2022年4月26日火曜日

Weatherden社と戦略的提携しました

みなさんこんにちは。CFOの野村です。

先ほどリリースの通り、英Weatherden社と戦略的提携しました。Weatherden社は、医薬品の研究開発を専門に支援するコンサルティンググループで、これまでに100社以上の製薬企業/バイオ医薬品企業を支援することで165億ドル(約2兆円)もの価値を生み出してきた、業界きっての専門家集団です。我々は今回の提携なども通じ、研究開発を可能な限り加速・効率化していく予定です。


具体的には、、、


1. 前臨床以前の開発をアジャイル型にシフト
 前臨床以前(基礎研究~動物試験)での十分なデータに基づく仮説検証を迅速に行い、これまでよりも早期段階・早いサイクルでレビューすることで、意思決定スピードと質を高めます。これは、創薬研究で加速する新たな科学的発見や競争環境の変化などについて、出来るだけ早い段階から開発に反映し、開発全体を最適化することが目的です。

2. プログラムの選択と集中の明確化
 上記の結果も含めて、プログラムの選択と集中をより明確化し、厳選した自社開発プログラムを臨床試験段階に進めます。これにより、その後の提携の機会と経済条件を最大化します。これは、我々の扱うGPCRという創薬ターゲットが、1社で開拓するには膨大(全体で約400個。全く未開拓ものでも200個以上)であり、他社との提携による拡大と同時に、選択と集中も必要になるためです。

3. 前臨床~臨床開発機能の強化
 トランスレーショナル・メディシン(前臨床以前のデータの臨床試験での活用)と臨床開発機能を強化します。我々はGPCRの専門家集団ですが、個別の疾患のノウハウに必ずしも強みはありません。GPCRをターゲットとした開発品の疾患応用範囲は非常に幅広いため(主なものでも中枢、がん、免疫など)、対象疾患ごとに自社に人を採用するのではなく、外部専門家との連携を通じて、効率的に臨床コンセプトを実証(POCの取得)を進めていきます。


このような研究開発の加速と効率化は、ライセンス契約などに比べてその経済的な効果が見えにくく地味ではありますが、我々が安定的に中長期での企業価値を高める上では、非常に重要だと考えています。例えば、我々が年15%づつ研究開発の生産性を高めていくことができれば、その効果は5年後には2倍、10年後には4倍という、大きなアドバンテージとして返って来るためです。

今回、Weatherden社との戦略的提携では、まずは自社開発品の中でもH4拮抗薬、GPR52作動薬を中心にプロジェクトを進めていく予定です。尚、今回の提携による研究開発費の見通しなどの変更はありません。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!