みなさんこんばんは。CFOの野村です。
先ほどのリリースの通り、2020年12月にGSK社にライセンスしていたGPR35作動薬(GSK4381406)について(参考)、当社が全権利の再取得するための協議をGSK社との間で開始しました。GPR35作動薬は、すでにフェーズ1試験開始の準備が完了し、その情報が今年8月には公的なデータベース(NCT05999798)にも登録されるなど順調に開発が進んできましたが、直近の9月に行われたGSK社の研究開発体制の刷新と、その中での研究開発戦略の変更に伴い(参考1/参考2)、GSK社での現在の開発は打ち切られることになりました。
我々は、GSK社の決定を尊重しつつも、既にフェーズ1試験の準備が完了しており、これまで有望なデータが積みあがっているGPR35作動薬の権利を獲得できるまたとないチャンスでもあり、我々の自社創薬を強化する方針とも一致しますので、直ちに権利の再取得に向けGSK社との協議を開始しました。権利の再取得完了後は、自社でフェーズ1試験を行って価値を高め、日本・APAC以外の地域についてはこれまで同様、大手製薬企業への導出を行うことを計画しています。これまで受領した一時金やマイルストンの返還は必要なく、また、当社からGSK社への一時金の支払いもありません。一方で、将来的にGSK4381406が上市された場合には、当社はGSK社に1桁台前半のロイヤルティを支払うことになります。
これまで当社も何度か経験しているように、開発が順調にもかかわらず、大手企業はしばしばこのような戦略変更に伴ってこれまで注力してきた開発品の優先順位を下げたり、開発を中止することがあります。一方で我々は、これらをチャンスととらえ、例えばニューロクライン社への再導出(リリース、ブログ)などをはじめ、そのような場合には権利を再取得し、時に開発品の価値を高めつつ新たなパートナーに導出することを何度も経験してきました。
今後、進捗があった際にはまたお知らせします。