みなさんこんにちは、CFOの野村です。
ご報告が年の瀬になってしまい大変申し訳ない限りですが、11月10日(金)に2023年のR&D説明会を実施させていただきました。お忙しい中にも関わらず、334名という多くの方にご参加いただきありがとうございました!
説明会中やその前後も含めて、口頭、テキスト、メールなどでいただいていた合計36件のご質問、ご意見、激励などのうち、重複を整理した以下の24件についてお答えします(※カッコ内の数字は同様の主旨の質問の件数です)。
みなさんこんにちは、CFOの野村です。
ご報告が年の瀬になってしまい大変申し訳ない限りですが、11月10日(金)に2023年のR&D説明会を実施させていただきました。お忙しい中にも関わらず、334名という多くの方にご参加いただきありがとうございました!
説明会中やその前後も含めて、口頭、テキスト、メールなどでいただいていた合計36件のご質問、ご意見、激励などのうち、重複を整理した以下の24件についてお答えします(※カッコ内の数字は同様の主旨の質問の件数です)。
皆さんこんばんは、CFOの野村です。
昨日のリリースの通り、11月28日に発表した資金調達が金曜日に完了しました。4つのアクションが組み合わさったやや複雑なスキームでしたが、できるだけ分かりやすく概要・目的・使途などを金曜日のリリースに整理しましたので、ご参考いただければと思います。
今回の資金調達は我々の財務基盤をさらに安定化させ、成長加速のための資金をできるだけ低い影響で確保するためのものです。その中でも、中長期目線の政府系ファンドである産業革新投資機構傘下のJIC VGIにも資金を拠出いただけたことは大変心強く、新たに加わった日本・APACでの成長シナリオにも合致するものです。詳細は、同日に発表されたJIC VGIからのリリースもご覧ください。
【資金調達の概要】
今回の資金調達による実質的な希薄化は8.6%ですが、JIC VGIは中長期目線ですので、ただちに取引に影響するのは1.8%のみだと考えています。
発行価格 | 株数 | 株式の希薄化(潜在含)* | |
1. 海外新株発行 | 約21億円 | 1,500千株 | 1.80% |
2. 第三者割当増資 | 約80億円 | 5,610千株 | 6.80% |
3. 新発CBの発行 | 約320億円 | 約17,957千株(潜在) | 21.8%(潜在) |
買入金額 | 株数 | 株式の希薄化(潜在含) | |
4. 既発CBの買入消却 | 約313億円 | 約-13,356千株(潜在) | -16.2%(潜在) |
正味調達額 | 株数 | 株式の希薄化(潜在含) | |
本資金調達合計 | 約104億円 | 実質的増加:7,110千株 潜在的増加:約4,601千株 | 実質的な希薄化:8.6% 潜在的な希薄化:5.6% |
【本資金調達の目的】
資金調達の目的は主に以下のA~Cの3点です。詳細はリリースの1ページ目をご参考下さい。
A) 既発CBの返済期限延長
B) 成長加速のための資金確保
C) 知見の深い長期投資家からの出資受け入れ
【JIC VGIからの投資】
JIC VGIは産業革新投資機構傘下の政府系ファンドで、これまでも数多くのヘルスケア企業への投資実績があります。(参考)。JIC VGIが2023年9月に立ち上げた新ファンド(OPF1)は、政府のスタートアップ育成5か年計画に盛り込まれている取り組みで(参考)、上場後のスタートアップの飛躍的成長支援が、大きな目的の一つになります。OPF1は総額400億円のうち300億円を上市済みのスタートアップに投資することになっていますが、今回そのうち80億円を第一号案件として投資いただきました。
技術・経営など各要素について数か月の分析・審査(デューデリジェンスと呼びます)をクリアし80億円の出資を受けられたことは、当社の成長性や日本のヘルスケア産業における重要性を評価いただけた結果だと考えています。さらなる成長に向けて、一同、一層頑張っていきます。
また、ファイナンス期間中はブログは最低限の内容にとどめていましたが、それも金曜日に終了しましたので、今後は通常通りの情報発信をしていきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
みなさんおはようございます、CFOの野村です。
昨日のリリースの通り、ピヴラッツが韓国で承認されました。
ピヴラッツはくも膜下出血術後の合併症の発症予防を抑制する薬で、日本では2022年から販売をしていますが、韓国は日本と同じく世界の平均よりくも膜下出血の発症リスクが高く、ピヴラッツのニーズが大きい国の一つです。今回の承認取得によって、韓国の患者さまにもピヴラッツをお届けできるようになることをとても嬉しく思います。
韓国では日本や欧米よりも、承認取得から販売開始までのプロセスがやや複雑(保険適応可否の判断→NHISとの薬価交渉→MHWの承認)ですので、一般的に販売まで12~15か月程度がかりますが(参考)、2025年初まで粛々とそのプロセスを進めていきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
(ファイナンス期間中のため、ブログは最小限の情報提供に留めています)
みなさんおはようございます。CFOの野村です。
日本時間の6日(水)の早朝に提携先のニューロクライン社が「2023 Analyst Day」を開催し、我々からライセンスしている以下の4つのムスカリン作動薬についても発表がありました(資料)。またこれを受けて、昨日、我々からもリリースを出しています。
● NBI-1117568:M4作動薬 | Phase2試験中(24年後半データ発表予定) |
● NBI-1117570:M1/M4作動薬 | Phase1試験中 |
● NBI-1117569:M4作動薬(M4-Preferring) | Phase1試験中 |
● NBI-1117567:M1作動薬(M1-Preferring) | Phase1試験開始(2024年開始予定) |
特に、NBI-1117569(M4作動薬)とNBI-1117567(M1作動薬)の進展は、新しく発表されたものですね。また、NBI-1117567について、我々は日本での開発販売権を持っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
(ファイナンス期間中のため、ブログは最小限の情報提供に留めています)
金額(発行価格) | 株数 | 備考 | |
Ⅰ.海外募集新株式の発行 (海外募集による新株式の発行) | 約21億円 | 1,500,000株 | 発行済株式数に対する割合 1,500,000/ 82,336,777 = 1.8% (詳細はリリース参照) |
Ⅱ.新株予約権付社債の発行 (海外募集による2028年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の発行) | 320億円 | - | 潜在株式数の比率は19.8%になる見込み (詳細はリリース参照) |
Ⅲ.第三者割当新株式の発行 (JICVGIオポチュニティファンド1号投資事業有限責任組合を割当予定先とする第三者割当による新株式の発行) | 80億円 | 5,610,000 株 | 発行済株式数に対する割合 5,610,000/ 82,336,777 = 6.8% (詳細はリリース参照) |
買入金額 | 株数 | 備考 | |
参考:買入消却 (2026 年満期ユーロ円建転換社債型新株予約権付社債の買入消却に関するお知らせ) | 約314億円 | - | 潜在株式数の比率は16.5%になる見込み(発行時点) (詳細はリリース1、リリース2参照) |
みなさんこんばんは。CFOの野村です。
先ほどのリリースの通り、2020年12月にGSK社にライセンスしていたGPR35作動薬(GSK4381406)について(参考)、当社が全権利の再取得するための協議をGSK社との間で開始しました。GPR35作動薬は、すでにフェーズ1試験開始の準備が完了し、その情報が今年8月には公的なデータベース(NCT05999798)にも登録されるなど順調に開発が進んできましたが、直近の9月に行われたGSK社の研究開発体制の刷新と、その中での研究開発戦略の変更に伴い(参考1/参考2)、GSK社での現在の開発は打ち切られることになりました。
我々は、GSK社の決定を尊重しつつも、既にフェーズ1試験の準備が完了しており、これまで有望なデータが積みあがっているGPR35作動薬の権利を獲得できるまたとないチャンスでもあり、我々の自社創薬を強化する方針とも一致しますので、直ちに権利の再取得に向けGSK社との協議を開始しました。権利の再取得完了後は、自社でフェーズ1試験を行って価値を高め、日本・APAC以外の地域についてはこれまで同様、大手製薬企業への導出を行うことを計画しています。これまで受領した一時金やマイルストンの返還は必要なく、また、当社からGSK社への一時金の支払いもありません。一方で、将来的にGSK4381406が上市された場合には、当社はGSK社に1桁台前半のロイヤルティを支払うことになります。
これまで当社も何度か経験しているように、開発が順調にもかかわらず、大手企業はしばしばこのような戦略変更に伴ってこれまで注力してきた開発品の優先順位を下げたり、開発を中止することがあります。一方で我々は、これらをチャンスととらえ、例えばニューロクライン社への再導出(リリース、ブログ)などをはじめ、そのような場合には権利を再取得し、時に開発品の価値を高めつつ新たなパートナーに導出することを何度も経験してきました。
今後、進捗があった際にはまたお知らせします。
みなさんこんばんは、CFOの野村です。
先週金曜日にリリースの通り、昨年5月に発表したKallyope社との提携が進捗し、消化器疾患を対象とした最初のGPCRターゲットを選定しました。以前のブログでも少し紹介した通りKallyope社は2004年にノーベル生理学・医学賞を受賞したRichard Axel氏を含め、アカデミア界で多数の実績を持つ研究者達が創業した、腸脳軸に特化した強いサイエンスを持つ企業で、主に以下の3つを含む技術を統合した「Klarity™技術」という創薬プラットフォームを軸に事業を展開しています。
①シングルセルシークエンス:細胞一つ一つの遺伝子発現を見ることで、どの細胞が腸脳軸にとって重要かを特定
②回路マッピング:脳と腸の細胞の間での情報伝達を特定し、どのような情報がそれぞれの機能に影響するかを分析
③光遺伝学・化学遺伝学:①で特定した個別の細胞について、光や化学物質の刺激を活用し生理機能を特定
このKlarity™技術と、我々のGPCRに特化したノウハウを組み合わせ、今回、非常にスピード感を持って、最初の創薬ターゲットが選定できたことを一同喜んでいます。今回は非常に初期の進展ではありますが、このような初期の進展なしにはどのような革新的な薬も生まれません。新たなメカニズム、ロジックに基づいた医薬品を早く患者さまにお届けできるよう、今後も一同、全力で開発を前に進めていきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
みなさんおはようございます。CFOの野村です。
先ほどリリースの通り、ファイザー社との提携から生まれた新たな経口GLP-1作動薬・PF-06954522のフェーズ1試験が始まりました。CEOのクリス・カーギルから以下のメッセージを預かっていますので、まずは皆様にご紹介させてください。
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ノボ・ノルディスクのセマグルチド(商品名:ウゴービ)や、イーライリリーのチルゼパチド(商品名:マンジャロ)などの週1回の注射で済むGLP-1製剤は、糖尿病・肥満に苦しむ世界中の患者さまの生活に革命をもたらしました。この2つの医薬品を合わせた売り上げは、まもなく1,000億ドル(15兆円)を超える見込みです。(参考)
これらと同じく高い効果があり、注射ではなく1日1回の飲み薬が登場すれば、どれほど患者さまの生活を変えることができるかを想像してみてください。科学はこれまでも、そしてこれからも、不可能を可能にする力の源です!
ペプチドアゴニストと結合したGLP-1受容体の全長構造を世界で初めて解明したのは、実は当社の科学者たちだったこと(当社リリース、論文)は世間では意外にも忘れられがちですが、私たちはこれを誇りに思い、そして一日たりとも忘れたことはありません。ファイザー社やイーライリリー社といった、同領域あるいは周辺領域で当社とパートナー関係にある提携先も、同じ想いでしょう。
我々のGLP-1受容体に関する知見を創薬提携を通じて活用し、ファイザー社は新たな経口低分子GLP-1受容体作動薬であるPF-06954522を生み出しました。今週末、当社はこの開発品がフェーズ1試験に入ったことを確認しました。
日本を代表するバイオテクノロジー企業であるそーせいヘプタレスは、これからも世界をリードするサイエンスによって人生を変える医薬品を生み出していきます。
代表執行役社長CEO クリス・カーギル
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ファイザー社との間では今年6月、同じく我々との提携から生まれたGLP-1作動薬のLotiglipronがフェーズ2試験段階で残念ながら開発を中断しましたが(参考)、今回、新たな経口GLP-1作動薬であるPF-06954522のフェーズ1試験がただちに開始されました。ファイザー社のGLP-1作動薬と代謝性疾患にかける意欲は、先日の3Q決算のコメント"We are building a platform around the GLP area"(参考)の通り全く衰えていません。PF-06954522のフェーズ1試験の情報は、こちらに既に登録されています。
PF-06954522はファイザーの化合物ですので明確には申し上げられませんが、一般的に我々のターゲットの構造をベースとした創薬プラットフォーム技術(StaR技術+SBDD)は、従来の半ばランダムに化合物を発見する創薬手法とは異なり、ターゲットの構造を特定して最適な化合物を設計することを強みとしています(参考)。この手法では、従来に比べて化合物の最適化を大きく効率化できますので、バックアップや次世代の化合物を作りやすく、1つの化合物が仮に失敗しても、狙ったターゲットに対して着実に創薬を進められるメリットがあります。
今回の進展では特にマイルストンは発生しませんが、我々は他の化合物に対するのと同様、PF-06954522に対する経済的な権利を持っていますので、開発が進捗した際にはまた報告させていただきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
みなさんこんにちは。CFOの野村です。
本日2件のリリースを発表させていただきました。
1件目はダリドレキサントの製造販売承認申請です。
ダリドレキサントはアクテリオン社が創薬し、イドルシア社(スイス)が開発を行った不眠症治療薬で、欧米では既にQUVIVIQという商品名で販売されています。今回のこの申請に関連して、我々は15億円の一時金を受領しますが、今後さらなる進展があった時にはご報告します。
ダリドレキサントは、脳の覚醒を維持する働きがある「オレキシン」の受容体にくっつき、その働きを妨げることで、不眠症の患者さんが眠るのを助けます。オレキシンは1998年に2つの研究グループによって発見されましたが、うちの一つが日本人研究者の柳沢正史先生らのグループで(インタビュー記事リンク)、柳沢先生はこの発見の功績により2023年9月にイギリスの学術情報サービス会社「クラリベイト」が発表したノーベル賞受賞の有力候補にも挙げられ話題になりました(Citation Laureates 2023)。
不眠症治療薬はこれまで、GABA受容体に作用するベンゾジアゼピン系など多くの医薬品が出ていますが、オレキシン系は新しいタイプの薬としてベルソムラ(MSD社)、デエビゴ(エーザイ)が既に販売されており、ダリドレキサントは3剤目の薬になります。全体の売上高は日本全体で約570億円ですが、不眠症治療薬に占めるシェアはまだ19%ですので、今後の成長が期待されています。デイビゴの4-6月の売上高は前年同期比145%と、強い成長を続けています(参考)。なおオレキシン系の薬は、その作用メカニズムの頭文字をとってDORA(Dual Orexin Receptor Antagonist)と呼ばれています。
2件目はジェネンテック社との提携の進捗です。
創薬段階の進展でターゲット等はお示しできないのが残念ですが、この進展に伴い我々は3.75百万ドル(約5.6億円)のマイルストンを受け取ります。ジェネンテック社とは2019年に複数ターゲット、低分子・バイオ医薬品の両方を対象にした総額で10億ドル(約1,499億円)の提携を結んでおり(参考)、主にファーストインクラスとなりうる革新的なターゲットを中心に創薬を進めています。今後も患者さまのお役に立つ革新的な医薬品候補を生み出すために、チーム一丸となって頑張っていきます。
みなさんこんにちは。CFOの野村です。
ご報告が大変遅くなりましたが、8月4日(金)に2023年12月期第2四半期(1月-6月)決算説明会を実施させていただきました。お忙しい中にも関わらず、309名という多くの方にご参加いただきありがとうございました!
説明会中やその前後も含めて、口頭、テキスト、メールなどでいただいていた合計32件のご質問、ご意見、激励などのうち、重複を整理した以下の25件についてお答えします(※カッコ内の数字は同様の主旨の質問の件数です)。回答までに長い時間をいただいてしまい、大変申し訳ございませんでした。
●開発品の動向について(15)
Q1. ニューロクライン社に導出しているM1作動薬の進捗は? (4)
A1.
M1作動薬は多少の時期の前後はありますが、順調に開発が進んでいます。ニューロクライン社も8月の決算説明時に「We obviously do have other
molecules behind that that we will intend to bring into the clinic in due
course」と言及しており、当社としては日本開発に向け、Ph1試験からどのようにニューロクライン社と協業していくかの計画を正に作成中です。認知症は直近でも、日本での大きな社会課題であることが改めて認識されており、国も積極的な支援に舵を切っています。このような大きな社会課題との戦いに、当社のテクノロジーも是非貢献できればと思っています。
Q2.
TMP301の進捗について、今年1月の開始予定のアナウンス以降進捗がないが現在の状況は?(4)
A2.
今年9月にClinicalTraials.govに登録されており、今年12月に終了予定となっています。詳細はこちらもご参照下さい。
Q3.
ニューロクラインの8月の決算説明資料でM1/M4デュアル作動薬のIND申請が承認されたと記載があったが、これに伴うマイルストンの受領はないのか?(2)
A3.
M1/M4デュアル作動薬のIND申請に伴うマイルストンはありません。マイルストンの受領タイミングは正確には開示できませんが、M1/M4作動薬でもフェーズ1試験に関連するマイルストンは設定されています。詳細はこちらもご参照下さい。
Q4.
22年12月期決算後のQ&Aブログで、今期は4~5件の臨床試験開始、2件程度の前臨床試験開始見込みと記載があったが状況は変わらないか?(2)
A4.
こちらの見込みに変更はありません。臨床試験について、今期はGPR52作動薬、EP4拮抗薬、M1/M4作動薬の3つが既に臨床試験を開始していますので、あと1件以上の臨床試験開始を見込んでいます。前臨床試験の進捗は都度の開示はしていませんが、例年通り、本決算時にアップデートさせていただく予定です。
Q5.
ファイザー社は肥満/2型糖尿病に対して、Lotiglipron以外のバックアップ化合物を水面下で進めることは可能か?
A5.
提携先の開発方針ですので明確にはご回答はできませんが、一般的には可能と考えられます。その際、当社の技術を使用している場合には、Lotiglipronと同様に当社にも経済的権利が発生することになります。
Q6.
決算資料17ページのEP4拮抗薬の臨床試験開始時期(7月)と発表(8月)に差があるのはなぜか?できるだけ早く開示できないのか?
A6. 我々は合理的なタイミングかつ過去と一貫性のある開示を心がけており、業界慣行も踏まえ、基本的には最初の投与時に発表をさせていただいております。ご理解いただければ幸いです。時期のずれは、臨床試験のデータベースへの登録時点と実際の投与時のものになります。
Q7.
CXCR4(サノフィへ導出)やGPR35(GSKへ導出)の進捗については情報がないが、プログラムに何か問題があるのか?
A7.
特段の問題は発生しておりません。ニュースのタイミングによって進捗に乏しいように見えることもあるかと思いますが、P13のパイプライン一覧表のプログラムは全てアクティブなものになります。今後の発表をお待ちいただければと思います。
●イドルシアジャパン(IPJ)について(7)
Q8.
Ph3段階にある2品目(Cerenimod/Lucerastat)のオプション権を獲得したが、なぜこの2品目を選んだのか?権利行使のタイミング、導入した場合の費用、売上見込みは?(4)
A8. 日本・APAC(中国を除く)で十分な市場規模が見込めるCenerimodとLuserastatの二品目を選択しました。今後、イドルシア社本体と開発の歩調を合わせるべきか、あるいはより日本・APAC(中国を除く)に特化した最適な開発プラン(適応症、エンドポイント、スケジュールなど)があるかを検討した上でオプション行使の可否を判断します。遅くとも来年前半までに行使の可否を判断する予定ですが、基本的にはそれよりもできるだけ早いタイミングを目指しています。オプション権の行使に伴うオプション料は少額であり、また、開発もできるだけ少数例かつ迅速に行う予定です。
Q9.
IPJ社単独での今期の売上や利益の見込みは?連結決算のPLへの影響はどのように考えればよいか?(2)
A9. IPJ単体の予想はすでに発表した通りですが、ここから買収を実施した7/20以降の概ね6か月弱の期間分が合算されますので、当社の2023年12月期決算への影響はこれより小さくなる見込みです。加えて会計上の連結決算では、IPJ社単体の他に一過性の損失(M&A実行費用など)、中長期の損失(無形資産の償却など)、一過性の利益(繰延税金資産の増加など)を加味する必要があり、現在、3Q決算時でこれらをご説明することを目指して影響を精査しています。これまでにもご説明の通り、我々は買収1年目からキャッシュフローベースでのフラット~黒字と、IPJの事業成長に伴うその後の拡大を見込んでいます。
Q10. イドルシアの2Q決算では上期のピヴラッツの売上は32.4百万スイスフラン(約52億円)であり、買収資料の売上予想133億円の40%程度だが、下期にキャッチアップできるのか?
A10.
ピヴラッツの売上は4Qに偏る傾向があり、目標は達成可能と考えています。昨年のピヴラッツの売上高の40%以上は4Qに偏っており、年初から販売している今年と、2Qから販売を開始した昨年とは厳密に比較はできないものの、くも膜下出血の発生が冬季に多いことを踏まえれば、4Qに売上高が偏重する傾向は変わらないと考えています。尚、52億円は売上高ベースで、薬価ベースの133億円とは意味合いが多少異なります。ピヴラッツの売上高の2Qまでの進捗は、実際は40%以上になります。
●技術・技術提携について(6)
Q11. へプタレスの開発品はPh2試験でPoCが取得できず、特に安全性を理由として中止されるケースが多いように見受けられるが、プラットフォーム自体に問題はないのか?そもそも安全性については、Ph1試験時点で確認はできないのか?(3)
A11.
プラットフォーム自体は引き続き強固です。一方で、Ph2試験(PoCの取得)は臨床試験の最難関ポイントなのも事実です。Lotiglipronはファイザー社のデザインした化合物であり、中止は残念ですが、中止と当社のプラットフォームとの関連はありません。価値の乏しい技術に対して複数の大手企業が大型の提携を行うことは常識的に考えにくく、StaR技術には引き続き高い優位性があると考えています。一方で、Ph2試験は医薬品開発の最難関のステップ(統計的な成功率:約30%)ですので、今後もPh2試験を突破できるように挑戦し続けていきます。3回のPh2試験(A2a拮抗薬、旧M1作動薬、GLP-1作動薬)の結果は残念であり、未だにPoCが取れていないというのは耳の痛いご指摘ですが、逆にPh2試験が成功してPoC(作用メカニズムの証明)が取得できれば、企業評価の大きな成長ドライバーになると考えています。Ph1試験での安全性の確認は勿論行っていますが、そもそもPh1試験は比較的短期間かつ限られた人数で実施されており、加えてPh2試験でのより高い有効性を追求した投与量の変更などを行うと、一般的にPh1試験では見られなかった問題が発生する可能性が高まります。
Q12. StaR技術はHeptaresを買収直後と比べてどの程度進化しているものなのか?
A12.
2015年の買収直後から大きく進化したと考えています。StaR技術は当社のコア技術として継続的に役割を果たしていますが、決算説明会やR&D説明会でもご説明させていただいているプロテインバインダーツールキット(mini-Gなど)やDELスクリーニング、ケモゲノミックライブラリー・スクリーニング(当社が構築したGPCRに特化した化合物ライブラリー)など常に新たな技術ツールが開発され、StaR技術と相乗的に使用されています(参考:P29)。また、我々はCryo-EMも日本企業の中では最も早くから採用しており、これらの技術ツールのいくつかはCryo-EMとの相乗効果もあり、我々がCryo-EMを使用した構造解析でも、優位性を発揮できる一因になっていると考えます。
Q13. Verily社との協業についてのアップデートと今後の見通しは?
A13.
Verily社との協業は順調に進展しており、10月にターゲットの選定を発表させていただきました。詳細はこちらをご参照下さい。
Q14. 15枚目のスライドで、Verily社とKallyope社のロゴにチェックが付いているが、これは何を意味しているのか?
A14.
資料に誤りがあり、直ちに訂正してウェブサイトに再掲いたしました。ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
●目標や今後の戦略について(5)
Q15. 資料に記載の通り今年中に新規提携を見込んでいるのか?原則Ph2aまで自社開発するなら創薬提携になるのか?(2)
A15. 上期決算説明会でのクリスからの説明の通り、今年中に1つ以上の提携を見込んでいます。詳細はお示しできませんが、現在、異なるパターンの提携について相手先と協議しています。創薬提携に加えて、自社開発品についてもPh2aまで自社で開発を行いつつも、パートナーと協力関係を築くことは可能と考えています。一方で、これらは相手先のある交渉ですので、現時点で確約できない点についてご理解下さい。
Q16. ファイザーの治験中止以降の会社の経営方針に変更はあるか?
A16.
ファイザー社の開発も含め、特定の開発品の成功を前提には経営方針を立てていませんので、今後も戦略や方向性の変更はありません。「GPCR創薬のイノベーションの強化と付加価値を高い提携」「日本・APAC(中国を除く)での卓越した開発/販売エンジン」を事業の2本柱とし、さらにこれらの間でのシナジーも追及していきます。
Q17. 買収により事業規模が拡大したが、今後の増員や再配置についての考えは?
A17.
外部を活用したコンパクトな運営体制を引き続き志向していく予定です。ただ、来年にダリドレキサントの承認と販売が実現した場合、来年~再来年にかけて人員がやや増える可能性があります。
Q18. 上期に予定されていた自社開発品2つのPh1試験開始が遅れた理由は何か?
A18.
Ph1試験開始のタイミングは医療機関の投与開始タイミングによるため、当社でコントロールできない一定の誤差が出てしまう点、ご容赦いただければと思います。一方、今後の情報発信では多少のバッファーをもって時期をアナウンスしたく考えています。
●その他(10)
Q19. 株主還元(配当・自社株買い)についてのどのような方針を持っているか?(3)
A19. 配当等は、営業成績、財務状況、現金需要、今後の見通し、分配可能利益及びその時点において取締役会が必要と認める他の要素等を考慮して行います。IPJ社の買収はそれに向けた重要な第一歩であり、早くそのような状況を実現できるよう全社一丸となって取り組んでまいります。
Q20. 保有現金や大手製薬との契約金額に比べて、アナリストの評価などがあまりにも低すぎるのでは?今後の株価対策は何を考えているか?(2)
A20.
外部のアナリストの評価については、我々から積極的にコメントする立場にはありません。一方で、IPJ社の買収などに伴うものも含め、いくつかの事業進展をお示しすることが、アナリストも含め外部の皆様に当社事業の成長ポテンシャルをご理解いただく上で、最も重要だと考えています。
Q21. 今年はR&D説明会は開催しないのか?
A21.
今年のR&D説明会は現時点では11月の開催を予定しています。お待たせして恐縮ですが、詳細が決まりましたらお知らせいたしますので少々お待ちいただければと思います。
Q22. 上期にニュースが乏しく、年末に増加するサイクルを改善できないか?改善できないのであれば、自社プログラムについての進捗などの説明を上期にできないか?
A22.
新規契約や開発品進捗のタイミングはパートナー次第で如何ともしがたく、ご容赦下さい。今後の自社品も含めた開発品の増加で、そのようなサイクルは中長期的には緩和されると見込んでいます。自社開発品は上期・下期問わず、可能な限り進捗を開示してまいります。
Q23. Lotiglipron中断発表の直前の大量の空売りを把握しているか?インサイダー取引の可能性があるのでは?
A23. 取引自体は把握しておりますが、現時点においてはインサイダー取引は認識しておりません。仮にインサイダー取引が行われていた場合には、規制当局による厳正な対処が行われるものと理解しています。また、当社の株式はデルタヘッジなど、一般的に様々なテクニカルな取引の対象になる可能性があり、そのような取引が行われた可能性もあるのではないかと考えております。
Q24. 声が小さくて聞こえません。また、資料もHPにアップロードされていないように見えます。
A24.
音声が小さくて失礼いたしました。資料についてはHPへのアップロードを行っておりますが、プラウザにキャッシュが残っていると最新のページにならないことがありますので、何度か更新ボタンを押していただければと思います。
Q25. Webサイトが見づらいです。直近のニュース一覧がホームページにあった方が良いのでは?
A25. ホームページについてはIPJ社との統合もあり、より見やすいものにアップデートする予定です。少々お待ちいただければと思います。