2024年5月9日木曜日

1Q決算とM1作動薬NBI-1117567のP1開始を発表しました

 みなさんこんばんは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

本日5月9日(木)に2024年期第1四半期の決算を発表いたしました。また、ニューロクライン社が進めるM1作動薬のNBI-1117567のP1臨床試験開始も発表いたしました。


決算ハイライト

決算短信

ご参考:最新版のコーポレートプレゼンテーション

M1作動薬のプレスリリース


以下それぞれポイントを絞ってご説明いたします。

Q1決算

詳細な数字は決算短信(参考)をご覧いただきたいのですが、売上高46.1億円(昨年は9.4億円)、営業赤字30.8億円(昨年は19.6億円の赤字)となりました。ベーリンガーインゲルハイム社との新規提携や、ピヴラッツの売上により昨年に比べ収益は大幅に増えましたが、費用面でもNPJ/NPK事業関連を含め費用増となりました。


【セグメント別の売上高、営業損益・コア営業損益(決算短信:P7、コーポレートプレゼンテーション:P30)】

【ピヴラッツの薬価ベースの売上推移(コーポレートプレゼンテーション:P32)】


【1Q決算のブレークダウン(コーポレートプレゼンテーション:P31)】


対象疾患であるくも膜下出血は冬に多くなること、病院では一定の備蓄をするため使用時期と購入時期にずれがあることから、昨年と同様4Qから1Qにかけてピヴラッツの売り上げは減少しています。ただし、昨年1Qと比較すると約19%売り上げが伸びており、順調に市場に浸透していることがわかっていただけるかと思います。

また、3月にベーリンガーインゲルハイム社(BI社)との提携を発表し、契約一時金が入ったことで収益が増加しました。なお、BI社との契約一時金の総額は約41億円ですが、その一部のみを1Qの売上として計上しています。

コスト面では、NPJ/NPK(旧IPJ/旧IPK)の統合関連の一時的もしくは非現金の支出が引き続き発生しているため、コア営業損益と営業損益の差が大きくなっています。

研究開発ではFormosa社のクロベタゾールプロピ オン酸エステル点眼液 0.05%のFDA承認取得、IBD治療薬候補のGPR35作動薬の権利再取得完了、IBD治療薬候補のEP4受容体作動薬のP1開始など、収益に対する貢献は大きくはないもののいくつかの重要な進捗がありました。

M1作動薬のP1開始
昨日提携先のニューロクライン社がM1作動薬(M1 preferring agonist)であるNBI-1117567のP1開始を発表しました(ニューロクライン社のリリースはこちら)。NBI-1117567はM1/M4受容体双方に作用するものの、M1の方への選択性が高い分子であり、精神・神経疾患における認知症状の治療を目的とした化合物です。

これで当社が創出し、ニューロクライン社が臨床試験を行うムスカリン作動薬は以下の4つとなりました。

  ● NBI-1117568:M4作動薬Phase2試験中(24年3Qデータ発表予定)
  ● NBI-1117570:M1/M4作動薬Phase1試験中
  ● NBI-1117569:M4作動薬(M4-Preferring)Phase1試験中
  ● NBI-1117567:M1作動薬(M1-Preferring)Phase1試験開始

なお、以前のブログでもご説明した通り、NBI-1117567について、我々は日本での開発販売権を持っています。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

2024年5月2日木曜日

ニューロクライン社が1Q決算を発表

みなさんおはようございます。CFOの野村です。

昨晩、我々の提携先のニューロクライン社とファイザー社が24年1Q決算を発表しました。大きなアップデートはありませんでしたが、ニューロクライン社のM4作動薬(NBI-1117568)について、今年の3Q(7-9月)に現在進行中のフェーズ2試験の結果が発表されることになりました。従来の予定だった下期(7-12月)や、ClinicalTrials.gov(臨床試験のデータベース)の12月よりもやや前倒しの進捗となり、順調な進捗を我々も嬉しく思っています。詳細は以下をご覧ください。

●ニューロクライン社説明資料
当社がライセンスしているM4作動薬(NBI-1117568)をはじめとしたムスカリン作動薬シリーズ(以下、黄色マーカー)について、いずれも順調に進捗しているとの説明がありました。



説明会の中でも、M4作動薬の患者組入れを含めたプログラム全体の順調な進捗に対して、いくつかのコメントがありました。

"We are really happy with the progress we've made with 568 and happy to be able to share that. In the third quarter we'll be coming forward with data."
(NBI-1117568の進展とそれを皆さんとシェアできることにとても満足しています。今年の3Q(7-9月)にデータを発表する予定です)

"One last comment, just a big shout out to the muscarinic team. This is an example at Neurocrine, it's a very important program. We're able to really push forward the timing of when we'd expect top line data, I think by a couple of quarters."
(最後にムスカリンチームにエールを送りたいと思います。これは非常に重要なプログラムですが、(NBI-1117568の)データ発表時期を数四半期、前倒しすることができました)


●ファイザー社パイプライン
大きなアップデートはありませんでしたが、当社との提携から生まれた3つのパイプラインについては、いずれもパイプライン表やClinicalTrials.govで順調に進んでいることが確認されました。

GLP-1作動薬(PF-06954522/糖尿病・肥満)
今年2月に健康な方に対するフェーズ1a試験が終了した直後に、患者さまを対象としたフェーズ1b試験が開始され、現在進行中です。また、4月末にはいくつかの剤形をテストする新たなフェーズ1試験の開始が登録されました。

MC4拮抗薬(PF-07258669/栄養失調)
昨年7月に2つ目のフェーズ1試験が完了しており、 今年2月には最初のフェーズ1試験の結果がデータベースに登録されました。今後の開発進展に期待したいと思います。

CCR6拮抗薬(PF-07054894/炎症性腸疾患)
現在進行中の、患者さまを対象としたフェーズ1b試験について、今年の4月に、終了時期の前倒し(今年10月→7月)がデータベースに登録されました。また、同じく今年の4月に、新たに日本人を対象としたフェーズ1試験の開始が登録されました。


今後とも、どうぞよろしくお願いします!