みなさんこんばんは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。
本日5月9日(木)に2024年期第1四半期の決算を発表いたしました。また、ニューロクライン社が進めるM1作動薬のNBI-1117567のP1臨床試験開始も発表いたしました。
以下それぞれポイントを絞ってご説明いたします。
Q1決算
詳細な数字は決算短信(参考)をご覧いただきたいのですが、売上高46.1億円(昨年は9.4億円)、営業赤字30.8億円(昨年は19.6億円の赤字)となりました。ベーリンガーインゲルハイム社との新規提携や、ピヴラッツの売上により昨年に比べ収益は大幅に増えましたが、費用面でもNPJ/NPK事業関連を含め費用増となりました。
【セグメント別の売上高、営業損益・コア営業損益(決算短信:P7、コーポレートプレゼンテーション:P30)】
【ピヴラッツの薬価ベースの売上推移(コーポレートプレゼンテーション:P32)】
【1Q決算のブレークダウン(コーポレートプレゼンテーション:P31)】
対象疾患であるくも膜下出血は冬に多くなること、病院では一定の備蓄をするため使用時期と購入時期にずれがあることから、昨年と同様4Qから1Qにかけてピヴラッツの売り上げは減少しています。ただし、昨年1Qと比較すると約19%売り上げが伸びており、順調に市場に浸透していることがわかっていただけるかと思います。
また、3月にベーリンガーインゲルハイム社(BI社)との提携を発表し、契約一時金が入ったことで収益が増加しました。なお、BI社との契約一時金の総額は約41億円ですが、その一部のみを1Qの売上として計上しています。コスト面では、NPJ/NPK(旧IPJ/旧IPK)の統合関連の一時的もしくは非現金の支出が引き続き発生しているため、コア営業損益と営業損益の差が大きくなっています。
研究開発ではFormosa社のクロベタゾールプロピ
オン酸エステル点眼液 0.05%のFDA承認取得、IBD治療薬候補のGPR35作動薬の権利再取得完了、IBD治療薬候補のEP4受容体作動薬のP1開始など、収益に対する貢献は大きくはないもののいくつかの重要な進捗がありました。
M1作動薬のP1開始
昨日提携先のニューロクライン社がM1作動薬(M1 preferring agonist)であるNBI-1117567のP1開始を発表しました(ニューロクライン社のリリースはこちら)。NBI-1117567はM1/M4受容体双方に作用するものの、M1の方への選択性が高い分子であり、精神・神経疾患における認知症状の治療を目的とした化合物です。
これで当社が創出し、ニューロクライン社が臨床試験を行うムスカリン作動薬は以下の4つとなりました。
なお、以前のブログでもご説明した通り、NBI-1117567について、我々は日本での開発販売権を持っています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。