2025年3月17日月曜日

2024年12月期決算説明会のQ&A

みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

2025年2月14日(金)に決算説明会を開催いたしました。お忙しい中にもかかわらず319名の方にご参加いただきありがとうございました。

説明会中やアンケートなど、口頭・テキスト・メールなどでいただいた合計69件のご質問・ご意見・激励などのうち、重複を整理した以下の34件についてお答えいたします。(※カッコ内の数字は同様の趣旨の質問の数です)


早期開発品・提携プログラムの進捗について(29

Q1.   自社開発品について、創薬段階と前臨床開発段階のものはあるか?追加する予定はあるか?(3)

A1.     複数の開発品が基礎~前臨床の手前の段階にあります。今後の進捗に伴って、成果をお示しできればと思います。


Q2.   ベーリンガー社がGPR52作動薬NXE’149のオプション権を行使しない場合、新規の大型提携ができれば黒字化するのか?(3)

A2.     ベーリンガー社からマイルストンを受領しない場合でも、一般的な新規の契約1つでブレイクイーブン、それ以上で黒字化を見込んでいます。契約が大型になれば、ご指摘の通り1つでも黒字化する可能性があります。


Q3.   ベーリンガー社がGPR52作動薬のオプション権を行使する時期は?フェーズ2試験開始によるマイルストンの受領はあるか?(2

A3.     2025年下半期のフェーズ1b試験取得後のオプション権行使を見込んでいます。2025年下期に終了見込みのフェーズ1b試験結果を得られた後に、契約で定められた期間内にベーリンガー社はオプション権行使を判断する必要があります。個別のマイルストンのタイミングは開示できませんが、今回はオプション行使料が60百万ユーロ(約100億円)と大きく設定されています。


Q4.   武田、ジェネンテックとの提携やPAR2(ペプチド)やH4拮抗薬がパイプライン表から消えたが終了したのか?(2

A4.     提携中のものは一定段階までの開発が終了し、先方で検討中、返還手続中、または返還済みです。返還中あるいは返還済みのプログラムの多くは、プログラム自体に問題はないため、並行して他社への導出交渉や自社でのバリューアップを図っています。H4PAR2についても、適切なパートナーを探索中です。


Q5.   Glu5 NAMTMP-301)の治験開始が11月となっているが投与されたのか?フェーズ2試験開始のマイルストンは?(2

A5.  ClinicalTrials.govにおける試験開始日は最初の被験者の登録日です。マイルストンのトリガーとなるイベントの詳細は開示できませんが、早晩、進捗をお知らせできる予定です。  


Q6.   M4作動薬NBI’568のフェーズ3試験は、プラセボを抑えるためにどのような工夫がされる予定か?(2

A6.     実薬:プラセボが11のシンプルな試験デザインを組み、臨床試験サイトを厳格に管理する予定です。これは、プラセボ効果の主因である「①実薬を投与されていると思い込む」「②評価項目が主観的で医師ごとにばらつく」という2つに対処するためです。なお、投与量はフェーズ2で最も効果の高かった20mgのみとなる予定です。
「①実薬を投与されていると思い込む」については、実薬:プラセボ=11と同じ割合にすることで、実薬が多いよくある試験デザインよりも「きっと、実薬を打たれているはずだ」という思い込みを減らしプラセボを抑えます。実際、M4作動薬NBI’568のフェーズ2試験では実薬:プラセボ=21でした。フェーズ2試験も成功裏に終わりましたが、さらにそこからの改善ポイントになります。
「②評価項目が主観的で医師ごとにばらつく」に対処するため、ニューロクライン社は、自社で臨床試験を実施する各試験サイトを厳格に管理し、PANSSスコアについてもフェーズ3試験でもより医師とのコミュニケーションに力を入れることを表明しており、十二分な対策がなされる予定です。

直近のカンファレンスでも、ニューロクライン社からこれらの点について「当社はFDAと用量選択について合意しました。 最低用量となるでしょう。(We did get agreement with the FDA in terms of dose selection, which will be the lowest dose.)」 「シンプルな試験になるでしょう ~中略~ 11の無作為化、強力な施設管理、評価者と評価者の質について正確に理解し、良好な結果を得ることを確実にします。(It will be a simple trial…one-to-one randomization, strong site control, making sure that we understand exactly what's going on with the raters and the quality of the raters and get a good outcome)」 とコメントしています。


Q7.   自社品のEP4拮抗薬NXE’732はフェーズ1試験の結果や、今後の開発計画等の進捗、想定上市時期等をより積極的に開示できないか?(2

A7.     はい、その予定です。開発計画は既に現在のフェーズ1/2試験については開示しており、フェーズ1段階は間もなく終了し、データをお示しする予定です。フェーズ2段階は2026年の半ばに終了予定です。がん免疫療法と呼ばれる非常に大きな疾患領域になりますので、当社としてはフェーズ1終了後からライセンス交渉を開始し、フェーズ2試験結果後にライセンスを行う予定です。


Q8.   M4作動薬NBI’568が双極性障害を対象としたフェーズ3試験(原文ママ)に進むとマイルストンを受領できるか?(1)

A8.     個別のマイルストンのタイミングは開示できませんが、試験が進むタイミングでマイルストンが設定されることは一般的と考えています。 


Q9. EP4拮抗薬のベンチマークとして287億ドル(2024/キイトルーダ)と記載があるが、EP4拮抗薬の市場規模はどの程度か?(1

A9.     既存のチェックポイント阻害薬を併用し、それを強化するものですので、潜在的には非常に大きな市場が想定されます。既存のチェックポイント阻害薬はキイトルーダのみならず、オプジーボ、テセントリク、イミフィンジなどがあります。疾患としては、まずはチェックポイント阻害薬で効果が得られにくい、マイクロサテライト安定性大腸がん、胃食道がん、頭頸部がん、去勢抵抗性前立腺がんなどを対象に、効果を検証していく予定です。


Q10. ネクセラEP4拮抗薬(NXE’732)と小野薬品のEP4拮抗薬(ONO-4578)はどのような違いがあるか?(1

A10.  併用しているチェックポイント阻害薬や、対象としているがんの種類が違います。NXE’732はテセントリク(PD-L1阻害薬)との併用からスタートしていますが、ONO-4578はオプジーボ(PD-1阻害薬)との併用で試験を行っています。また、対象のがん種もONO-4578では胃がん、乳がん、膵がんなど、NXE’732の対象がん種(A9参照)とはやや異なっています。また、化合物自体も当然、違うものになります。


Q11. GLP-1作動薬はネクセラが構造解析を行ったが、いまだ収益化に至っていない。その要因と今後の対策は?(1

A11.  一般的に、医薬品が実用化するには基礎研究から1015年が必要です。ファイザー社とは、GLP-1を含む創薬提携を2015年に締結し、2023年に先行していたLotiglipron がフェーズ2試験中に中止されましたが、現在、後続のPF-06954522がフェーズ1試験を終えつつあり、順調に進めばフェーズ2試験が開始する予定です。上市に長期間が必要なこと、開発失敗のリスクがあることなどから、当社は複数のパイプラインを継続的に導出し、安定的な収益に結び付ける戦略を立てています。尚、Lotiglipronは当社の構造データを基にしていますが、ファイザー社が作成した化合物であり、具体的な失敗の理由はコメントできません。


Q12. GLP-1作動薬(PF-06954522)のフェーズ1試験の人数が減って後ろ倒しになったが、優先順位が下がっているのでは?(1

A12. 人数の減少はポジティブ・ネガティブ双方の可能性があり、現時点では何とも言えないと考えています。ポジティブな可能性としては、現在のフェーズ1試験は3本目の試験であるため、ある程度のデータ蓄積があり、少数患者でフェーズ2試験開始に十分なデータが得られたと判断された場合、また、次のステージに早く進めることを優先するため、試験を早期に切り上げるなどが考えられます。一方、ネガティブな可能性は、少数の患者で試験を打ち切るに十分なデータが得られた場合、あるいはデータによらず戦略的に開発を中止するなどが考えられます。ファイザー社の場合は自社品のDanuglipronの状況にも左右されるため、今回のアップデートのみでは状況は判断できないと考えており、引き続き当社としては状況を注視していきます。


Q13. CCR6拮抗薬は試験デザインの変更があったが、対象とする重症度の優先度が変わったのか?(1

A13. より広範の患者に対する効果を検証する目的でデザインの変更をしたと考えられます。CCR6拮抗薬のフェーズ120247月に試験デザインが変更され、中等症~重症の患者だけでなく、軽症~中等症の患者も追加されています。フェーズ2試験を見据え、どのような患者により効果がありそうかを、この段階で検証する目的で追加した可能性があると考えています。


Q14. Centessa社のORX750の成功時のロイヤリティの目安は?(1

A14. 申し訳ございませんが、ロイヤリティ率の詳細は開示できません。Centessa社(旧Orexia社)との契約は非常に早期段階で行われ、また、共同投資として当社はCentessa社の株式を受け取っていることなどを踏まえ、マイルストンやロイヤリティ率が設定されており、Centessa社のFORM10-Kで開示の通り、ロイヤリティ率は1ケタ台前半になります。一方で、当社の構造データを活用した化合物には全て権利が発生するため、ORX750だけではなく、続くORX142ORX489からも、ロイヤリティ等を受け取る権利があり、市場の大きさを考えると十二分なロイヤリティ収入が見込める提携と考えています。


Q15. GPR351年以上音沙汰無ないが進捗は?(1)

A15. 複数のパートナーとライセンス交渉を行っています。炎症性腸疾患を対象とした開発品ですが、自社で試験を行うには規模が大きく、現在はライセンスを主軸に今後の展開を考えています。


Q16. 自社パイプラインの日本・APAC地域の権利を保持しつつ、欧米の権利の導出先と協力して開発を進め、将来的にネクセラが国内で販売可能な体制にならないか?(1)

A16. 疾患領域によりますが、今後はそれをメインの開発戦略とする予定です。日本・APACの事業基盤を得たことで、日本・APACの権利を持つメリットがより一層大きくなりました。ニューロクライン社に導出しつつ、日本の権利は保持しているM1作動薬のようなディールを今後も行いたいと考えています。


Q17. mGlu5 NAMCCR6拮抗薬、MC4拮抗薬などはフェーズ1試験に約5年かかっており、2030年の上市は難しいでは?(1

A17. いずれも新規メカニズムであるため、有効性の予備的な検証などを含めた複数のフェーズ1試験により時間がかかっています。mGlu5 NAMのフェーズ2試験は約1年で終了するデザインですが、このように、フェーズ2試験以降に進めば、これまでの蓄積により一気にスピードアップすることが期待されます。


Q18. ノーベル賞のAlphaFold2がネクセラの提携プログラムにネガティブな影響があるか?(1

A18. AlphaFold2GPCRのような膜タンパクのデータを、創薬に必要な解像度で得ることはできませんので、現状はネガティブな影響はありません。AlphaFold2のようなAIが正確な予想を行うためには多くの教師データが必要ですが、GPCRは膜タンパクで既存のタンパクと特性が異なり、そもそも800種類しかなく、さらにその一部でしか構造が解かれていません。さらに、一つのGPCRがいくつもの構造をとることから、AlphaFold2のようなAIを創薬に応用することは現在できていません。仮に、GPCRに応用可能な技術が開発された場合には、いち早く対策を講じる予定です。


Q19. AI創薬の前臨床入りの目途はどうなっているのか?以前諦めたターゲットをAIなど新技術で再チャレンジをしているのか?(1)

A19. 提携から発見されたターゲットについて、早期の段階ではありますがその後の開発に進んでいます。今後、何か発表できる進捗が出てきたら皆さまにお知らせしたく思います。これらの中には、これまで困難と思われたターゲットへの挑戦も含まれています。


Q20. AIの劇的な進捗で製薬が効率化していると思うが、その恩恵をどのくらい享受しているか?(1)

A20.  AIの進展により、様々なプロセスが効率化されており、その恩恵を大いに受けています。非臨床・臨床問わず一般的なツールは勿論のこと、特に創薬段階においては自社で構築したAIを使用しており、これらによって初期の化合物の精度やスピードが向上しています。一方で、AIによる医薬品開発全体のプロセスを短縮は、規制などの影響(例えば、動物試験など従来のプロセスを現状ではスキップはできない)もあり、世間一般に宣伝されているほど顕著では無いとも考えています。


業績・株価について(15

Q21. 株価が低迷している理由をどう考えているか?また、何らかの株価対策を考えているか?(7)

A21. 明確なポテンシャルが明確にありながら、目先の利益に目を向けられてしまう市場環境を覆せない現状に、忸怩たる思いです。これらを踏まえ、投資家の皆さまとのコミュニケーションは方針を見直す予定です。当社は、M4作動薬を筆頭に数年後にブロックバスターとして上市しうる開発品を多数持つという、他の日本のバイオ企業とは一線を画す段階にありながら、目先の利益に目を向けられてしまう市場環境を覆せない現状は大変に情けなく思っています。当社の事業は確実に進捗しており、安定的な利益成長が見込めるところまであと一歩かと思いますので、それを一日も早くご報告できるよう、事業運営に当たってまいります。


Q22. 二期連続赤字・株価低迷について、経営としてどう考えているのか?(3)

A22. 赤字や現状の株価に満足はしておりませんが、買収の影響が小さくなる今期以降の成長にご期待いただければと思っております。2023-2024年は、IPJ/IPK買収による一時的な費用や、非現金支出が影響し、二期連続の赤字となりました。今期からはこの影響が小さくなり、ピヴラッツやクービビックの利益も安定的に入るようになり、買収の成果が見えてきます。当社としては、成長が皆さまの目に見える形でお示しできるよう、事業運営に当たってまいります。


Q23. なぜ業績予想を出さないのか?(2)

A23. ピヴラッツ、クービビックの売上が拡大してきてはいるものの、提携先に左右される契約一時金やマイルストンが売上げの多くを占める状況では、蓋然性の高い業績予想は依然としてお示しが難しいと考えています。当社の売上高の大部分は、契約一時金、マイルストン収入からもたらされますが、これらは提携先との交渉、提携先の開発方針、開発品の臨床試験結果など、当社ではコントロール困難な複数の要因に左右されることから、売上高を見通すことが困難であるためです。


Q24. 多くの機関投資家と会っているとのことだが、成果が上がっていないのではないか。(2)

A24. バイオ領域に特化した海外機関投資家からの問い合わせも増えてきており、着実に成果は出てきていると考えています。当社に対する認知を向上させることが大事だと考えていますので、長期的な目線で引き続き活動を続けていく予定です。


Q25. 現状の低い株価から敵対的買収の可能性も否定できないと思うが、どう考えているのか?(1)

A25. バイオ医薬品領域の一般論として、買収リスクは常にあると認識しています。一方で、大手製薬による買収は、パイプラインの獲得が主目的であることが多く、当社のプラットフォーム技術は提携という選択肢もあるため、必ずしも買収のみが選択肢にはならないと考えています。今後、自社で後期開発品を持つようになれば、買収されるリスクも上がりますが、同時に当社の企業価値も上がるため、買収ハードルも同時に上がると考えています。

 

インライセンス・後期開発品/上市品について(12

Q26. 特許期限もあるため、イドルシア社から得ているセネリモド、ルセラスタットのオプション権の行使は早い方がいいと思うが進捗は?(4

A26. セネリモドは2/28にヴィアトリス社に譲渡しました(参考)。当社は今後、ヴィアトリスからマイルストンやロイヤルティを受領することで収益を得る予定です。ヴィアトリス社は、既に日本・APAC以外の地域でセネリモドの権利を得ていましたので、パートナーとしては最適だったと考えています。特許期限については当社も同様の認識ですが、ルセラスタットは様々な戦略的な状況を踏まえ、ベストなタイミングでオプションを行使する予定です。


Q27. クービビックの一年分の原薬購入金額は、現金減少分128億のうちいくらか?(2

A27. 2412期の決算短信(P13)の通り、約59億円分になります。これは、今後の売上増加と安定供給を踏まえ、サプライチェーンを安定化させるための一時的なものです。その他の主な要因は借入金の返済(約58億円)です。


Q28. クービビックの売上のうち、製品供給とロイヤリティの内訳は?(2

A28. 契約上申し上げることができませんが、売上は製品供給の方が大きいです。当面は製品供給による利益はありませんが、2027年以降を目途に製造原価が低減されるに従って、当社の利益が増えることを見込んでいます。


Q29. 韓国でピヴラッツのデータ再提出などがあったと思うが、上市の時期見込みは?(1

A29. 現在、2025年後期から2026年初めの販売開始を見込んでいます。韓国において、保険適用の医薬品は承認から販売までに通常18カ月程度かかることに加え、ピヴラッツでは特に薬価が非常に大切ですので、その調整を綿密に行っています。


Q30. 2025年度の目標として日本・APACでのインライセンスがあるが、具体的な時期や期待している売上規模は?(1

A30. 具体的な時期は申し上げられませんが、早めに成立させたいとは考えています。一方で、いい製品を導入することが最も重要ですので、その点は妥協なく交渉を進めています。売上規模としては、少なくとも二桁後半億円の売上げが目指せる製品を考えています


Q31. イドルシア社は自社が保有するアプロシテンタンのライセンスアウトを検討しているようだが、御社内で話題となったことはあるか?(1

A31. パートナーの動向は常にウォッチしており、当社でも状況は認識しています。一方で、アプロシテンタンは基本的にグローバルの権利がライセンス対象であること、また、日本での競争環境などを踏まえてして判断を行う必要があると考えています。


Q32. ウルティブロ、シーブリの特許は2026年度以降延長されるのか。(1)

A32. はい、詳細は申し上げられませんが延長されると見込んでいます。

 

その他13

Q33. Q&A公開までに時間を要するのはなぜか?ブログの更新頻度を上げられないか?(7

A33. お時間をいただいてしまい大変申し訳ございません。限られたメンバーが全力で対処しており、可能な限り早めの公開を目指し今後も頑張ってまいります。


Q34. 専門用語が多く理解が難しく、説明会・質疑応答時間延長や創薬に関する講座の開催ができないか?(6

A34. ご意見ありがとうございます。今後の説明会運営の参考にさせていただきます。