2023年10月10日火曜日

PharmEnable社との提携を拡大しました

 みなさんこんにちは、CFOの野村です。

 

本日のリリース(参考)の通り、2021年のPharmEnable社との技術提携を拡大し(参考)、新たに神経疾患をターゲットとした2番目の化合物創出を目指すことになりました。最初の提携で、我々のStaR技術によるGPCRの構造解析、SBDDによる化合物設計と、PharmEnable社独自の技術がうまくマッチし、有望な低分子化合物を見つけられたことを受けた提携拡大で、両社のメンバー一同、新たな進展を喜んでいます。

 

PharmEnable社はchemUNIVERSEと呼ばれる医薬品化学(Medicinal Chemistry)のノウハウを活かした化合物のライブラリに特徴がある、AI創薬ベンチャーです。これは、通常のAIでスクリーニングしたバーチャル化合物が、しばしば合成・製造できない非現実的なものになってしまうのに対し、合成可能(synthesisable)な化合物だけでライブラリを構築することで、実際に医薬品になりうる化合物を効率的に選ぶ技術です。さらに、医薬品の性質としても多様性のあるライブラリとし、新規化合物が生まれやすいようにも工夫されています。

 

AIを用いて神経疾患に関わるGPCRに対する医薬品を設計するには①GPCRに作用し、②血液脳関門を通過し、③化合物合成が可能、という3つのハードルがあります。①②は主に我々の技術、②③は主にPharmEnable社の技術を活用し、これらのハードルをクリアする革新的な化合物を見つけることを目指していきます。AI創薬は直近でも注目を集めている分野で、我々も自社での取り組みに加え、今回のPharmEnable社や、先日発表したVerily社との提携(参考)など多くの進展にワクワクしています。

 

AI創薬は創薬の特定の課題を解決・効率化が期待されていますが、長い医薬品開発のプロセスの中では、まだ一部への応用に留まっています。我々はこれからも、コアとなる自社のGPCRに対する創薬プラットフォームに、このような新たな技術との提携を加えることで、他社が真似できない化合物の創出・開発を進めていきます。尚、AI創薬については簡単ですが、21年上半期の決算説明会Q&A – Q63でも解説していますので、よろしければこちらもご参照下さい。

 

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!