2021年9月7日火曜日

2Q決算説明会のQ&A


みなさんこんばんは。
IR&コーポレートストラテジー部長の野村です。

 

8/12(木)に開催した2Q決算説明会について、その前後も含めて関連していただいていた128件のご質問、ご意見、激励の重複などを整理した以下の79件のご質問ついてお答えします。決算説明会後のミーティングなどもあり、回答までに時間がかかってしまい恐縮です。ご質問いただいた皆様、本当にありがとうございました!! 質問としていただいていたものは全て網羅したつもりですが、もしご不明点があれば、IRのお問い合わせフォームに、ご質問ください。当日の資料、動画、また当日のQ&Aをまとめたブログなどは以下になります。

尚、今回、我々は個人投資家様も参加可能な垣根のない決算説明会を初めて実施させていただきましたが、これについて数多くのポジティブなフィードバックを頂きありがとうございました。機関投資家、個人投資家を問わず、中長期目線で当社を含めた日本のバイオテク産業を応援いただける投資家様がいることは、個人的にも大変ありがたい限りです。引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

●資金調達について(20

Q1:なぜM&A先の目途がないのにCBを発行したのか?そもそもM&Aと同時かM&A決定後に資金調達すべきではないか?(6

A1:資金を事前に調達しておかないと、特に優良案件のM&Aのプロセスに参加できないことが多いためです。例えば我々が2015年にM&Aしたヘプタレス社もそうですが、M&Aの最も一般的なやり方の一つがオークション(入札)になります。ただ、特に人気案件ではM&Aの想定価格と同じだけの現金か銀行のコミットメント(いざとなった〇〇円までは貸すという約束)がないと、そもそもオークションの参加資格が得られません。また、その他のやり方(主に相対取引)の場合でも、資金の十分な裏付けが外から見えなければ、やはり声はかかりにくくなります。我々はヘプタレス社M&A時と同様に、銀行借入れを最大限活用する方針ですが、今回はそれだけでは不足する可能性も高いため事前に調達を行いました。一方で、他社ではM&Aと同時や決定後に調達する例もあり、それが不可能でないことも承知しています(ただその場合、そもそも手持ちの現金があった上で、M&A分を追加で調達しているケースも多く、それは我々と少し事情が異なります)。しかし、やはりこれまでのご説明の通り、M&Aの質と可能性を最大限高めるため、事前に調達を行うべきと判断しました。

 

Q2160億円分のCB1年後に200億円で償還させたが、本当に有利なリファイナンスだったのか?株価低迷の一因ではないか?(3

A2:いくつかの数字が示す通り、有利かつ必要なリファイナンスだったと考えています。株価については議論の余地はあるかと思いますが、CBの影響は限定的と考えています。今回のCB20217月公表)発行のメリットは、以前のブログの通り主に以下の3点です。特に今回のリファイナンスで20227月の繰上償還請求権が延長されましたが、もしされなければ、極端にいえば調達前時点の現預金約400億円のうち、前回のCB調達分(約160億円)+金利分の返済を来年7月に迫られる可能性があり、その場合はM&Aを通じた成長戦略に一旦ブレーキをかける必要がありましたので、事業上の大きな障害となりえました。

 

1. 前回CBから金利を下げつつ返済期限を延ばせること(年間金利:0.5% → 0.25%、投資家の繰上償還請求権:20227 → 20247...等)
2. 転換価格の上昇により希薄化が抑制できること(転換価格:1,834 → 2,235...等)
3. 投資家ニーズの拡大でその他の発行条件も改善できること(アップ率:15.0% → 22.5%、その他各種条件...等)

 

株価への正確な影響は誰にもわからないものの、我々がCBを発行した当日(7/7)と翌日、当日と現在の株価や関連指数を簡単に比較しますと、以下のようになります。残念ながら、7月以降の市場環境の悪化により、我々の株価や他の指数もマイナスではありますが、我々の株価は翌日こそ大きな値下がりとなったものの、この日は新興バイオ指数自体が大きく下落しており、相対的な下落幅はそこまで大きくありませんでした。また、現在まででみると我々の株価は新興バイオ指数、マザーズ指数を上回っている状況であり、やはりCBの影響は限定的と考えています。これはひとえに、投資家の皆様の深いご支援によるものです。ありがとうございます。勿論、我々は過去の説明会でもご説明の通り、現在の株価に満足しておらず、引き続き活動を加速させていきたいと考えています。

 

                                                  翌日(7/77/8                      現在まで(7/78/25

そーせいG                                     -6.0%                                                       -7.7%

新興バイオ指数                             -4.7%                                                      -10.3%

マザーズ指数                                 -1.9%                                                       -8.4%

 

出典:Factset。新興バイオ指数はマザーズ、ジャスダックに上場しているバイオ企業31社をFactset社が指数化して算出

 

Q3:前回はリリースがあったCBの払い込み完了時のリリースは、なぜ今回はなかったのか?(3

A3CBの払込完了のリリースは必須ではなく、新しい情報も無く、以前から不要とのご意見も多かったため行いませんでした。CBの払い込み完了時のリリースは、発行時(7/7)と内容に変更が無い場合には必須ではありません。また、前回のCB発行時を中心に投資家様からいただいたご意見の大半は、資金調達に関して同じ内容を何度もリリースすべきでないというもので、我々も同じ内容のリリースを何度も行うことは重要だと考えていません(77日のリリースには、727日の払込完了と消却を行う予定が既に記載されています)。これらを踏まえ、今回弊社では、担当弁護士事務所並びに東京証券取引所に事前相談の上、当該リリースは不要であるとの判断に至りました。尚、その後の8/19リリースしたクリーンアップ条項による繰上償還は、7/7とは別のアクションなので開示が必要ですし、我々もお知らせすべき内容と考えています。

 

Q5:なぜ銀行借入や単純な増資等ではなくCBなのか?資金調達は借入れがベターと言っていたが、なぜエクイティになったのか?(2

A5CBは銀行借入れと増資のメリットを併せ持つことができる調達方法で、我々のような成長段階の企業に適した調達方法だと判断しました。CBConvertible Bond)は大雑把にいうと、株価が低い時は銀行借入、株価が高くなると増資と同じ効果がある調達方法です。銀行借入と比べた主なメリットは金利が安い点、銀行借入枠をM&Aのために温存しておける点、株価が上がれば株主の皆様の利益になると同時に転換されて我々に返済の必要が無くなる意味で、株主の皆様と同じインセンティブを持てる点です。一方、増資と比べたメリットは株価が上がらない限りは(今回でいえば2,235円以下であれば)はただの借入と同じなので、希薄化しないことです。我々はM&A実行時に銀行借入れを最大限活用する方針ですが、A1の通り事前にそれ以外の方法でも資金を調達する必要があり、そこで少なくとも株価が上がらなければ希薄化しないCBを選択しました。

 

Q6:前回も含めて転換社債の目論見書が開示されないのはなぜか?また社債前日に空売りが入っているが何か対策はないのか?

A6:ルールに従い、前回・今回共にEDINET上で訂正臨時報告書に添付されて開示されています(参考)。空売りは制度上認められていますので、残念ですが我々としてはきちんと情報発信する以外にできることは少ない状況です。なお、前回・今回共に海外だけで募集していますので目論見書も英文だけになります。また、臨時報告書を公開する期間は1年ですので、前回CBの分は公開が終わっています。

 

Q7CBで調達した資金をM&AでなくMシリーズなどの研究開発に使うことにならないか?

A7:そのようなケースは現在の所ないと考えています。まず、我々は研究開発費として将来に向けて積極的に投資していますが、それでも19/12期は34億円、20/12期は46億円の、プラスの営業キャッシュフローになっており、研究開発費が仮に倍増にしても(しませんが)、今の売上の中から賄える水準です(参考)。また、研究開発投資として今期大きいのはご指摘のMシリーズですが、これらは今期中の導出を行う可能性が高く、そうなった場合、以降の研究開発費は提携先が負担するため、我々の負担は減少すると考えています。

 

Q8M&A決定前かつ安値圏での資金調達になったとも感じるが、もう少し戦略的に調達できなかったのか?

A8M&A決定前に行う必要がある理由はA1を、戦略的にCBを選択した理由はA5をご参照下さい。安値圏か否かは市場環境全体の動向次第の面もありコメントは難しいですが、我々にも歯がゆい思いはあります。しかし、多少株価が上がっても、いずれにせよ我々の目指す株価とは依然乖離が大きい可能性が高いのと同時に、成長戦略(M&A含む)の実行が我々にとっての最大の成長ドライバーですので、目先の株価動向も待って本丸の成長戦略に支障をきたすのは本末転倒と考え、今回の調達に至りました。

 

Q9:今回の転換社債の発行で取締役会(特に社外取締役)や監査役会での反対意見はなかったのか?

A9:多くの質問やディスカッションがありましたが、最終的に反対意見はありませんでした。尚、我々の取締役会では本件に関わらず、重要な意思決定になればなるほど、非常に多くの質問やディスカッションがされます。

 

Q10:追加で100億円調達したということは、その規模のM&A案件の目途が立っているのか?

A10:目途が立ったので100億円を追加で調達したわけではありません。1の通り、今回のM&Aで想定される規模から案件の目途が立つ前に事前の資金調達が必要になります。

 

Q11M&Aに関連して後何回の資金調達を予定しているか?毎年夏に100億円ずつ追加調達するのか?

A11:現時点で追加の資金調達の予定はありません。また、資金調達に季節は関係ないと考えています。

 

M&A/プライム上場について(19

Q12M&Aではなく導出等のオーガニックな成長でプライム市場を目指すのか?来年プライムに移行することは可能か?(7

A12:いずれもとりうる選択肢ですが、21/12期に限ればMシリーズ等の導出などオーガニックな成長で、東証プライム上場の形式基準を満たす可能性の方が高いと考えています。その場合は一般的に、最短で来年の後半以降にプライム上場の可能性があります。一方で、既に東証のガイドブック(参考)に示されている通り、形式基準の他に実質基準が存在しており、実際のプライム上場の時期は実質基準に則った審査の進行と結果に左右されることになります。

 

Q13M&Aの進捗状況は?最初の増資から1年以上経過しているが目途はまだ立たないのか?交渉はしていないのか?(4

A13:多くの検討や、特定の相手とのより深い交渉も行いましたが、現状では実行に至っていません。引き続き検討を進めていきます。これはここ約1年半の世界的な株高の進行や、ヘルスケア産業全体への期待の高まりなどにより、当初予定していたより適切なM&A先が見つかりにくい環境になっていることが一番の背景です。引き続き可能性を模索して検討を進めていきますが、我々のゴールはM&A自体ではなく、M&Aを通じた成長にあります。そのため、そこそこの相手で妥協することなく、腰を据えて真に価値のあるM&A先を見つけるつもりです。

 

Q14:プライムに関する発言が一時期より弱い気がするが、どう考えているのか?来年度中の東証プライムへの上場の自信は?(2

A14:東証プライムへの上場は前述の一連の回答の通り、特段トーンの変化はありません。おそらく、上期決算説明会ではCMOのティム・タスカ―も交えてMシリーズのご説明を中心としたため、そのような印象を持たれたのだと思います。背景の一つとしては、我々の目標通りにMシリーズが年内に導出された場合、皆様に我々からMシリーズについてご説明できる機会は今後限られてくることから、今回はそちらの説明に注力しました。

 

Q15:今すぐM&Aしても相手企業の売上高はほとんど連結できないが、21/12期決算で本当にプライム市場に移行できるか?(2)

A15 Mシリーズを中心としたオーガニックな成長で、21/12期決算が東証プライム上場の形式要件を満たす可能性があると考えています。一方、M&Aについてはご指摘の通り、今から買収しても既に3Qですので連結できる部分は限定されます。

 

Q16M&A先の選定は終えていないのか?調達資金の一部を利用して自社株買いなどの株主還元は考えられないか?

A16A13の通り、残念ながら現在までに実行に至ってませんが、引き続き検討を進めています。調達資金を自社株買いに充てることは、既に公表している資金使途の観点からもあり得ません。お約束したM&Aを中心とした成長戦略を実現することが、最も重要な株主還元策だと考えています。

 

Q17Mシリーズの導出とM&Aの優先順位をどう考えているか?

A17 Mシリーズの導出はオーガニックな成長として、M&Aは戦略的な成長としてどちらも重要ですので、いずれも最優先課題です。ただ、いずれも相手があるため時期のコントロールが難しい中で、順序としてはMシリーズ導出が先行する可能性が非常に高い状況です。

 

Q18M&Aの具体的な相手先は開示できなくても、候補選定の有無や相手方の規模(時価総額や売上高)は開示できないか?

A18:確かに物理的には開示可能な部分もありますが、交渉事ですので多くの情報を開示することは控えております。売上高などの財務要件については、売上高50億円以上という点は、既に過去の決算説明会資料P25)などでお示しした通りです。

 

Q19:プライム上場に向けた形式基準として、昨年はわずかに条件が足りていないようだが申請はしてみたのか?

A19:形式基準は完全に満たさないと申請できないもので、ギリギリでは残念ながら申請できません。

 

Mシリーズの開発動向について(12

Q20HTL18318の毒性所見の解析終了時期はいつを見込んでいるのか?以前は21年前半と言っていた結果は出たのか?(5

A20:毒性解析は現在も実施中であり、今年の下半期に出るデータを基に年末までに規制当局との協議を開始したいと考えています。我々は、HTL18318でみられたサルへの毒性は、HTL18318本体ではなくサル特異的な代謝物によるものだと考えており、現在、代謝物の解析を進めています。

 

Q21HTL16878の価値が大きく高まるのはどのようなデータが出た時か?Ph1データは発表されるのか?(2

A21:市場環境による部分も大きいため一概には言えませんが、一般的には良好な安全性と有効性のデータ揃った時が、最初にプログラムの価値が大きく上がるタイミングです(Ph1bPh2)。Ph1データは将来に論文等で発表される可能性はありますが、これは提携先や競争環境次第になりますので、恐縮ですがお約束はできません。

 

Q22HTL16878の競合優位性について、薬の専門家以外でも分かるようにもう少し端的に説明してもらえないか?

A22:薬の評価で最も重要なのは安全性と有効性ですが、KarXTに対してはより脳に届きやすく副作用が少ない点が、CVL-231に対してはより中等度~重症にも効果があり、やはり副作用が少ない点が、優位性になる可能性があります。より詳細なメカニズムについては、こちらのブログA6A7もご参照下さい。今回はCMOのティム・タスカ―も交えて詳細にMシリーズの解説をさせていただきました(その背景はA14を参照)。一部、専門的な議論になり、十分に分かりやすい説明とはならなかった点をお詫び申し上げます。

 

Q23:新型コロナの後遺症として認知能力の低下が多くみられるとの研究結果があるが、Mシリーズはこの治療には使えないのか?

A23:可能性はゼロではありませんが、今時点で治療に使用できる根拠はありません。新型コロナウイルス感染症の後遺症としての認知能力低下がどのような仕組みで起こるかが、まず解明される必要があります。脳内でのアセチルコリン等の減少が要因であれば、Mシリーズが治療に有効な可能性はあると考えます。

 

Q24M4作動薬のPh2試験を自社で実施した場合、費用はどの程度いるのか?M&Aの残金で実施できないか?

A24:個別の疾患や試験デザインによりますが、Ph2試験の費用は一般的には約4050億円程度と言われています。ただ、我々はグローバル開発を自社で行う予定はありません。詳細な開発戦略はお答えできませんが、プログラム全体の我々にとっての価値をより高めるための考え方についてはA72を参照下さい。

 

Q25:前回説明会ではHTL16878Ph1bを行う予定だったが、Ph2準備が完了するので、Ph1bは行わないのか?

A25:はい、パートナー次第ではありますが結果的にはその可能性が高いです。7月末に剤形をより改善するための新たなPh1試験を開始し、これは比較的短期間で終了予定です(参考)。前回説明会ではこれを念頭にPh1b試験と表現してしまいましたが、患者対象ではないので厳密にはPh1b試験とは呼びません。混乱を招きまして恐縮です。

 

Q26M4のバックアップは、導出前に臨床試験を開始する予定なのか?

A26:その可能性は低いと考えています。決算説明会資料P21)の通り、M4のバックアップ化合物は11.5年後にPh1試験のSAD(単回投与漸増)を終了する予定ですが、この試験は比較的短い期間で終わりますので、来年試験を始めても十分にこのスケジュールに間に合います。一方で、導出は年内を目指していますので、導出が先行する可能性が高いと考えています。

 

Mシリーズの導出について(11

Q27Mシリーズの再導出の状況はどうなっているか?タイミングはいつ頃になりそうか?確度はどう考えているか?(4

A27:引き続き年内の導出を目指して交渉を重ねており、これを達成できる一定以上の自信を持っています。

 

Q28:導出はスピード感が最重要と考えておりそう希望しているが、どのように考えているか?

A28:提携にはいくつかの重要なポイントがあり、これらを同時に達成する必要があると考えています。スピード感も勿論その一つですが、パートナーの開発力、経済条件なども同様に重要だと考えています。日本ではバイオベンチャーがパイプラインを導出すると不思議とほぼすべてのケースで株価が上昇しますが、米国などでは導出の契約内容が悪いと投資家に判断されれば株価は下がります。低い開発力や経済条件は、中長期的なパイプラインの価値を低下させますのでこれは当然です。導出はこれまで大変な手間とお金をかけて育てたパイプラインの将来価値がある程度決まる瞬間でもあり、我々は中長期目線で判断する必要があると考えています。

 

Q292016年のアラガンへの導出時と比較して経済条件はどう変わるか?開発は当時より進んだ一方で、契約一時金には拘らないとの発言も過去あったが現状はどうか?(2

A29:こちら方針に大きな変更はありませんが、交渉中ですので詳細はお答えできません。一方で、決算説明会でもお話した通り、導出は21/12期にプライム上場の形式基準を満たすトリガーになり得ると考えています。

 

Q30Mシリーズが導出された場合、M1、M4M1/4デュアルのいずれも進捗するのか?あるいはどれかに集中するのか?

A30:これはパートナーの開発方針による部分が大きいため、コメントを控えさせていただきます。ご理解いただきたいことは、我々は当該分野で経験豊富なパートナーへの導出を想定していること、そして勿論ですが導出後は我々とパートナーは両社ともMシリーズの価値を最大化させることがそれぞれにとってのメリットとなり、両社ともそれを目指すということです。

 

Q31Mシリーズの交渉は5社とNDAを結んだと言っていたが、現段階でも5社全てと交渉を継続しているのか?

A31:こちらも交渉中ですので詳細はお答えできませんが、一般的に交渉が進めば相手先は絞り込まれる傾向があります。

 

Q32:Mシリーズの導出先として旧ライセンス先のアッヴィ社はありえるのか?パイプラインが失敗したニュースがあったが?

A32:一般的には、可能性は非常に低いと考えられます。

 

Q33:アラガンに対するMシリーズ導出のように、期末の導出だと今期に売上計上されないリスクはないか?

A33:基本的に年内に導出されればその可能性はありません。アラガンへの導出は47日で、当時の3月期をまたいでいました。

 

コロナ治療薬候補(SH-879について(16

Q34:コロナ治療薬候補(SH-879)はいつ頃Ph1入りする予定か?ファイザーは1Ph2まで終える予定だが同様のペースで進むか?(4

A34:現在交渉中の導出や慈善的資金(政府支援含む)などの状況次第ですが、これらが獲得されれば来年にPh1試験が開始できると考えています。

 

Q35:米国や他の国でもコロナ治療薬(特に経口薬)に多額の助成金があるが、活用可能か?検討しているか?(3

A35:活用可能であり、一部を既に検討しています。決算説明会資料(P16)の慈善的資金には、政府支援も含んでいます。

 

Q36Mシリーズやコロナ治療薬候補(SH-879)について進展が見えないが、もっとスピード感が必要なのではないか?(2

A36:進展が見えにくくて大変恐縮ですが、Mシリーズの導出目標は前倒ししており、新たなPh1試験も始まっています。コロナ治療薬候補の開発も着実に前進しています。本年1月のJPモルガンヘルスケアカンファレンス時点では、Mシリーズは12-18カ月での導出を予定していましたが(参考)、順調な進展を背景に現在では導出目標を年内に早めて設定しています。また、A25の通り、M4作動薬については新たなPh1試験も開始しています。コロナ治療薬候補は変異株の蔓延によって、変異株に対しても効果を確認する必要が発生したことで予定よりも時間がかかっていますが、着実に進展しています。

 

Q37:コロナ治療薬候補(SH-879)を一刻も早く社会に役立てるため自社開発する意思はないか?英断してもらえないか?(2

A37:新型コロナウイルスに対する経口治療薬の社会的重要性を重く受け止めています。いち早く皆様の手元に届けるためにこそ、この分野で経験豊富なパートナーへの導出が現時点では最重要と考えています。特に、早期段階の臨床試験を自社で始めること自体は容易ですが、信頼性のある大規模試験を行い、各国の規制当局を納得させるデータを示すための近道は、この分野で豊富な経験をもち体力もあるパートナーへの早期の導出だと考えています。何卒ご理解いただければと思います。

 

Q38:ファイザーやシオノギと並べて説明されているが、開発段階が違うので比較にならないのではないか?

A38:この3社の中では開発段階は我々が最も遅いものの、Mプロテアーゼ阻害薬というメカニズム自体の有望性高まっており、我々のSH-879にも大きな機会が残されていると考えています。競合という意味では決算説明会資料P15)の通り、それぞれの化合物には併用薬の有無や投与回数などで異なる特徴があり、我々の化合物が優位になる可能性があると考えています。また、そもそもウイルスはワクチンや薬剤などが誕生すると、それが効きにくい変異株がどうしても生まれる可能性が上がりますので、同じメカニズムでも構造の違う複数の薬が必要になります。例えば抗HIVウイルスに対するプロテアーゼ阻害剤はこれまでに9種類の薬が販売されており、プロテアーゼ阻害剤同士の合剤も含めて、歴史的に複数のブロックバスターが市場に共存してきました。これをみても、コロナ治療薬でも同じメカニズムで複数の治療薬があることは、極めて重要になると考えています。

 

Q39:コロナ治療薬候補(SH-879)は研究室レベルでは特にデルタ株を含む変異株に対してどの程度の効果があったのか?

A39:こちら個別にはお答えできませんが、デルタ株のMプロテアーゼは通常のコロナウイルスと同じ配列であることが知られています。SH-879がターゲットとしているMプロテアーゼはH-879は、ウイルスの「複製」に関わるタンパク質ですが、これは現在、変異が起こっている「感染」に関わる表面のSタンパクとは異なっています。

 

Q40:コロナ治療薬候補(SH-879)について株式市場での認知度が低いことについてどう考えているか?

A40:臨床試験の開始や、パートナーへの導出を通じて認知度を上げていきたいと思っています。これらの進展があった際には、リリースさせていただきます。

 

Q41:コロナ治療薬候補(SH-879)は発展途上国向けに利益を取らないが、先進国向けは利益を取るのか?

A41:現時点では我々はそのようは方針です。ただ、現在交渉中の導出や慈善的資金(政府支援含む)の相手先次第では、方針が変更される可能性もあります。

 

Q42:コロナ治療薬候補(SH-879)はプレゼン資料上では上期に進捗があったようだが、IRしているか?

A42:こちら、社内で化合物を絞り込むプロセスを行いましたが、細かな進展ですので個別には開示していません。本決算説明会の資料をもってのご案内とさせていただきます。

 

●その他開発品や開発全体について(22

Q43:新規提携はMシリーズ以外にも今期に期待できるか?年間2-3個の提携目標のうちMシリーズは何個とカウントするか?(2

A43Mシリーズは提携目標の1件とカウントしており、これも合わせて、例年通り2-3件の価値の高い提携/共同投資を目指しています。

 

Q44COPD治療薬の特許は延長されるのか?もしそうならなぜIRが無いのか?(2

A44:共同ライセンサーと共に延長の可能性を検討していますが、現状、主要な特許は2026年までです。

 

Q45A2a拮抗薬(3剤併用)の開発見通しは?Arcus社など他社の類似の開発品と比較してベストインクラスになれそうか?(2

A45:導出先のアストラゼネカ社は2QClinical trials appendixP45)で現在の3剤併用のPh2試験結果を来年以降に結果を発表するとしており、この結果次第と考えています。また、Arcus社もアストラゼネカ社と同じくチェックポイント阻害剤を含めた3剤併用のPh2試験中でになり、競合比較という意味でもPh2試験結果が我々のA2a拮抗薬のポジショニングを決定するとみています。

 

Q46:複数の開発品があるが、それぞれ何年ごろに承認されそうかの目途はないか?

A46:これらは導出先の開発戦略による部分が大きく、残念ながら我々からのコメントが難しい点をご理解ください。ある論文では、一般的に薬の開発の各プロセスで以下の期間が必要だとされていますので、例えば前臨床を始めてから承認されるまでは9年、Ph2試験が終わってから承認されるまでに4年ほどの時間がかかることになります。ただ、これらは開発品の特性などにより大きく異なることをご理解ください。尚、Formosa社のAPP13007については、Formosa社が2023年の承認を目指すとコメントしています。

前臨床         1年
Ph1            1.5
Ph2            2.5
Ph3            2.5
申請          1.5

 

Q47:数年間Ph1試験中の開発品はどんな状況か?Ph1試験中のもので、今後Ph1bもやると時間がかかりそうだがどうか?

A47HTL30310SSTR5作動薬)などの数年間Ph1試験段階にあるものも含め、自社で進展させないものは今回から決算説明会資料P14)のパイプライン一覧からは除きました。現在の一覧にあるものは全てアクティブに開発が進んでいます。一方で、Ph1b試験を行うかP2試験に進むかは疾患の特性や開発戦略次第で、Ph1b試験によって他の試験を短縮/スキップされるケースも多く、Ph1bによって開発期間全体が延びている訳ではありません。勿論、我々もパートナーも最短で開発できることを望んでいます。個別のパイプラインでいえば、A25にもある通りM4Ph1b試験を行わない可能性が高いです。また、提携パイプラインでもBHV-3100CGRP拮抗薬)についてはパートナーのバイオヘイブン社が2022年にPh2/3試験を開始するとしています(参考P14)。他の開発品については、提携先からの発表はありませんので、恐縮ですが我々からはコメントできません。

 

Q48:ジェネンテックからはこの上半期で3件6百万ドルの収益があったが、同時期に提携した武田からの収益はないのか?

A48:武田薬品からは上半期に研究開発受託による収入がありました。特に臨床試験前の段階では、提携先によってマイルストン受領タイミングに差があるので、仮に同じように開発が進展していてもタイミングや金額に差があったり、マイルストンの代わりに研究開発受託が設定されているなど、様々なケースがあります。

 

Q49CB発行時の目論見書にはファイザーと8つのターゲットで進捗があったとあるが、Phase1試験中の3つ以外の5つも進捗中か?ファイザーとの提携品は自社と比較して前臨床から臨床までが早いと感じるが、ステージの表記方法などに差があるのか?

A495つについても基礎段階での複数の成果がありましたが、今後の開発はファイザー社の開発方針によります。ステージの表記方法について大きな差はありません。前臨床から臨床までの開発期間は、シーズや疾患の特性によって異なるため一概には比べられませんが、ご指摘の通りファイザー社は一般的にも、非常に優れた開発能力を持っていると考えています。

 

Q50:ペプチド薬の開発が進んでいないが、低分子や抗体に対してモダリティとして劣るのか?

A50:モダリティは疾患/ターゲットで最適なものを選ぶべきなので、それ自体の優劣はありませんが、低分子や抗体が既に確立されているのに対し、ペプチドは発展途上のモダリティとは考えています。確立されているモダリティであれば、体内動態、製造方法、メカニズムなどに多くの蓄積がありますので、後はターゲットとシーズの良し悪しが主な論点になりますが、そうでない場合にはその他多くの点も同時に検討していく必要があります。我々が手掛けた通常タイプのペプチドでは、これらの確立されていない部分の難しさからも開発が遅れ、今回の決算説明会資料でお示ししたように自社でこれ以上の投資は行わないこととしました。なお、これはペプチドに生体内にない機能を持たせようとした場合で、生体内ペプチドの模倣(例:インスリン製剤など)では、また違った議論になります。

 

Q51:開発初期のパイプラインのモダリティは低分子や生物製剤とされるが、ペプチド作動性でも低分子や抗体で創薬するのか?

A51:ペプチド作動性でも低分子や抗体で創薬します。A50の通り、ペプチドは発展途上のモダリティなので、特に自社単独での創薬の場合には可能な限り低分子化すること、仮に低分子化できないのであれば疾患の特性などを踏まえて抗体など生物製剤でアプローチすることがベターだと、現時点では考えています。我々の技術の強みはGPCRというターゲットの分析であり、モダリティ側ではありません。新たなモダリティは、そのモダリティに強みを持つベンチャーなどとの共同開発で進めていきます。一方でペプチド作動性のGPCRに対する医薬品を低分子で作ることは、我々のStaRSBDDを使えば不可能ではないものの(例:ファイザー社に導出したGLP-1作動薬)、難易度が高いのも事実ですので、A63にも書いた通り外部のAI創薬技術などの積極的な取り込みを図っています。

 

Q52:下期に臨床試験、前臨床試験を開始する予定のプログラムはあるか?

A52:いくつか可能性のあるプログラムがありますが、詳細は申し訳ないですが申し上げられません。尚、以前よりお示しの通り、我々は年平均2個程度の前臨床候補品の創出を、中期的な目標にしています。

 

Q53Pfizer社の先行するGLP-1作動薬のPF-06882961にもそーせいヘプタレスは協力したのか?もしそうなら、何らかの収益が見込めるか?

A53:詳細は開示できませんが、何らかの収益が見込めることはありません。

 

Q54Pfizer社の先行するGLP-1作動薬のPF-06882961に対して、そーせいヘプタレス由来のPF-07081532はどの程度優れているか?

A54:こちらはいずれも提携先の開発品ですので、恐縮ですが我々からはコメントできません。PF-06882961については、今年6月にNature medicine誌にPh1試験に関する2つの論文が投稿されていますので、こちらもご参考いただければと思います(論文1論文2)。

 

Q55:以前にGPR35作動薬は今年から来年に臨床試験入りと説明があったが、アップデートはあるか?

A55:こちらは提携先の判断次第ですが、開発自体は順調に進んでいると考えています。

 

Q56TMP-301RO (受容体占有率)65 %は、特にBasimglurantRO50%と比較して臨床的に有意か? SADの結果からさらに容量を上げてROを改善するのか?先行するBasimglurantに対してその他の差別化要素はあるか?

A56:提携先の開発品ですので多くはコメントできませんが、一般的にROが高くなれば臨床上の効果も高くなると考えています。また、差別化の視点も含め、安全性、有効性、忍容性、薬物動態などを今後の臨床試験で確認することになります。TMP-301の特性についてはこちらの論文もご参考いただければと思います。

 

Q57TMP-301についてTempero社は今後どのような開発プラインを検討しているのか?

A57:こちらは提携先の開発品ですので、恐縮ですが我々からはコメントできません。

 

Q58HTL’641について、OX1/OX2デュアル作動薬 とOX1/OX2作動薬(経口・経鼻) の違いは?

A58HTL’641OX1/OX2のデュアル作動薬なのでOX1OX2に両方に作用します。OX1/OX2作動薬(経口・経鼻)は、OX1又はOX2だけに作用する化合物の、経口/経鼻の投与経路を含んだ複数の化合物群(OX作動薬シリーズ)の総称です。後者は既にCentessaにより開発が進んでいます。

 

Q59HTL’023について、GLP-2/GLP-1作動薬とされているがこれはGLP-2 作動薬 から表記が変わったものか?

A59:その通りです。前回までGLP-2作動薬としていたものですがより正確に記載するため、変更させていただきました。

 

Q60:がん免疫療法EP4拮抗薬について注目しているが、基礎的なサイエンスの話など含め解説できないか?

A60EP4は免疫細胞に主に発現していますが、これにリガンドであるPGE2が結合すると免疫細胞の活性が抑制される、というのが主なメカニズムです。また、EP4-PGE2は癌の転移や既存のチェックポイント阻害薬の効果低減の要因とも言われており、いずれもまだアーリーですが世界中で5-6社が開発にしのぎを削っている状況です。

 

Q61:現在の開発プランでは今後5-10年の間、赤字体質が続くのか?

A61:我々は19/12期は、20/12期と過去2年間黒字ですので、現状のビジネスモデルは基本的に黒字体質と考えています。見かけ上、売上高に占める不安定な収入(契約一時金マイルストン収入)が多いのは事実ですが、これらの収入をもたらすパートナーやパイプラインは多様化していますので、既にある程度は安定的な収入になっています。

 

●プラットフォーム技術について(8

Q62:米Alphabet傘下のDeepMindが最近無償公開したAIAlphaFold v2.0」など新技術が出ているが、StaR技術の優位性に影響はあるか?以前は協業を模索していると言っていたが、競合になるのか?(4

A62AlphaFoldはタンパク質構造予測としては画期的なシステムですが、GPCRにおいて創薬に必要なレベルの情報を得ることは困難ですので、我々に代わるものでは無いと考えています。一方で、検討が必要なものの、協業の可能性も十分にあると考えています。

 

Q63:同じAI創薬のPharmEnable社とInveniAI社との棲み分けは?具体的には何に取組んでいるのか?(2

A63AI創薬は大きく5分野に分けられると考えており、InveniAI社とPharmEnable社の目的は別になります。

         1. 標的タンパク質の発掘 何を狙えば薬になりそうかを調べる(InveniAI

         2. 標的タンパク質の構造予測 狙った標的の形を予想して、薬が効きそうなポイントを探す

         3. 化合物設計とバーチャルスクリーニング 狙った標的の形に合わせた薬を設計、マッチングする(PharmEnable

         4. 薬物動態・代謝予想 薬の毒性や体の中での動き方を予想する

         5. ドラッグリポジショニング 今ある薬が、別の病気にも効くかを予想する

 

            具体的には、InveniAIは論文などの数ある情報の中から、特定のGPCRと病気との関連に仮説を立てて、これまで気付いてこなかった関係を発掘し、他社より先に我々の次の創薬標的を見つけ出すことを目指しています。PharmEnable社は通常はリガンドが大きいため低分子薬を設計しにくい、ペプチド作動性のGPCRに作用する低分子薬を設計することを目指しています。

 

Q64GPCRに対するStaR技術の創薬力について、大手製薬と比較した際のそーせいヘプタレスの競争力はどの程度高いのか?

A64:これまでの契約や開発品の動向から、一定以上の競争力があると自負しています。我々はファイザー社、武田薬品工業、ジェネンテック社、アッヴィ社と技術提携を結んでいますが、これらの多くは大手製薬企業の中でもこれまでもGPCRに力を入れてきた企業で、パートナーとして選ばれていることを誇りに思っています。また、例えばファイザー社のパイプラインリスト728日時点)によると、Ph1段階にはGPCRをターゲットにした新薬が4つありますが、そのうち3つは我々との技術提携から生まれたものです。

 

Q65:自社での抗体プラットフォームについて、何か進捗などはあるか?

A65:こちらは現在までにご報告できる進展はありませんが、引き続きプラットフォーム技術を強化すべく活動を進めていきます。

 

●その他(20

Q66:ヘプタレスの事業が進展する中で、「日本に軸足を置いた国際的なバイオ医薬企業になる」という方針を続けるのか?Cerevel社、Karuna社と比べて時価総額があまりにも低く、ADRも含めてNasdaqなどに上場した方がいいのでは?(2

A66:日本を軸足とする方針に変更はありません。Nasdaq上場などは過去に検討しましたが、現時点では上場/維持のコスト、さらにバリュエーションの違いなどから、合理的ではないと判断しています。過去にもご回答させていただいて通り、ナスダックの評価では基本的に臨床後期(モダリティによるが一般的にはPhase2b以降)の有望な自社開発品が重要で、黒字・赤字など業績は問われません。日本での評価はプライム市場も含めて、一定の安定した業績が重要と認識しています。そのため、2つの市場間の企業評価が連動しにくく、例えばデュアルリスティングなどを想定した場合、どうタイミングを合わせるかに難しさもあります。我々は日本で設立され、日本の株主の皆様から多くのご支援を頂いて成長したと自負しており、引き続き事業自体の進展と、日本を主とした投資家様への説明を尽くすことで、企業価値を向上させていく方針です。

 

Q67:株価低迷に対して打てる手はないか?プライム上場やM&Aなど言ったことを実現させてもらえないか?(2

A67:プライム上場やM&Aには、どうしても必要な時間や相手次第という側面があります。お待たせしてしまっていますが、実現に向けて着実に歩を進めていきます。

 

Q68MiNA社は6月末で持分法適用会社ではなくなったのか?MiNA社の提携の収益がなぜそーせいの収益となるのか?(2

A68MiNA社は引き続き持分法適用会社ですので、MiNA社の利益の持分割合が我々の投資利益になります。7月にMiNA社がリリー社から出資を受けたことで持ち分は以前の約20%から低下していますが、取締役を派遣しているなど一定程度の影響力があるため、引き続き持分法適用会社になっています。

 

Q69:元々は東証1部を目指していたと思うが、東証の市場再編ではどの市場となるのか?来年4月からの市場について東証からの連絡結果は?(2

A69:開示していませんので明確にはお答えできませんが、A12の通りプライム移行は最短で来年後半ですので、来年4月には現在の延長線上の市場に移行すると考えています。尚、来年4月からの市場区分については、来年1月11日に東証HPにて公表される予定です。

 

Q70:長期投資を優遇する目的で株主優待(そーせいTシャツやマグカップなど)などを検討してもらえないか?(2

A70:株主優待は株主還元と同じく、事業をしっかり成長させた後に取り組みたいと考えています。逆だと、企業の成長自体にブレーキがかかり、本末転倒になりかねないためです。長期投資家の皆様には優待という形ではお返しが今は出来ず恐縮です。尚、グッズを扱うという点についても、今の人員ではロジスティクスなどの様々な事情から難しいのが実態です。株主の皆様との一体感を高めるという意味では我々も興味があるのですが、ご容赦いただければと思います。

         

Q71:報酬1億円の役員が3名以上いるが、報酬はどう決めているのか?また、RSU(譲渡制限株式ユニット)の付与条件に業績連動条項などはつけられないのか? (2

A71:取締役と執行役の報酬は、報酬委員会が個人評価や居住国も参考にしつつ、基本的には同水準の規模・時価総額である同業他社の報酬水準から決定しています。RSUは従業員も対象となった給与の一部であり、制度的にも業績連動条項は付けられません。一方で、執行役を中心に付与されているPSU(業績連動型株式報酬制度)はTSR(総株主利益率)、つまり基本的に株価に連動しています。詳細は有価証券報告書をご参照下さい。また、前述のRSUも一定期間株式を保有しないと受け取れず、その金額は株価で変動しますので、株主の皆様と基本的に同じインセンティブになっています。

 

Q72Imaradenantなど一部を除いた提携のロイヤリティ率は一桁の可能性が高いと思うが、これは改善する戦略はあるか?

A72:ロイヤルティ率の詳細を開示できませんが、実体としては約半数の契約で最大2桁になっています。また、将来的な収益を改善するためには、例えばアラガン社とのMシリーズの契約のように、我々が強みを活かせる日本など特定の地域・適応症の権利を自社に残すことを今後も検討していきます。様々な事情があってロイヤルティ率の開示は分かりにくくて恐縮ですが、こちらのブログの「②ロイヤルティ率について」も参考にしていただければと思います。

 

Q73:コロナ流行に伴う英国の感染状況や規制緩和による臨床試験や基礎研究への影響は?

A73:感染は継続していますが、重症化率や死亡率は以前よりはるかに低く、政府は移動や交流の制限を解除しています。パンデミック中は臨床試験が若干遅れましたが、基礎研究には影響はありませんでした。ただ、政府は企業に対して引き続き慎重な行動と定期的な検査や必要に応じたマスクの着用等による対策を求めており、ケンブリッジの研究施設では定期的なPCR検査の実施、可能な限りの在宅勤務、建物内での従業員数の制限、空気循環などのコロナ対策を継続しています。

 

Q74:現在、SDGsESG投資が世界的に盛んだが、このような対象にはならないのか?

A74:我々の事業の特性からもSDGs/ESG投資の文脈にマッチする部分は大きく、一部ではそのような投資の対象にもなり始めていると感じています。また、今後も取組みを強化していきます。我々は多くの従業員が英国にいることもあり、日常的に多くのSDGs/ESGに関係する活動に関わっているため、まずはこれまで開示していなかった情報を開示する、さらにSDGs/ESGへの取組みを拡充することで、より多くの投資家の皆様に我々の活動を理解いただきたいと考えています。そのような背景から、これらの活動の第一歩として昨年サステナビリティレポートHPで公開しました。

 

Q75:上市済み4品目の正味現在価値は?(特許延長ありなし両方のケースで)

A75:製品の正味現在価値の計算はいくつもの前提で変わるので、我々からは開示できません。ご理解いただければと思います。具体的には主に期間、割引率、ロイヤルティ率、製品売上高の将来予想、が正味現在価値を決めますが、どのような期間と割引率を当てはめるかに正確な決まりはありません。また、ロイヤルティ率と製品売上高予想も、導出先のノバルティス社を含めて公開していません。参考までに、Evaluate社によるノバルティス社の製品売上の予想を以下にお示しします。

                                                                  2020        2021        2022        2023        2024        2025        2026

シーブリ                 (百万ドル)             119          118          114          111          100           90             80

ウルティブロ        (百万ドル)             526          523          518          517          499          390          312

エナジア                 (百万ドル)               -               36           108          196          255          291          286

オラビ                     (データなし)           -                -               -                -                 -               -                -           

 出所:EvaluatePharma(9月2日時点)

 

 

Q76:論文などについて積極的な解説はできないか?

A76:リクエストありがとうございます。重要な論文は知識、またブログでも積極的に解説したいと思っています。今の所は全ての論文は小さいものも含めてHPの「記事・掲載論文」に、学会発表なども含めて主なものは多少の解説も含めてHPの「知識」に、さらに詳細な解説が必要と思われるものはブログに投稿しています(リンクHTL18318のもの)。今後も、重要な論文は積極的に解説していきます。

 

Q77:音声がやや聞こえていないので次回以降改善できないか?

A77:マイクの品質が十分でなくて失礼致しました、次回以降改善するように致します。今回の決算説明会は日本と英国の4か所からスピーカーが同時参加し、加えてそれを日英両方に同時通訳するという初めての試みで、皆様から様々な改善点を頂けたことに感謝しています。

 

Q78:ブログの更新が減った理由は?

A78:直近では7/7に発表したCBの前後は、規制上、本ブログの更新はできない状況にあったため一時的に更新が少なくなりました。正確には6月末からCBの払込が完了した7/27までの期間です。規制上必要な措置でしたのでご理解いただければと思います。尚、既にその期間は終了していますので、今後もリリースなどと連動して積極的に情報発信をしていきます。

 

Q79:現時点での参加者数は?

A79362名の方にご参加いただきました。たくさんのご参加本当にありがとうございました。


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202112月期に発表した進捗(主に今期収入と関連するものを抜粋)】

(発表日)                               (内容)                                                                                       (今期の売上高と関連する部分)
519 参考/2Q           ファイザー社が臨床試験を開始                                               マイルストン:5百万ドル
6月23日 参考/2Q           バイオヘイブン社との開発品の臨床試験を開始                マイルストン:非開示

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