みなさんおはようございます。CFOの野村です。
先ほど日本時間の朝7時半過ぎに、ファイザー社の主要開発品を集めた5時間にわたる説明会「Pfizer Near-Term Launches + High-Value Pipeline Day」が終了しました(案内・資料)。我々との提携から生み出された経口GLP-1作動薬のPF-07081532を含む開発品が紹介され、さらに後半のHigh-Value PipelineセッションのQ&Aでは、質問の約半分が経口GLP-1作動薬に集中し、数あるファイザー社の開発品の中でも非常に高い注目度がうかがえるものでした。プレゼンテーションやQ&Aで登場した新たなポイントは以下になります。
【新たに注目されるポイント】
- 2030年までにGLP-1作動薬市場は900億ドル(約12兆円)に拡大し、その中で経口GLP-1作動薬は全体の約30%のシェアである270億ドル(約3.8兆円)の規模となる見通し
- ファイザー社の経口GLP-1作動薬は、他の経口薬と比較しても優れた有効性、安全性、食事制限の無い飲みやすさを兼ね備えており、ピーク売上高は100億ドル(1.4兆円)を想定
- (リリー社の経口GLP-1作動薬候補や営業力との競合という質問に対し)生体内でそもそも機能しているペプチドがフルアゴニストであることを考えると、フルアゴニストであることが望ましいと考えており、ファイザー社の経口GLP-1作動薬はそのプロファイルと合致している。GLP-1作動薬というカテゴリーは現在急成長中で、その中で確実にシェアを取っていく
- (競合となりうる既存品・開発品を踏まえた開発スピードという質問に対し)経口GLP-1作動薬は、新型コロナウイルスワクチンと同じく光速プロジェクト(light-speed project)にファイザー社内で指定されており、ファイザー社として最速で開発を進めていく
- 既に治療法が確立されている2型糖尿病と、特に市場が急成長している肥満症は異なる市場であり、異なる普及シナリオを想定している
ファイザー社からの説明、そして会場内からの質問も、販売後を見据えた市場規模や競争環境、実際の普及シナリオなどに焦点が当たったもので、これまでよりも一段踏み込んだディスカッションが行われている印象でした。我々も2024年の第1四半期(1-3月)に発表が予定されている現在のPh2b試験の結果に期待しつつ、その後の市場展開にも注目したいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!