2025年3月25日火曜日

TMP-301のフェーズ2試験の開始が発表されました

 みなさんおはようございます、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

先ほどのリリースの通り、Tempero Bio社が開発するTMP-301のフェーズ2試験が開始されました。昨夜にはTempero Bio社もリリース(リンク)を出し、関連記事がEndpoint News(リンク)より出ていたので、より詳細に知りたい方はご覧ください。

要点は以下です。

  • アルコール依存症に対するフェーズ2試験を開始し、2025年末にデータが得られる予定(臨床試験情報はこちら
  • コカイン依存症については、コカインとTMP-301の相互作用を確認するフェーズ1試験を開始済みで、まもなく試験は完了予定(臨床試験情報はこちら)。
    データに問題がなければ、コカイン依存症を対象としたフェーズ2試験を今年中に始める予定で、2026年半ばには中間的なデータが取れる見込み。
  • この2つのプログラムを進めるため、Tempero Bioは70百万ドルを調達し、2027年までの資金を確保。

Endpoint Newsの記事にも書かれていますが、mGlu5受容体はコカイン依存症に対する効果があることがすでにわかっています。
Novartis社が開発していたMavoglurant(mGlu5に対する拮抗薬)は、コカイン依存症に対して効果を示したものの、特許が切れていたことや、Novartis社の重点領域から外れたことから、現在はStalicla社が開発を進めています。

なお、有効な依存症治療薬が少ないことを考えると、臨床試験の患者登録のスピードも速くなる可能性も記事の中で言及しています。今後また進捗がありましたら、みなさんにお知らせしたいと思います。

今後とも、よろしくお願いします!

2025年3月19日水曜日

ニューロクライン社のムスカリン作動薬に関するアップデート

みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

日本時間の昨日夜に、ニューロクライン社がStifel CNS Forumという会議で発表しました。ムスカリン作動薬の最新情報についても話していたので、ご説明します。
(書き起こし(英語)はこちらから確認できます)

M4作動薬
フェーズ3試験は、1. 試験デザイン、2. 試験サイトの管理、3. 患者の選別、の点で最適化をしていく、という説明がありました。

  1. 試験デザインは、20mg(実薬)とプラセボの比を1:1にし、シンプルなものにする
  2. 試験サイト数は20程度にし、厳格に管理をしていく
  3. 詳細は言及なし
試験開始が近づくとより詳細な情報が出てくると思いますので、また進捗がありましたら皆さまにお知らせします。

M1/M4デュアル作動薬
「フェーズ1試験のデータ、フェーズ2試験のデザインについては、今年後半に予定しているR&D dayで発表できる可能性がある」という発言がありました。今後の進捗に期待したいと思います。

今後とも、よろしくお願いします!

2025年3月17日月曜日

2024年12月期決算説明会のQ&A

みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

2025年2月14日(金)に決算説明会を開催いたしました。お忙しい中にもかかわらず319名の方にご参加いただきありがとうございました。

説明会中やアンケートなど、口頭・テキスト・メールなどでいただいた合計69件のご質問・ご意見・激励などのうち、重複を整理した以下の34件についてお答えいたします。(※カッコ内の数字は同様の趣旨の質問の数です)


早期開発品・提携プログラムの進捗について(29

Q1.   自社開発品について、創薬段階と前臨床開発段階のものはあるか?追加する予定はあるか?(3)

A1.     複数の開発品が基礎~前臨床の手前の段階にあります。今後の進捗に伴って、成果をお示しできればと思います。


Q2.   ベーリンガー社がGPR52作動薬NXE’149のオプション権を行使しない場合、新規の大型提携ができれば黒字化するのか?(3)

A2.     ベーリンガー社からマイルストンを受領しない場合でも、一般的な新規の契約1つでブレイクイーブン、それ以上で黒字化を見込んでいます。契約が大型になれば、ご指摘の通り1つでも黒字化する可能性があります。


Q3.   ベーリンガー社がGPR52作動薬のオプション権を行使する時期は?フェーズ2試験開始によるマイルストンの受領はあるか?(2

A3.     2025年下半期のフェーズ1b試験取得後のオプション権行使を見込んでいます。2025年下期に終了見込みのフェーズ1b試験結果を得られた後に、契約で定められた期間内にベーリンガー社はオプション権行使を判断する必要があります。個別のマイルストンのタイミングは開示できませんが、今回はオプション行使料が60百万ユーロ(約100億円)と大きく設定されています。


Q4.   武田、ジェネンテックとの提携やPAR2(ペプチド)やH4拮抗薬がパイプライン表から消えたが終了したのか?(2

A4.     提携中のものは一定段階までの開発が終了し、先方で検討中、返還手続中、または返還済みです。返還中あるいは返還済みのプログラムの多くは、プログラム自体に問題はないため、並行して他社への導出交渉や自社でのバリューアップを図っています。H4PAR2についても、適切なパートナーを探索中です。


Q5.   Glu5 NAMTMP-301)の治験開始が11月となっているが投与されたのか?フェーズ2試験開始のマイルストンは?(2

A5.  ClinicalTrials.govにおける試験開始日は最初の被験者の登録日です。マイルストンのトリガーとなるイベントの詳細は開示できませんが、早晩、進捗をお知らせできる予定です。  


Q6.   M4作動薬NBI’568のフェーズ3試験は、プラセボを抑えるためにどのような工夫がされる予定か?(2

A6.     実薬:プラセボが11のシンプルな試験デザインを組み、臨床試験サイトを厳格に管理する予定です。これは、プラセボ効果の主因である「①実薬を投与されていると思い込む」「②評価項目が主観的で医師ごとにばらつく」という2つに対処するためです。なお、投与量はフェーズ2で最も効果の高かった20mgのみとなる予定です。
「①実薬を投与されていると思い込む」については、実薬:プラセボ=11と同じ割合にすることで、実薬が多いよくある試験デザインよりも「きっと、実薬を打たれているはずだ」という思い込みを減らしプラセボを抑えます。実際、M4作動薬NBI’568のフェーズ2試験では実薬:プラセボ=21でした。フェーズ2試験も成功裏に終わりましたが、さらにそこからの改善ポイントになります。
「②評価項目が主観的で医師ごとにばらつく」に対処するため、ニューロクライン社は、自社で臨床試験を実施する各試験サイトを厳格に管理し、PANSSスコアについてもフェーズ3試験でもより医師とのコミュニケーションに力を入れることを表明しており、十二分な対策がなされる予定です。

直近のカンファレンスでも、ニューロクライン社からこれらの点について「当社はFDAと用量選択について合意しました。 最低用量となるでしょう。(We did get agreement with the FDA in terms of dose selection, which will be the lowest dose.)」 「シンプルな試験になるでしょう ~中略~ 11の無作為化、強力な施設管理、評価者と評価者の質について正確に理解し、良好な結果を得ることを確実にします。(It will be a simple trial…one-to-one randomization, strong site control, making sure that we understand exactly what's going on with the raters and the quality of the raters and get a good outcome)」 とコメントしています。


Q7.   自社品のEP4拮抗薬NXE’732はフェーズ1試験の結果や、今後の開発計画等の進捗、想定上市時期等をより積極的に開示できないか?(2

A7.     はい、その予定です。開発計画は既に現在のフェーズ1/2試験については開示しており、フェーズ1段階は間もなく終了し、データをお示しする予定です。フェーズ2段階は2026年の半ばに終了予定です。がん免疫療法と呼ばれる非常に大きな疾患領域になりますので、当社としてはフェーズ1終了後からライセンス交渉を開始し、フェーズ2試験結果後にライセンスを行う予定です。


Q8.   M4作動薬NBI’568が双極性障害を対象としたフェーズ3試験(原文ママ)に進むとマイルストンを受領できるか?(1)

A8.     個別のマイルストンのタイミングは開示できませんが、試験が進むタイミングでマイルストンが設定されることは一般的と考えています。 


Q9. EP4拮抗薬のベンチマークとして287億ドル(2024/キイトルーダ)と記載があるが、EP4拮抗薬の市場規模はどの程度か?(1

A9.     既存のチェックポイント阻害薬を併用し、それを強化するものですので、潜在的には非常に大きな市場が想定されます。既存のチェックポイント阻害薬はキイトルーダのみならず、オプジーボ、テセントリク、イミフィンジなどがあります。疾患としては、まずはチェックポイント阻害薬で効果が得られにくい、マイクロサテライト安定性大腸がん、胃食道がん、頭頸部がん、去勢抵抗性前立腺がんなどを対象に、効果を検証していく予定です。


Q10. ネクセラEP4拮抗薬(NXE’732)と小野薬品のEP4拮抗薬(ONO-4578)はどのような違いがあるか?(1

A10.  併用しているチェックポイント阻害薬や、対象としているがんの種類が違います。NXE’732はテセントリク(PD-L1阻害薬)との併用からスタートしていますが、ONO-4578はオプジーボ(PD-1阻害薬)との併用で試験を行っています。また、対象のがん種もONO-4578では胃がん、乳がん、膵がんなど、NXE’732の対象がん種(A9参照)とはやや異なっています。また、化合物自体も当然、違うものになります。


Q11. GLP-1作動薬はネクセラが構造解析を行ったが、いまだ収益化に至っていない。その要因と今後の対策は?(1

A11.  一般的に、医薬品が実用化するには基礎研究から1015年が必要です。ファイザー社とは、GLP-1を含む創薬提携を2015年に締結し、2023年に先行していたLotiglipron がフェーズ2試験中に中止されましたが、現在、後続のPF-06954522がフェーズ1試験を終えつつあり、順調に進めばフェーズ2試験が開始する予定です。上市に長期間が必要なこと、開発失敗のリスクがあることなどから、当社は複数のパイプラインを継続的に導出し、安定的な収益に結び付ける戦略を立てています。尚、Lotiglipronは当社の構造データを基にしていますが、ファイザー社が作成した化合物であり、具体的な失敗の理由はコメントできません。


Q12. GLP-1作動薬(PF-06954522)のフェーズ1試験の人数が減って後ろ倒しになったが、優先順位が下がっているのでは?(1

A12. 人数の減少はポジティブ・ネガティブ双方の可能性があり、現時点では何とも言えないと考えています。ポジティブな可能性としては、現在のフェーズ1試験は3本目の試験であるため、ある程度のデータ蓄積があり、少数患者でフェーズ2試験開始に十分なデータが得られたと判断された場合、また、次のステージに早く進めることを優先するため、試験を早期に切り上げるなどが考えられます。一方、ネガティブな可能性は、少数の患者で試験を打ち切るに十分なデータが得られた場合、あるいはデータによらず戦略的に開発を中止するなどが考えられます。ファイザー社の場合は自社品のDanuglipronの状況にも左右されるため、今回のアップデートのみでは状況は判断できないと考えており、引き続き当社としては状況を注視していきます。


Q13. CCR6拮抗薬は試験デザインの変更があったが、対象とする重症度の優先度が変わったのか?(1

A13. より広範の患者に対する効果を検証する目的でデザインの変更をしたと考えられます。CCR6拮抗薬のフェーズ120247月に試験デザインが変更され、中等症~重症の患者だけでなく、軽症~中等症の患者も追加されています。フェーズ2試験を見据え、どのような患者により効果がありそうかを、この段階で検証する目的で追加した可能性があると考えています。


Q14. Centessa社のORX750の成功時のロイヤリティの目安は?(1

A14. 申し訳ございませんが、ロイヤリティ率の詳細は開示できません。Centessa社(旧Orexia社)との契約は非常に早期段階で行われ、また、共同投資として当社はCentessa社の株式を受け取っていることなどを踏まえ、マイルストンやロイヤリティ率が設定されており、Centessa社のFORM10-Kで開示の通り、ロイヤリティ率は1ケタ台前半になります。一方で、当社の構造データを活用した化合物には全て権利が発生するため、ORX750だけではなく、続くORX142ORX489からも、ロイヤリティ等を受け取る権利があり、市場の大きさを考えると十二分なロイヤリティ収入が見込める提携と考えています。


Q15. GPR351年以上音沙汰無ないが進捗は?(1)

A15. 複数のパートナーとライセンス交渉を行っています。炎症性腸疾患を対象とした開発品ですが、自社で試験を行うには規模が大きく、現在はライセンスを主軸に今後の展開を考えています。


Q16. 自社パイプラインの日本・APAC地域の権利を保持しつつ、欧米の権利の導出先と協力して開発を進め、将来的にネクセラが国内で販売可能な体制にならないか?(1)

A16. 疾患領域によりますが、今後はそれをメインの開発戦略とする予定です。日本・APACの事業基盤を得たことで、日本・APACの権利を持つメリットがより一層大きくなりました。ニューロクライン社に導出しつつ、日本の権利は保持しているM1作動薬のようなディールを今後も行いたいと考えています。


Q17. mGlu5 NAMCCR6拮抗薬、MC4拮抗薬などはフェーズ1試験に約5年かかっており、2030年の上市は難しいでは?(1

A17. いずれも新規メカニズムであるため、有効性の予備的な検証などを含めた複数のフェーズ1試験により時間がかかっています。mGlu5 NAMのフェーズ2試験は約1年で終了するデザインですが、このように、フェーズ2試験以降に進めば、これまでの蓄積により一気にスピードアップすることが期待されます。


Q18. ノーベル賞のAlphaFold2がネクセラの提携プログラムにネガティブな影響があるか?(1

A18. AlphaFold2GPCRのような膜タンパクのデータを、創薬に必要な解像度で得ることはできませんので、現状はネガティブな影響はありません。AlphaFold2のようなAIが正確な予想を行うためには多くの教師データが必要ですが、GPCRは膜タンパクで既存のタンパクと特性が異なり、そもそも800種類しかなく、さらにその一部でしか構造が解かれていません。さらに、一つのGPCRがいくつもの構造をとることから、AlphaFold2のようなAIを創薬に応用することは現在できていません。仮に、GPCRに応用可能な技術が開発された場合には、いち早く対策を講じる予定です。


Q19. AI創薬の前臨床入りの目途はどうなっているのか?以前諦めたターゲットをAIなど新技術で再チャレンジをしているのか?(1)

A19. 提携から発見されたターゲットについて、早期の段階ではありますがその後の開発に進んでいます。今後、何か発表できる進捗が出てきたら皆さまにお知らせしたく思います。これらの中には、これまで困難と思われたターゲットへの挑戦も含まれています。


Q20. AIの劇的な進捗で製薬が効率化していると思うが、その恩恵をどのくらい享受しているか?(1)

A20.  AIの進展により、様々なプロセスが効率化されており、その恩恵を大いに受けています。非臨床・臨床問わず一般的なツールは勿論のこと、特に創薬段階においては自社で構築したAIを使用しており、これらによって初期の化合物の精度やスピードが向上しています。一方で、AIによる医薬品開発全体のプロセスを短縮は、規制などの影響(例えば、動物試験など従来のプロセスを現状ではスキップはできない)もあり、世間一般に宣伝されているほど顕著では無いとも考えています。


業績・株価について(15

Q21. 株価が低迷している理由をどう考えているか?また、何らかの株価対策を考えているか?(7)

A21. 明確なポテンシャルが明確にありながら、目先の利益に目を向けられてしまう市場環境を覆せない現状に、忸怩たる思いです。これらを踏まえ、投資家の皆さまとのコミュニケーションは方針を見直す予定です。当社は、M4作動薬を筆頭に数年後にブロックバスターとして上市しうる開発品を多数持つという、他の日本のバイオ企業とは一線を画す段階にありながら、目先の利益に目を向けられてしまう市場環境を覆せない現状は大変に情けなく思っています。当社の事業は確実に進捗しており、安定的な利益成長が見込めるところまであと一歩かと思いますので、それを一日も早くご報告できるよう、事業運営に当たってまいります。


Q22. 二期連続赤字・株価低迷について、経営としてどう考えているのか?(3)

A22. 赤字や現状の株価に満足はしておりませんが、買収の影響が小さくなる今期以降の成長にご期待いただければと思っております。2023-2024年は、IPJ/IPK買収による一時的な費用や、非現金支出が影響し、二期連続の赤字となりました。今期からはこの影響が小さくなり、ピヴラッツやクービビックの利益も安定的に入るようになり、買収の成果が見えてきます。当社としては、成長が皆さまの目に見える形でお示しできるよう、事業運営に当たってまいります。


Q23. なぜ業績予想を出さないのか?(2)

A23. ピヴラッツ、クービビックの売上が拡大してきてはいるものの、提携先に左右される契約一時金やマイルストンが売上げの多くを占める状況では、蓋然性の高い業績予想は依然としてお示しが難しいと考えています。当社の売上高の大部分は、契約一時金、マイルストン収入からもたらされますが、これらは提携先との交渉、提携先の開発方針、開発品の臨床試験結果など、当社ではコントロール困難な複数の要因に左右されることから、売上高を見通すことが困難であるためです。


Q24. 多くの機関投資家と会っているとのことだが、成果が上がっていないのではないか。(2)

A24. バイオ領域に特化した海外機関投資家からの問い合わせも増えてきており、着実に成果は出てきていると考えています。当社に対する認知を向上させることが大事だと考えていますので、長期的な目線で引き続き活動を続けていく予定です。


Q25. 現状の低い株価から敵対的買収の可能性も否定できないと思うが、どう考えているのか?(1)

A25. バイオ医薬品領域の一般論として、買収リスクは常にあると認識しています。一方で、大手製薬による買収は、パイプラインの獲得が主目的であることが多く、当社のプラットフォーム技術は提携という選択肢もあるため、必ずしも買収のみが選択肢にはならないと考えています。今後、自社で後期開発品を持つようになれば、買収されるリスクも上がりますが、同時に当社の企業価値も上がるため、買収ハードルも同時に上がると考えています。

 

インライセンス・後期開発品/上市品について(12

Q26. 特許期限もあるため、イドルシア社から得ているセネリモド、ルセラスタットのオプション権の行使は早い方がいいと思うが進捗は?(4

A26. セネリモドは2/28にヴィアトリス社に譲渡しました(参考)。当社は今後、ヴィアトリスからマイルストンやロイヤルティを受領することで収益を得る予定です。ヴィアトリス社は、既に日本・APAC以外の地域でセネリモドの権利を得ていましたので、パートナーとしては最適だったと考えています。特許期限については当社も同様の認識ですが、ルセラスタットは様々な戦略的な状況を踏まえ、ベストなタイミングでオプションを行使する予定です。


Q27. クービビックの一年分の原薬購入金額は、現金減少分128億のうちいくらか?(2

A27. 2412期の決算短信(P13)の通り、約59億円分になります。これは、今後の売上増加と安定供給を踏まえ、サプライチェーンを安定化させるための一時的なものです。その他の主な要因は借入金の返済(約58億円)です。


Q28. クービビックの売上のうち、製品供給とロイヤリティの内訳は?(2

A28. 契約上申し上げることができませんが、売上は製品供給の方が大きいです。当面は製品供給による利益はありませんが、2027年以降を目途に製造原価が低減されるに従って、当社の利益が増えることを見込んでいます。


Q29. 韓国でピヴラッツのデータ再提出などがあったと思うが、上市の時期見込みは?(1

A29. 現在、2025年後期から2026年初めの販売開始を見込んでいます。韓国において、保険適用の医薬品は承認から販売までに通常18カ月程度かかることに加え、ピヴラッツでは特に薬価が非常に大切ですので、その調整を綿密に行っています。


Q30. 2025年度の目標として日本・APACでのインライセンスがあるが、具体的な時期や期待している売上規模は?(1

A30. 具体的な時期は申し上げられませんが、早めに成立させたいとは考えています。一方で、いい製品を導入することが最も重要ですので、その点は妥協なく交渉を進めています。売上規模としては、少なくとも二桁後半億円の売上げが目指せる製品を考えています


Q31. イドルシア社は自社が保有するアプロシテンタンのライセンスアウトを検討しているようだが、御社内で話題となったことはあるか?(1

A31. パートナーの動向は常にウォッチしており、当社でも状況は認識しています。一方で、アプロシテンタンは基本的にグローバルの権利がライセンス対象であること、また、日本での競争環境などを踏まえてして判断を行う必要があると考えています。


Q32. ウルティブロ、シーブリの特許は2026年度以降延長されるのか。(1)

A32. はい、詳細は申し上げられませんが延長されると見込んでいます。

 

その他13

Q33. Q&A公開までに時間を要するのはなぜか?ブログの更新頻度を上げられないか?(7

A33. お時間をいただいてしまい大変申し訳ございません。限られたメンバーが全力で対処しており、可能な限り早めの公開を目指し今後も頑張ってまいります。


Q34. 専門用語が多く理解が難しく、説明会・質疑応答時間延長や創薬に関する講座の開催ができないか?(6

A34. ご意見ありがとうございます。今後の説明会運営の参考にさせていただきます。

11/6 R&D day、11/14個人投資家説明会 Q&A

みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

2024年11月6日(水)にR&D dayを開催いたしました。お忙しい中にもかかわらず、201名の方にご参加いただきました。

また、2024年11月14日(木)に開催した個人投資家説明会には154名のにご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

お返事が大変に遅くなりまして恐縮ですが、説明会中やアンケートなど、口頭・テキスト・メールなどでいただいた合計95件のご質問・ご意見・激励などのうち、重複を整理した以下の50件についてお答えいたします。(※カッコ内の数字は同様の趣旨の質問の数です)


早期開発品・提携プログラムについて(27

Q1. 近頃発表したAntiverse社との提携と20221月のVerily社との提携の違いは? 2

A1.  Antiverse社との提携は、特定のGPCRを標的とした抗体を作製することが目的です。一方、Verily社との提携は、疾患の分析を通じて標的GPCRを見つけることが目的です。創薬には、標的の発見分子設計最適化 という工程があり、当社は各工程での補完を目的に提携を活用し、効率化を進めています。


Q2. Verily社との提携は発表後約2年が経過するが、進捗しているのか? 2

A2.  提携から発見されたターゲットについて、アーリーですがその後の開発に進んでいます。今後、何か発表できる進捗が出てきたら皆さまにお知らせしたく思います。


Q3. AI創薬に関して、エヌビディア社などの大手との提携可能性はあるのか。(2

A3. エヌビディア社等との提携の可能性はありますが、現在、積極的に検討しているわけではありません。同社の創薬AIツールが当社のプロセスに活用できる場合、提携も選択肢の一つになります。


Q4. M1受容体作動薬の日本での開発に関する進捗はどうなっているか?(2

A4. 今後Ph1試験結果やその後の開発計画が出てきたら具体的な方向性を決定していくと考えています。日本でのPh1試験の必要性も、データをもとに個別に相談する必要があるため、ニューロクライン社とも議論しながら進めていく予定です。


Q5. ニューロクライン社はこれまでもムスカリン作動薬ポートフォリオの開発に力を入れてきたと思うが、M4受容体作動薬のPOC取得により優先度が更に上がった印象はあるか?また、これにより日本国内で自社開発を予定しているM1受容体作動薬の治験デザインに影響があるのか教えて欲しい。(1

A5. ムスカリン作動薬ポートフォリオの優先度は確実に高まったと考えています。20251月のカンファレンスでニューロクライン社が発表した通り(参考)、M4作動薬のPh3試験に加えて、M4とM1/M4作動薬で1つずつ、合計2つの新たなPh2試験を進めることを発表しました。今後、認知症など新たな疾患への適応拡大も含めて、ムスカリン作動薬ポートフォリオのさらに注力していくと考えています。日本国内での開発に関しては、ムスカリ作動薬ポートフォリオのデータを見ながら最適なデザインを検討していきます。


Q6. M4受容体作動薬において差別化ポイントや創薬段階の工夫があれば教えてほしい。(1

A6. 既存薬に見られる副作用を抑えつつ、特定の分子の有無に依存せず、単体で作用する設計が特徴です。ニューロクライン社のM4作動薬(NBI-‘568)は、M4のみに作用することで副作用を低減しつつ、生体内リガンドを必要としないため、安定的に効果を示すことが期待されます。これらは自社のIT創薬プラットフォームで、ターゲットの構造情報を基に創薬を行っている、当社の特徴です。


Q7. ニューロクライン社に導出している化合物は、いずれも用量依存性はないか?(1

A7. 現時点ではPh1試験が完了しておらず、判断できません。試験結果が出次第お知らせします。


Q8. 統合失調症において、薬剤がM1受容体にも作用する方がより効果が高まるか?(1

A8. 効果が高まる可能性はあります。M1受容体は特に統合失調症の認知症状の改善に関与すると考えられます。ただ、精神症状(陰性症状・陽性症状)に対する影響は限定的と考えています。


Q9. M4受容体作動薬以降のムスカリンポートフォリオについては、Allergan社との提携では最初の3つの化合物までマイルストンを受領できることになっていたが、ニューロクライン社との提携ではどうか?(1

A9. 化合物ごとにマイルストンを設定していますので、個々の開発品の進捗に応じてマイルストンが入ってきます。一方で、マイルストン達成のための条件は細かく設定されているため、例えば臨床試験が開始した段階では発生しない場合もあります。


Q10. EP4受容体拮抗薬は将来的に導出する意向だと思うが、現在興味を示している、あるいは導出交渉中の製薬会社はあるか?(1

A10. これまでも複数の企業が興味を示してきています。今後、何らかの進捗があればお知らせいたします。


Q11. EP4受容体拮抗薬について、Q&ACRUKにわずかなロイヤリティが発生するとの回答があったが、Nxeraが支払うのか、あるいは受領するという意味か?(1

A11. 上市後に、販売額に応じて当社がCRUKに支払いをすることになります。


Q12. EP4受容体拮抗薬について、成功確率、導出時期などについて教えてほしい。(1

A12.  成功確率・導出時期共に確実なことは言えませんが、現在、ほぼ完了しているフェーズ1試験からは手ごたえを得ています。今後、これらの結果を発表させていただく予定です。


Q13. GLP-1受容体作動薬の将来性は非常に高い一方で開発の進捗が見えない。開発元のPfizer社へ何か働きかけているのか?(1

A13. 開発は順調に進捗していると理解しています。現時点で当社からの働きかけは行っていませんが、これはファイザー社との提携は、例えばニューロクライン社などとの契約とは異なり、基礎段階に限定されているためです。


Q14. GPR52受容体作動薬は順調に進捗しているのか?(1

A14. GPR52の開発は順調に進捗しており、現在の予定では2025年末までに現在の臨床試験の終了を見込んでいます。その後、契約上の一定期間内にベーリンガーインゲルハイム社のオプション権が行使されることを期待しています。


Q15. 前臨床段階の自社開発品がここ数年間出てきていないが、競争上伏せているのか、あるいは開発自体がされてないのか?(1

A15. 戦略上公開していない面と、以前よりもプログラムを絞っている面の、両面があります。現在、3つの自社品でフェーズ1b~2a試験を実施していますが、これらは以前よりコストがかかりますので、研究開発費を適正にコントロールするためです。


Q16.   以前、前臨床化合物を年間2つ創出すると目標を立てていたが、現在はその目標は変わったのか?(1)

A16. 今後も定期的な開発品の創出を目指していますが、A15の背景からも、現在は定量的な目標はお示ししていません。社内的には一定の目標がありますが、数を求めるだけでなく質の高いプログラムを推進するようにしています。


Q17. Centessa社が開発中のオレキシン受容体作動薬ORX149ORX489のマイルストンとロイヤリティ率について、ORX750と同条件となるのか?ロイヤリティ率についてはCentessa社のForm 10-Qで1桁台前半となっているが具体的にはどの程度か?(1

A17. ロイヤリティ率はどのプログラムも同じ条件で設定しています。また、ご指摘の通りCentessa社はForm 10-Qで「一桁台前半のロイヤリティ率」であることを開示していますが、具体的な数字の開示は差し控えさせていただきます参考)。


Q18. 自社で開発を継続しないと決めたパイプラインが何年もパイプライン表に残っているが、進捗がないプログラムを削除しない理由は何か?(1

A18. 当社がプログラムを持っていることを示し、提携の可能性を探るために残しています。提携の可能性がなくなったものに関しては、今後削除を予定しています。一方、これらは参考資料にとどめており、資料本編の「主なパイプライン」には、アクティブなもののみが記載されていますので、主にこちらをご参照下さい。


Q19. 一般論で構わないが、第Ⅰ相試験での最初の患者への投与でマイルストンが発生しない場合、第Ⅰ相試験に関連したマイルストンが発生するとしたら、どのタイミングが考えられるか?(1

A19.  例えばPh1bへの移行時や、Ph1試験終了後時、実施施設数などで一定の要件を満たしたときなどが考えられます。


Q20. 202310月にPharmEnable社との創薬技術提携で二番目の新規リード化合物創出に向けて提携を拡大しているが、先方のパイプライン表では以前記載があった開発コードが変わっている。最初の品目の開発は中止されたのか?(1

A20. 申し訳ございませんが、現時点で詳細を申し上げることはできません。一般的にパイプライン表からの削除されるのは、①開発が中止された場合、②開発の権利が他社に移った場合、などが考えられます。


Q21. Kymabとの提携ではKY1051以外にもう一品目パイプラインがあったと思うが、そちらの開発は進捗しているのか?(1

A21.こちらの開発は現時点では大きく進んでいません。 


Q22. ファイザー社との提携で、開発が進んでいる3品目以外のターゲットやCGRPについては進捗していないが、これらについては返還されないのか?(1

A22. 開発をしなかったターゲットに関しては、一部当社にも返還をされています。一方で、これらを積極的に開発するかどうかは市場の魅力度にも依存するため、必ずしも開発プログラムとして前面に出ないという背景があります。


Q23. Antiverse社との提携では成果に応じてNxeraが一時金や研究資金、マイルストンを支払う側になっているが、現在の状況下でやる理由は何か。(1)

A23. 将来の収益源確保のための研究開発投資の一つであるため、株価・業績に関わらず行うべき投資だと考えています。Antiverse社との提携では成果に応じて支払いが発生しますが、通常後期開発になるほど大きなマイルストンが設定されています。そのため、直近の支払いは大きくなりません。


業績・株価対策について(27

Q24. これまで、自社でコントロールできないマイルストン収入が売上の大きな割合を占めることから、業績予想が出せないと説明されてきたが、ピヴラッツやクービビックの売上など今後安定的な収入が見込めるので、ある程度の売上予想をだせるのではないか? 数値目標を明示した中期経営計画を出すことはできないか?(9)

A24. ご指摘の通り、製品売上のガイダンスは出せますので今後も出す予定です。中長期の業績の目安もお示ししたいと思っています。一方で、契約一時金とマイルストン収入について、足元のガイダンスを出すのは、パートナーとの交渉力やそもそもの確度の点からも、難しいと考えています。


Q25. 豊富なパイプラインなど技術があるのに株価ベースで企業価値が成長しておらず、市場評価が見合っていないと感じる。現在の株価に対する評価と今後の意気込みについて、会社としての考えを聞きたい(5

A25. 当社経営陣も大きな課題と感じており、株価向上に向けた施策を打って行きたいと考えています。客観的にも主観的にも、世界レベルのバイオ企業になりえる、数少ない国内バイオ企業の一社と自負していますので、現在の株価は不当であり、到底満足できるものではありません。


Q26. 役員報酬はどのように決めているのか?株価下落による調整はあるのか?(4)

A26. 役員報酬は報酬委員会が、会社のパフォーマンス、個人評価、居住国、同規模の他社の報酬水準のベンチマークなどから複合的に決定しています。株価の影響は直接的(評価面)・間接的(受領株式の価値変動)の両面から受けることになります。


Q27. 買収されるリスクをどのように考えているのか?(3)

A27. バイオ医薬品企業の一般論として、買収リスクは常にあると考えられています。ただ、当社は提携モデルを志向しているため、買い手にとっては買収までせずとも提携の選択肢が生まれますので、必ずしも買収リスクが高いとは考えていません。一方で、今後自社で後期開発品を持つようになれば、買収されるリスクも上がりますが、その際は当社の企業価値(≒買収ハードル)も、同時に上がると考えています


Q28. ぺプチドリームやGNIが黒字決算で株価が好調という事実があるので、純粋な営業利益で黒字目標を立てられないか。(3)

A28. IFRSベースでの黒字化はできる限り早い段階での達成を目指しています。当社も黒字の重要性は認識しており、今後もIFRSベースでの黒字化を目指していきます。当社が発表するコア営業利益も、現金残高を見積もるにあたり重要な指標となるため、当社としては引き続き重視していく予定です。


Q29. 2030年の売上目標500億円には、契約一時金やマイルストン収入は含まれているのか?(2

A29. 保守的な見積もりとして100-150億円が含まれています。詳細は以下のスライドをご参照ください。


Q30.   何故株式市場からネクセラは評価されていないのか?(1

A30. 市場の全体トレンド、利益を重視する日本市場の特性など、足元では複数の要因があると考えています。現在の重層的なパイプラインの進捗と上市、製品売上高の増加、新規提携などによって、世界レベルのバイオ企業へと成長していくことが明確になれば、大きな転換点を迎えると確信しています。

 


インライセンス・後期開発品/上市品について(16

Q31. ピーク売上高200億円、ロイヤリティ収入40億円との説明があったが、DORA市場でベストインクラスを目指すのであれば、現在のデエビゴの売上高が440億円、ベルソムラが250億円という点を考慮すれば、最低でも売上300億円以上でないと不満なのではないか?期待値を教えてほしい。(3

A31. 売上目標は塩野義製薬の発表のため、当社からのコメントは控えさせていただきます。なお、「200億円」というのは「競合品の売上(だいたい200400億円前後)が1のゴールになる」と発言されている通り(参考)、200億円よりも上が含まれると考えられます。当社のロイヤリティ収入も「40億円以上」と申し上げている通り、40億円より大きな収入となることも十分あり得ます。


Q32. R&D DayにおけるCEOの発言から、クービビックの塩野義製薬からのロイヤリティ率は20%と認識しているがよろしいか?(2

A32. 契約上明言はできませんので、回答は差し控えさせていただきます。一般的なライセンス契約としては、販売直前での契約でしたので、ご指摘のロイヤリティ率は妥当な範囲とは考えます。


Q33. クービビックの12月の発売の際にマイルストンを受領したのか?(2

A33. 申し訳ございませんが、発売の際にマイルストンを受領したかは契約上申し上げることはできませんが、すでに発表した短信の通り、昨年のクービビック関連の売り上げの中に何かしらのマイルストンは含まれています。


Q34. 複数のライセンス導入または製品獲得を交渉中とのことだが、原資は手元資金の範囲内で行う想定か?現状の低迷する株価での増資は避けるべきであると考えるが、新規資金を調達してでも導入または製品獲得を目指すのか?(2

A34. 基本的に手元資金で賄う予定ですが、パートナーと共同での導入となればその限りではありません。当社は常に、外部の力も借りつつ最適なスキームを模索しています。新規の株式発行を伴う資金調達を特定の製品導入のために行うことは、そもそもタイミング的にも調整が非常に難しく、考えていません。


Q35. ピヴラッツの適応拡大を協議中とのことだが、特許期間の延長が狙いか?(1

A35. 特許延長の側面に加え、脳血管領域における当社のプレゼンスをより強固にするためにも実施しています。適応が拡大することで、その適応において特許期間が延長されることも一つの理由ですが、より広い疾患に使われることでシェアがより強固になる可能性もあります。


Q36. ピヴラッツについて、第3四半期に患者数減少に伴う在庫増により想定よりも売上が減少しているが、市場規模自体が小さいこともあり、右肩上がりを想定していた発売直後の製品が、今がピークで今後右肩下がりになる懸念はないか?(1

A36. シェアがまだ伸びる余地があることから、今から右肩下がりになる可能性は低いと考えています。くも膜下出血は年間約3万人が発症する一般的な疾患であることから、今後数年で大きく患者数が減ることはあまり考えにくいです。また、現在医療アクセスなどが原因で薬を使えていない患者さまにも普及させるために、小さな病院・クリニックへの浸透を進めています。今までのような急激な伸びは期待できませんが、今後も売上を拡大していく予定です。


Q37. くも膜下出血の発症数が減っているのは温暖化と関係があるか?(1

A37. 温暖化が一因とも言われていますが、明確なことは分かりません。くも膜下出血は脳動脈瘤と言われる血管のこぶが破裂することで発症します。破裂のきっかけは様々ですが、例えば温度差が大きいと血管の伸縮・弛緩が活発になるため、破裂しやすくなると言われています。


Q38. クービビックのAPACでの独占販売権の期間は日本の場合と同じか?(1

A38. 特許期間の延長の条件が国によって異なる可能性があるため、日本と同じとなるとは限りません。クービビックの特許はAPAC地域でも有効ですが、一部の国では医薬品を販売することによって期間を延長することが可能です。この要件は国によって異なることから、独占販売が終了する時期も早まる(もしくは遅くなる)可能性もあります。


Q39. セネリモド、ルセラスタットのオプション権行使の状況について教えてください(1

A39. セネリモドは2/28にヴィアトリス社に譲渡しました(参考)。ルセラスタットは様々な戦略的な状況を踏まえ、ベストなタイミングでオプションを行使する予定です。


Q40. 導入について、日本での販路拡大については大手医薬品メーカーが優位だと思うが、交渉にあたってのNxeraの優位性は何か?また、ピーク売上高150500億円の可能性がある候補品をターゲットにしているとのことだが、目標の利益率はあるのか?(1

A40. 競合他社と比較して、特定の領域にこだわっていないこと、また少数精鋭で柔軟に動けることが強みだと考えています。多くの製薬企業は注力している疾患領域があり、注力領域外の開発品は導入の検討対象に入らないことが多いです。当社は領域にこだわらず、利益率が高く売り上げも見込めるものを選定しており、大手製薬が導入できないものも柔軟に検討し、導入できる強みがあります。全社の利益率を2030年には30%以上にすることを目指しているため、製品個別の利益率はできる限り高くなるものを選定しています。


Q41. 今後の国内臨床開発を行う品目はどういったものを想定しているのか? (1)

A41. 希少疾患の治療薬や、大病院で多く使用される治療薬を中心に検討しています。希少疾患はアンメットニーズが高いうえ、患者さまが一部の病院に集約していることが多いため、営業組織をコンパクトにすることができます。同様に、大病院で多く使用される治療薬も営業組織をコンパクトにすることができるため候補にしています。これ以外にも当社ではいくつか候補領域を設定して検討しています。


ビジョン・経営の方針について11

Q42. 2030年のビジョンとして売上500億円とあるが、利益の想定は?また、売上500億円では、以前の「時価総額で国内製薬上位15社」という目標は達成できないのではないか?(4

A42. 高成長、高利益率という状況下での、ロイヤルティを除いた売上高が500億円と考えていますので、時価総額で国内製薬上位15社以内は十分達成できると考えています。詳細はA29もご参照いただければと思いますが、製薬業界の平均PERが約20倍であることを考慮すれば、これからの成長・利益率の向上により達成可能と考えています。当然、パートナー次第ですが、ロイヤルティが上乗せされれば、さらに上位を狙えると考えています。


Q43. 2030年の売上目標(500億円)に提携パイプラインの価値を含めるとどれくらいの時価総額を達成可能と考えている?(3)

A43. 提携パイプラインの価値に大きく依存しますが、M4作動薬のみを考えたとしても、フェーズ3試験が成功した場合、ピーク時の売上高は約5,000億円、ロイヤルティが10%と見積もっても500億円が純粋な利益となりますので、そのインパクトは計り知れない大きさになると想定しています。


Q44. 韓国以外のAPACに向けた戦略は?(2

A44. 台湾についてはHollingとの提携を2/28に発表しました(参考)。今後、他地域での提携もでき次第、順次発表していきたいと思っています。


Q45. ナスダック上場は当面考えていないとのことだが、ネクセラUKを単独でナスダックに上場させて資金調達すれば開発を加速できるのではないか?その可能性はあるか?(2

A45. 現在は検討していませんが、今後の市場環境などによって可能性はゼロではありません。企業として最適な市場を選択するということは、常に考慮に入れています。


イベント・情報公開について(14

Q46. 説明の時間よりも、Q&Aの時間を長めにとってほしい。(5

A46. ご意見ありがとうございます。今後の説明会運営の参考にさせていただきます。なお、説明会に関しては当社をご存じでない方も対象としておりますので、基本的な内容も必要であることはご了承いただければと思います。


Q47. 毎回Q&Aの公開が遅いのでもっと早くしてほしい。(5

A47. お時間をいただいてしまい大変申し訳ございません。今後もできる限り早めの公開を目指し今後も頑張ってまいります。


Q48.  ネクセラの技術がどのように会社の収益につながるのか、各パイプラインの市場規模や開発品の優位性はどのような点か。(2

A48. 当社技術を用いることで精密な医薬品デザインが可能となり、有効性および安全性で優位性を持つ医薬品を創出できることが強みです。M4作動薬(NBI-‘568)がいい例ですが、すでに上市されているCobenfyKaruna/BMS)と同等の有効性を発揮し、有害事象の頻度は低い可能性が示されています。このように、当社の開発品は有効性・安全性で見てもベストインクラスを目指せるものとなっており、後発でも市場シェアを大きく取れる可能性があります。売り上げが伸びると、最終的に当社のロイヤリティ収入として入ってきて収益への貢献につながります。なお、各パイプラインの市場規模についてはプレゼンテーションの補足資料に載せています。


Q49. CFOBIO Japanセミナーなどで講演しているが、どのような狙いで参加しているのか?(1)

A49. 当社の認知度向上に加え、事業提携の機会探索も目的としています。20244月にネクセラファーマにブランド変更をしましたが、製薬業界でもいまだ「そーせい」のイメージが強く残っていることから、製薬業界内でも新ブランドを浸透させる必要があると感じています。


Q50. Q&Aで挙手の方ばかりでなく、テキストでの質問に対しても、積極的に答えて頂きたかった。

A50. ご意見ありがとうございます。今後の運営において改善させていただきます。