2022年10月28日金曜日

ニューロクライン社がM4作動薬のP2試験開始を発表

みなさんおはようございます。CFOの野村です。

先ほどリリースの通り、昨年11月に我々からニューロクライン社に導出していたM4作動薬(NBI-1117568、適応:統合失調症)のPh2試験の最初の被験者への投与が、日本時間の昨夜にニューロクライン社から発表されました(こちら)。

M4作動薬は、今年8月には新薬臨床試験開始申請(IND)がFDAに受理され、試験開始の準備が整ったことを発表していましたが(こちら)、今回はそこから一歩進み、実際に投与が開始されたことをお知らせするものです。我々は8月に既に30百万ドル(約40億円)のマイルストンを受け取っていますので、今回、追加でのマイルストンはありませんが、順調な試験進捗を喜んでいます。

試験デザインはこちらで公表されていますが、約200名の統合失調症を患う成人を対象とし、米国内の15施設で実施される、プラセボ対照のPh2試験です。尚、同じく開発中の、他のM4をターゲットとした開発品のPh2試験時点でのデザインの比較は、以下の通りです。

開発品投与方法開発段階参加者適応症参照
NBI-1117568経口(1日1回)フェーズ2試験213名統合失調症NCT05545111
KarXT経口(1日2回)フェーズ2試験182名統合失調症NCT03697252
CVL-231 (Emraclidine)経口(1日1回)フェーズ2試験372名統合失調症NCT05227703

NBI-1117568のフェーズ2試験は、現在フェーズ3試験が成功し(参考)、来年の承認申請に向けて歩みを進めているKarXTのフェーズ2試験と、かなり近いデザインとなっています。(なお、CVL-231はNCT05227690も実施)

リリースにもある通りですが、NBI-1117568はStaR技術を活用してデザインされたM4への選択性が高い作動薬で、これまでの統合失調症治療薬、あるいは上記にある開発中の他のM4をターゲットとした開発品とは差別化され、より優れた有効性・安全性を示すことが期待されています。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!


【2022年12月期に発表した進捗(一時金/マイルストン収入と関連するものに絞って整理)】
発表日四半期内容収入の種類今期の売上高
8月2日(参考3Qアッヴィ社と新たな戦略的提携を締結契約一時金契約一時金40百万ドルの一定割合
8月5日(参考3Qニューロクライン社がM4作動薬のPh2試験(IND)を開始マイルストン30百万ドル