2024年11月12日火曜日

EmraclidineのPh2試験結果が発表

みなさんおはようございます、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

昨晩遅くにCerevel社/AbbVie社が開発するEmraclidineのPh2試験結果が発表されましたが、主要評価項目は未達に終わりました(リンク)。高いプラセボ効果や、用量依存性の無さなど、統合失調症に対する臨床試験の難しさが浮き彫りになりました。これで、本領域でKarXTに続く開発品の中で、フェーズ2試験の主要評価項目を達成しフェーズ3試験の開始が現時点で予定されているのは、当社のM4作動薬のみとなりました。当社のフェーズ2試験の結果についてはこちらもご参照ください(リンク)。


EmraclidineのPh2ではPANSS合計スコアを主要評価項目とし、同時に2つの試験を実施していましたが、2つの試験とも主要評価項目を満たせませんでした。なお、Ph1b試験では、EmraclidineのPANSSの改善幅は-19.5(プラセボ群で-6.8)でした。今回はPh1bよりもプラセボ効果が大きく出てしまったため、主要評価項目を達成できませんでした。


PANSS合計スコアのベースラインからの変化幅(6週時点


EMPOWER-1

EMPOWER-2


Placebo

(N= 127)

Emraclidine
10mg QD

(N = 125)

Emraclidine
30mg QD

(N = 127)

Placebo

(N = 128)

Emraclidine
15mg QD

(N = 122)

Emraclidine
30mg QD

(N = 123)

Baseline (SD)

98.3 (8.16)

97.6 (7.65)

97.9 (7.89)

97.4 (8.22)

98.0 (8.49)

97.2 (7.75)

LS Mean

(95% CI)

-13.5 

(-17.0, -10.0)

-14.7

(-18.1, -11.2)

-16.5

(-20.0, -13.1)

-16.1

(-19.4, -12.8)

-18.5

(-22.0, -15.0)

-14.2

(-17.6, -10.8)



Cerevel社/AbbVie社は今後の方針を決めるために詳細分析を行うとしていますが、年単位で開発が遅れる可能性が高いことから、NBI-568(ニューロクライン社/ネクセラ)の当面の競合はCobenfy(Karuna社/BMS社、FDA承認済み)のみとなります。

今後とも、どうぞよろしくお願いします!