●全体・市場動向について
Q5. 米国の関税リスクに関してコメントはあるか?
A5. ネクセラファーマの上市2製品(Pivlaz, Quviviq)は輸出入において米国が関与していないため、影響はございません。一方で製薬・バイオセクター全体の関税に対する不透明感から影響を受ける可能性はあります。現状の開発・提携パイプラインに関して我々が肌で感じている面では、米国の政策影響を受けて開発が中断・中止されるものは把握しておりません。引き続きアクティブに進捗している印象です。
●その他
Q6. 有価証券報告書における平均給与の額は海外も含まれた金額感か?
A6. 有価証券報告書に記載の平均給与には欧州(イギリス、スイス)の賃金も含まれております。他社では海外拠点を子会社としているケースが圧倒的に多く、海外は平均給与に含まれませんが、当社の場合は税制上の特殊な事情により海外拠点を支店としているため、平均給与に海外従業員分が含まれます。詳細な数字は開示できませんが、当社の日本拠点のみ絞った平均給与は、他の日系の大手製薬企業と同水準です。
引き続きよろしくお願いいたします。