皆様、こんばんは。IRヘッドの都築です。
ネクセラファーマの経営陣はニューヨークで開催されたジェフリーズヘルスケアカンファレンスに参加してきました。Fireside Chat、投資家との議論の内容を以下に整理しました。
要点
・肥満/代謝領域での自社パイプラインの進捗が良好、First-in-class → Best-in-classへの戦略転換が結実しつつある
・Ph2 ready の2資産(NXE'744、NXE'149)の導出契約は引き続き交渉中で年内に最低1件の成約を目指す。EP4拮抗薬(NXE'732)は他社でも良好な結果が報告され追い風
・第1四半期はコマーシャル/プラットフォームの両事業で黒字化。ロンドンにAI創薬の完全子会社を立ち上げ、強みは蓄積されたGPCRの独自データにある
1. パイプライン最注目領域は肥満/代謝領域
パイプラインでは社内・提携の両面で進捗は良好ですが、将来を見据え、最も期待を寄せるのは肥満/代謝ポートフォリオ。注射剤が支配する市場に対し、利便性・拡張性・アクセス拡大につながる経口薬を競争軸とし、GLP-1・Amylin・GIP等に注力している。独自の創薬基盤(NxStaR構造技術)により、低親和性の新規分子からでも構造情報を生成でき、構造ベース設計で1〜2サイクル・少数の合成分子で有効性を100〜1,000倍に高められた。GLP-1では主要な経口候補と構造的に異なり、結合様式が差別化され、分子複雑性も低いこと、Amylinでは複数の足場にまたがる新規候補を持つことを強みに挙げた。提携においても1QにEli Lillyとの肥満領域でマイルストンを達成しており、順調な進捗が確認できている。
2. 導出交渉は引き続き継続中、2026年中に最低1件の導出を目指す
EP4作動薬NXE'744(対象:IBD)、GPR52作動薬NXE'149(対象:統合失調症)は共にP2 readyの資産であり、導出契約締結に向けて複数社と協議中。2026年中に最低1件の契約締結を目指す。EP4拮抗薬NXE'732(対象:がん)はP2試験(胃がんを含む4がん種)をCancer Research UKが実施しており、グローバル権利は当社が保有している。EP4拮抗薬では小野薬品工業のONO-4578がASCO2026で良好なデータを発表しており、当社の今後のデータにも注目されたい。既に得られているデータでは用量制限毒性なしであり、Best-in-classの可能性がある。
3. 第1四半期業績は両事業共に黒字化を達成
第1四半期はコマーシャル事業、プラットフォーム事業ともに黒字化を達成。2026年の優先事項はIFRSベースの通期黒字化と規律あるコスト削減。2026年に導入したvamoroloneはPivlazとの販売シナジーが70%程度あり、既存体制で効率的に上市可能。2030年に向けては、売上収益500億円以上、営業利益率30%以上を掲げ、WAVE1パイプラインからのロイヤルティ流入を土台に「高成長・高収益の日本バイオファーマ」を目指す方針。
4. AI創薬(ロンドン完全子会社)の武器はこれまでに社内で蓄積された膨大なGPCRデータ
完全子会社をロンドンに設立し、新規採用に加えケンブリッジから一部研究者が異動し、2Qに稼働開始。強みは「AIそのもの」ではなくGPCR特化にあるとし、機械学習はAIブーム以前から当社プラットフォームの一部であり、現在臨床段階にある新規分子の設計にも寄与してきた。差別化要因は、構造化された独自データ(自社ウェットラボの蓄積)であり、公開データでは到達できない水準にある
5. その他のトピック
Eli LillyによるCentessa買収は、ネクセラファーマの技術で設計された分子の品質への強い裏付けであり、Eli Lillyの開発力に期待したい。日本・APAC(中国除く)向けに後期開発段階の1件以上の導入を優先。
動画を閲覧することも可能ですので、ご覧ください(Link)
引き続きよろしくお願い申し上げます。