2024年6月26日水曜日

2023年12月期決算説明会のQ&A

みなさんこんにちは、IR&コーポレートストラテジー部長の田原です。

ご報告が大変遅くなり誠に申し訳ない限りですが、2024年2月13日(火)に2023年12月期の決算説明会を開催いたしました。お忙しい中にもかかわらず、312名という多くの方々にご参加いただき、ありがとうございました。

説明会中やアンケートなど、口頭・テキスト・メールなどでいただいた合計100件のご質問・ご意見・激励などのうち、重複を整理した以下の42件についてお答えいたします。(※カッコ内の数字は同様の趣旨の質問の数です)


  • 決算結果・今後の経営の方針について

Q1:黒字を維持する方針だったが、2023年の決算は赤字を出している。これは経営方針が変わったということか?(1)

A1:赤字をできるだけ避けるという経営方針には、変更ありません。2023年は契約一時金の期ズレ、M&Aに伴う一時費用、マイルストーン収入の低迷、など複数要素が重なり赤字となりました。一時的な黒字達成のために将来への投資を無理に圧縮することも物理的には可能ですが、それでは事業の成長は達成できず、デメリットがはるかに大きいと考えています。もちろん継続して収益が減る可能性がある場合には投資を減らす可能性はありますが、現在は今後数年の売上成長のための投資が必要だと考えています。

一方で、当社はこれまで製品を持っておらず、パイプラインの進捗に収益を依存してしまうことが課題でした。それを改善するために、昨年はイドルシアのビジネスを買収し、医薬品販売という安定的かつ高収益なビジネスを獲得しました。今後は安定的な収益を確保しながらも、コストについては継続的に見直して、必要な投資は行いつつも事業規模に見合った投資を続けていく予定です。


Q2:株価が低調な中で従業員や役員の報酬は高いままだが、今後の事業方針などをどのように考えているのか?(12)

A2:昨年の業績や株価はご期待に沿えない結果となってしまいましたが、2023年はプライム市場の上場やイドルシア買収など、今後の飛躍に向けた転換点と考えています。これまでの当社は、提携先の進捗によって株価や収益が大きな影響を受けざるを得ないのビジネスモデルでしたが、より安定的かつ自社でコントロール可能なビジネスモデルを目指し、昨年に日本・APACでの製品・販売機能を獲得いたしました。今後は、従来の最先端のテクノロジーに加え、獲得した製品・開発品の成長、さらに外部からの製品・開発品の導入により、安定的に収益を成長させるビジネスモデルに舵を切っていきます。このように新しい分野で今後の成長を加速させるためには、優秀な人材の確保が急務であり、コスト削減・スリム化を継続的に行いつつも、一定水準の報酬が必要な点をご理解いただければ幸いです。


Q3:株価対策のため、大規模な改善が必要ではないか(6)

A3:今後数年かけて、革新的な製品導入による売上拡大に加え、IT技術の導入によるコスト削減などを実施してくことで、業績の向上・外部からの評価獲得を目指していきたいと考えています。一方で、医薬品の開発は長い年月がかかり、一朝一夕に株価に反映される業界ではありません。当社としては、業績向上のための施策を着実に行っていき、それが株価として反映されるように努めてまいりますが、なにぶん時間がかかることはご了承いただければと思います。また、これまでも実施してきた本ブログを通じた投資家の皆さまへの説明や、個人投資家説明会の開催によるコミュニケーションにもより力を入れていく予定です。


Q4:現在の株価・経営の自己評価について教えてほしい(3)

A4:株価は振るわないものの、改革に向けて歩みを着実に進めており、今後の成果につながると確信しています。イドルシアジャパンの買収により、日本での販売機能と製品の獲得し、日本事業は収益化しています。また、3月に発表したベーリンガーインゲルハイム社との提携では、従来のトランスレーショナルメディシンへの取り組みを、高い経済条件につなげることができました。残念ながら、現在の株価は開発品に対する期待が織り込まれているとは言い難い状況ですが、今後、開発成果を通じて真価をお示しできればと思います。中長期を見据えつつ、できる限り早く次の時代のリーダーとなるべく邁進し、企業価値向上に努めてまいりたいと思います。


Q5:業績予想は開示できないのか(2)

A5:提携先に左右される契約一時金やマイルストンが売上げの多くを占める状況では、全社での、蓋然性の高い業績予想や中計は依然としてお示しが難しいと考えています。一方、従来のコスト面(研究開発費や販管費のレンジ)に加え、今回ピヴラッツの製品売上の予想・目標値についてはお出しさせていただきました。今後も合理的な予想が出せるものについては可能な限りお出ししていきたいと考えております。


Q6:コスト・売上のガイダンスの数字について、具体的な説明をしてほしい(1)

A6:コスト増の多くは、IPJ/IPKのコストが通期でかかることによるもので、そのほかに買収後の統合関連費用、製品発売に向けた準備費用とご理解いただければと思います。IPJ/IPKの買収を2023年7月に実施したため、2023年12月期は5.4か月分のコストのみ計上していました。2024年は通期のコストとなるため、IPJ/IPKのコストは2023年比で2倍強となる見込みです。


Q7:パイプラインの今後の見通しについて公表できることはないのか(1)

A7:各パイプラインの進捗は臨床試験の成否に依存しており、見通し(予想)は困難ですが、進捗についてはわかり次第適時開示やお知らせ・本ブログ等を通じて随時情報を公表させていただきます。


Q8:ヘプタレスは期待通りの成果をあげられているのか(1)

A8:ヘプタレスはこれまでも価値の高い提携をいくつも実現させており、期待通りの成果を上げております。また、今後もAI創薬をはじめとする最新技術を導入し、他社と差別化された技術による効率的な創薬・開発を行っていきます。一方で、コストがかかる部分はスリム化することも必要ですので、競争力維持を目指して適切な研究開発体制を整えていきます。


  • 会社目標について

Q9:時価総額上位15位は、製薬企業で15位という意味か。であれば15位は目標が低すぎる。具体的にはいくらを想定しているのか。もっと高い目標を掲げてほしい(14)

A9:2024年2月のブログ株主総会の質疑応答で補足の通り、「時価総額で日本国内の製薬企業の時価総額Top15位以上に入ることを目指す」という意味になります。2030 年「まで」と書いている通り、これは最低限のスピードで、実際にはできるだけ早くこの目標を達成する考えです。また、今年、発表が予定されているM4作動薬(ニューロクライン社)のPh2試験結果や、次世代経口GLP-1作動薬(ファイザー社)の進捗によっては、早々に達成されうるとも考えています。ただし、当社自身の努力では左右しがたいパートナー次第の進展を会社目標として設定するのは適切ではないと考え、パートナーの開発が仮に不調に終わっても、自社の努力・戦略で達成すべき目標として、15位以上を設定いたしました。説明が不十分で混乱を招き申し訳ございません。誤解を招かないために、今後より一層コミュニケーションには注意を払っていきたいと思います。


Q10:新規の導入候補はイドルシアからのオプション権行使を想定しているのか。それともイドルシア以外からの導入も検討しているのか(1)

A10:新規の導入候補については、イドルシアからのオプション以外のものを指しております。当然イドルシアからのオプション権を保有しているプログラムは導入の要否について検討を進めておりますが、それ以外の品目についても現在幅広く導入の検討を進めています。これは、当社が日本・APACにおいて製薬企業としてより安定的な収益を確保し、プレゼンスを向上するために必要な活動だと考えています。今後また進捗があり次第プレスリリースや本ブログでもご紹介できればと思います。


Q11:昨年からの継続案件も合わせると、新規提携は2つ以上目指すのか。また、大型の記載がないのは規模が小さくなったからなのか(9)

A11:新規提携については、残りの期間も引き続き価値の高い新規提携を目指していきます。昨年から続けていた交渉が今年にずれ込んだことで昨年の目標が未達となりました。311日に発表させていただいたベーリンガーインゲルハイム社との提携だけでなく、今後も継続的なパイプライン拡充・技術の強化を目指し、新規の提携を目指していきます。ただし、今回のような大型の契約一時金が発生するパイプライン提携だけでなく、基礎研究段階での提携も含め幅広く可能性を検討していく予定です。


Q12:新規提携について、1月実施であることをにおわせていたにもかかわらず遅延をしている。発言には注意をしてほしい(5)

A12:誤解を招く表現で恐縮です。今後についても細心の注意を払い誤解のないような形で発信をしていきたいと思います。


  • 個別パイプラインについて

Q13:ピヴラッツの薬価対策について考えているのか(1)

A13:薬価については過度な下落が無いよう細心の注意を払ってまいります。現在、発売三年目ですが、薬価は発売時を同じ金額を保っています。


Q14:ピヴラッツのAPAC展開について考えているのか(1)

A14:現在検討中ですが、詳細についてはお話しできません。ピヴラッツだけでなく、ダリドレキサントや今後導入するプログラムについても、市場性があればAPACへの展開も考えていきます


Q15:ガイドライン収載のおかげでピヴラッツの販売推移は順調なのか。また、買収時の見込みと比較して期待通りの実績を出しているのか(1)

A15:他の治療薬と比較して高いエビデンスでガイドラインに収載されて事もあり、ピヴラッツの販売推移は順調に進捗しております。買収時の見込みについて具体的な数字をお話しすることはできませんが、販売の伸びとしては買収時の期待通りの推移となっております。


Q16:ダリドレキサントの製品名としていい名前を付けてください。期待しています(1)

A16:ありがとうございます。製品名は当社からの要望だけでなく、医療現場においての混乱を避けるためにもわかりやすさも考慮して決定されますので、その点はご了承いただければと思います。


Q17:ダリドレキサントの売上について、当社と塩野義・持田との売上比率の目安について教えてほしい(1)

A17:申し訳ございませんが、持田製薬との契約詳細とも関連しますので、こちらの比率・目算については開示できないことはご了承いただければと思います。弊社としても一定の市場シェアをとれることを前提に、準備を進めております。


Q18:ダリドレキサントの国内における販売戦略や、販売目標はどの程度か(1)

A18:申し訳ございませんが、販売戦略や販売計画については当社の戦略方向性にかかわることもあるため、基本的に非開示とさせていただいております。ただし、デュアルオレキシン作動薬(DORA)がすでに先行薬があり認知度は高いため、DORA内での差別化要素を医療従事者・患者さまの皆様に認知していただく必要があると考えております。それに向けて弊社の中でも販売・マーケティングの方向性を決めておりますので、また適切なタイミングでお話しさせていただければ幸いです。


Q19:ダリドレキサントの韓国開発が遅れている要因は何があるのか(1)

A19:韓国においては限られたリソースで複数のプロジェクトを実行していることから開発開始については若干の遅延が生じておりますが、承認申請の時期については遅延が少なくなるように計画をしております。韓国法人は立ち上げから比較的日が浅く、ピヴラッツの上市に向けた準備にも力を注いでいます。加えて効率的に事業を行うため、外部との提携やその交渉などを含め、事業を前進させています。


Q20:Neurocrineが開発しているM4作動薬の2品目については、違いを教えてほしい(2)

A20:こちらは以前のブログでも少しご説明をさせていただきましたが、NBI-1117569M4preferring作動薬と記載がある通り、受容体に対する選択性を調整しているものになります。ムスカリン受容体は複数の種類(M1M4など)がありますが、どれをどの程度の選択性で作動させれば有効性・安全性を最大化できるか、まだ未解明な部分も多くあります。ニューロクライン社は選択性の異なる複数のパイプラインを用意し、どれがどの疾患・症状に対して有効性・安全性が最大となるかを模索していると考えられます。先行パイプラインがうまくいかなかった場合のバックアップとしても活躍する可能性がありますが、違う適応症を狙う化合物としても活用可能と考えていただければと思います。

また、ムスカリン作動薬は古くから認知症に対して有効性を持つことがわかっていますが、NBI-1117569がどの適応症を狙うかは現時点では定かではありません。これも先行パイプラインや本プログラムの臨床試験結果を見て、どの適応症を狙うのかを判断すると考えています。

Q21:M1/M4のデュアル作動薬について、患者投与は終わっているはず。マイルストンは入らないのか。入るとしたらどのタイミングか(1)

A21:詳細をお話しすることはできませんが、ニューロクライン社との契約においては、単なる患者の投与だけでなく、マイルストン発生のために一定の条件を満たす必要があります。M1/M4デュアルについては、現状その条件を満たしていないためマイルストンが発生していません。今後マイルストンが発生する事象が発生したらすみやかに開示をし、皆さまにお知らせいたします。


Q22:M4のマイルストンはどのタイミングで受領できるのか(2)

A22:先日のリリースで発表させていただいた長期毒性試験のマイルストン含め、複数のマイルストンが設定されております。今後のマイルストン時期は契約上詳しくはお示しできませんが、重要な事業上の進展と紐づいて受領することが一般的と考えています。


Q23:M4は中間解析を実施する予定はあるのか(1)

A23:ニューロクライン社が実施している臨床試験となるため、中間解析の有無について当社からの明確な回答はできかねますが、ニューロクライン社発表の通り2024年第3四半期にトップライン結果が出ることが想定されており、そこまで中間解析の結果は出ないと考えらます。


Q24:自社開発に載っているM1M1 Pref. agonistとは異なるのか。また、今後の開発計画について教えてほしい(1)

A24:自社開発に載っているM1は、ニューロクライン社への導出いているM1 preferring agonistと同じの化合物ですスケジュールについては、ニューロクライン社の臨床試験の進捗を見て判断をする予定です。昨年から規制当局からの要求事項が変わり、海外でのデータで日本でのPh1臨床試験のスキップや短縮ができる可能性も出てきていますので、規制動向も踏まえ、日本での開発計画については総合的に判断をしたいと思っています。


Q25:M1の国内開発は自社でやるのであれば、米国での結果を待たず早期に実施すべきではないのか(1)

A25:開発スピードを考慮しても、国内治験を先んじて実施するメリットは小さいと考えています。日本での上市を考えた場合、ピボタル試験(承認申請に向けて重要な試験。通常はPh3試験)を日本で実施、もしくは日本人のデータを取得する必要があります。そのため、グローバルでの上市を目指す品目については、開発の途中から(例えばPh2の途中から)日本を臨床試験サイトに入れて国内上市を目指すことはよく行われています。そのため、ニューロクライン社が開発を止めた場合は別ですが、Ph1(場合によってはPh2)の結果を待ってから国内開発を行っても開発スピードは大きく変わらないことから、現時点での自社開発は考えておりません。


Q26:提携先とは十分なコミュニケーションをとって進捗を共有しているのか(1)

A26基本的には各社のトップマネジメントとは密にコミュニケーションをとっており、かつ常に最新の情報を共有してもらうように働きかけています。一方で、パートナー・プログラムごとに個別事情があることから、すべての情報を弊社の独断で開示することが難しくなっております。今後とも皆様にはできるだけ情報をお出しできるようにパートナーとは継続的に交渉をしてまいります。


Q27:IBDの各パイプラインの差別化要素、特に既存薬との差別化は何か(1)

A27:CCR6拮抗薬、EP4作動薬は腸管局所での免疫系の抑制とバリア機能の回復、GPR35は腸管バリア機能の回復という点で差別化を図り、置き換えや既存治療への追加を目指しています。ただし、優位性についてはまだ直接比較のデータがないことから発言を控えさせていただきます。簡単な作用機序としては、以下の通りです。

  1. CCR6様々な免疫反応に関与している分子であり、炎症シグナルを抑制
  2. EP4CCR6同様に様々な免疫反応に関与している分子であり、炎症シグナルを抑制。また、バリア機能を担うIL-10を促進することで、腸管のバリア修復を促進することも期待されている
  3. GPR35:腸管のバリア機能を回復させ、「炎症→バリア機能の喪失→炎症反応の促進」という負のサイクルを止めることで症状の回復を図る。
既存薬は静脈・皮下注射による全身投与が主であるのに対し、弊社のパイプラインは経口投与ができるうえ、全身曝露が少なくなるような設計にしているため、腸管局所での作用増強と全身の副作用の低減が期待できます。
GPR35作動薬は全く新しいメカニズムであり、免疫系の抑制とは作用も異なることから、既存薬に加え投与されることも考えられます。一方で、これらの優位性や使い分けは、今後の臨床試験の結果によって大きく変わることもありうるため、現時点での見込みであることはご承知いただければと思います。

Q28:ペプチドリームとの提携は順調に進捗しているのか(1)

A28:創薬研究は順調に行っている場合でも成果が目に見えるまで長期になることが多く、皆さまの目には進捗がないように映る場合もあるかと思います。ただし、内部では研究開発を進めておりますので、何かご報告ができる成果が出てきたら適宜お知らせをしたいと思います。


Q29:コロナ治療薬の進捗はどうなっているか(1)

A29:COVID-19の治療薬については当社の中で優先度を下げて開発を行っています。まだ一定の感染者数はいるものの、COVID-19の世界的な流行がいったん収まったこと、すでに有効な治療薬もいくつか存在し、当社がこの領域に注力し新薬を開発する意義が薄れたこともあり、全社的には優先度を下げております。


Q30:自社開発品の進捗はどうなっているか。特に新しい前臨床開発品は最近進捗が見られないが、進捗が悪いのか(3)

A30:開示できる部分は限られていますが、探索→前臨床、臨床プログラムともに順調に進捗しています。探索から前臨床の段階では、今年複数のプログラムでの進捗が予定されています。発表できる形になりましたら、開示や本ブログを通じてご紹介させていただきます。


Q31:返還交渉をしているパイプラインの進捗はどうなっているか。また、どのような場合に自社開発をするなど判断をするのか(2)

A31:GPR35に関しては、3/21のリリースの通り、GSKからの返還が完了しました。GPR35作動薬については、今後自社開発・他社への導出含め、返還されたデータを精査し、今後の対応を決めていきたいと考えています。アストラゼネカからの返還については、現在進捗については非公開としていますが、今後お知らせすべき事項が発生した際にはしかるべきタイミングでお知らせをいたします。


Q32:各役員が期待している自社のパイプラインは何か(1)

A32:個別の役員が期待しているパイプラインをすべて書いてしまうと、ここではご説明ができなくなってしまうので詳細は割愛させていただきますが、今年発売予定のダリドレキサントや提携パイプラインであるM4作動薬は各役員期待をしております。ダリドレキサントについては今後の収益貢献、M4についてはPh2のトップライン結果次第では大きな収益を生む可能性があり、各役員も注目をしています。


  • 今後の導入品候補について

Q33:イドルシアの臨床開発能力を生かして、どのような候補品を国内開発していく予定か(1)

A33:当社が差別化でき、かつ日本の患者さまにとって有益となる疾患かを見極め、開発を進めていく予定です。IPJ/IPKを買収したことで当社は自社開発・販売が可能となりましたが、大手製薬と比較すると開発・販売部隊の規模は小さいです。そのため、今後数年では当社の規模でも他社と十分戦え、かつ日本の患者さまに貢献できる領域を見極めていく必要があります。その一例として、患者さまの数が少なく、アンメットニーズが多い希少疾患があげられます。

希少疾患以外にもこのような領域はいくつかあり、その中で当社の能力・方針に合致した領域を見極めていく予定です。具体的な戦略については、皆さまにお話しできるようになったタイミングでお話しできればと思います。


Q34:イドルシアからのオプション権を保有する開発品について、どの程度のポテンシャルがあると評価しているのか(1)

A34:独占的オプション権を保有するものについては、Ph3にあることから一般的に成功確率は比較的高いと考えられますが、優先交渉権および優先拒否権を有する5品目は開発段階から考えれば、成功確率は独占的オプション権を持つ2品ほどには高くないと考えています。実際にはこれら7品目をすべて導入するわけではなく、当社の戦略と合致し魅力的な数品目を導入することを検討しています。

Cenerimodについてはすでにお知らせしたように、スイスのイドルシア社がヴィアトリス社とライセンス契約を締結し、グローバル開発が加速することから、上市の確率も高まると想定されます。そのほかはPh1からPh3とばらつきがあるため、すべてを申し上げることはしませんが、当社としてはACT-777991CXCR3拮抗薬、発症早期の1型糖尿病治療薬)には注目をしています。 ただし、これらの優先交渉権・優先拒否権を有するプログラムについては、今後の臨床開発の結果を見極めて、交渉へと進むかを判断をしたいと思っています。


  • その他

Q35:GLP-1M4などの市場の活発化が自社の製品成功・パイプラインの価値拡大にどうつながっていくのか(1)

A35製品の成功には直接影響はないものの、活発化している市場に有望パイプラインを持っていることは企業全体の評価向上につながります。GLP-1の市場については、Pfizer社が開発するパイプラインだけでなく、Eli Lilly社や自社開発でも複数の研究プログラムが進んでおり、市場が活発化するとそのパイプラインを保有する当社の価値も評価されやすくなります。

また、M4については製薬大手各社が大型買収を行っていることからも、この市場に対して非常に大きな魅力を感じている、つまり今後大型化する製品が生まれると考えている領域です。ムスカリン作動薬は様々な適応疾患が考えられており、安全性・有効性が確かめられるとムスカリンポートフォリオ全体の価値も高くなっていくと考えています。

Q36:優先交渉権はわかるが、優先拒否権の意味はどのようなものか(1)

A36:優先交渉権と優先拒否権は、同様の意味で使われているものと考えていただいて結構です。細かくは優先交渉権は「第三者に先んじて最初の権利を与えられる」もの、優先拒否権は「提示されたオファーに対して最初に拒否を行うことができる」ものということになりますが、実質的な違いはないものと考えていただければと思います。


Q37:導入した場合決定しておりますが計上される費用となるのか、それとも数年にわたって償却されるのか(1)

A37:こちらは契約の内容によって変わる可能性があるため、導入が決定した際には個別に開示させていただきます。当社は国際会計基準に従い資産となる見込みがあるもの」は数年にわたって償却し、そうでないものは一括で計上するようにしております。


Q38:重要な発表前において株価が変動しているが、インサイダー情報が流出しているなどはないか(1)

A38:当社は株価の変動が普段から比較的大きい傾向にあり、その他の情報などを精査しても、現時点でインサイダー取引は認識しておりません。仮にインサイダー取引が行われていた場合には、規制当局による厳正な対処が行われるものと理解しています。いつも通りのご説明となり恐縮ですが、当社の株式はテクニカルな取引の対象となる可能性があり、そのような取引が行われたことによる影響もあると考えております。


Q39:記念配当の予定はあるか(1)

A39:株主総会の質疑応答要旨にもありますように、状況に応じて検討する可能性はありますが、現時点では計画はありません。もしパイプラインの進捗に応じて大きなマイルストンが入ってくるようになり、それらが大きな収益を生んだ場合は特別配当を考慮することもあり得ます。


Q40:説明会の時間を延長することや、説明会を複数やるなど個人投資家から質疑もできるようにさせてほしい(10)

A40:ご意見いただきありがとうございます。今後のイベント運営については、個人投資家への説明会開催を含め、皆さまとしっかりコミュニケーションが取れるような形にしていきたいと思います。四半期ごとでの説明会開催というのは難しいかもしれませんが、これまで以上に皆さまと接点を持てる施策を打っていきたいと思います。


Q41:音声が聞き取りにくい(1)

A41:大変申し訳ございませんでした。いただいたご意見を今後の運営に活かしていきたいと思います。


Q42:心から応援しています。がんばれ!(1)

A42:コメントありがとうございます。これからも、皆さまにわかりやすく情報を提供し企業価値向上に向けて一同頑張ってまいりますので、引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。