みなさんおはようございます。
IR&コーポレートストラテジー部長の野村です。
昨日、我々の選択的ムスカリンM1受容体作動薬の一つである、HTL18318のPhase1試験結果の論文の要約が発表されました(参考)。本開発品はアッヴィ社に導出中の開発品なので、事実関係のみの整理に留めさせていただきますが、本論文はHTL18318で完了している6つのPhase1試験のうち、最初の試験(①試験番号:NTR5648)の結果になります。6つの試験の概要とリンクは以下の通りで、基本的には①~⑤が健常人を対象としたPhase1試験、⑥が患者様を対象としたPhase1b試験です。尚、患者数などはデータベースの数字(予定)と実際の試験の人数が、若干ずれている場合があります。
①NTR5648:健常人、72名、2015/11/9~2016/4/12
Single ascending dose study of HTL0018318
②NTR5781:健常人、48名、2016/3/21~2016/7/1
Multiple ascending dose study of HTL0018318
③NTR6195:健常人、36名、2016/9/21~2016/12/31
HTL0018318 and donepezil interaction study in elderly volunteers.
④NCT02958696:健常人、37名、2016/10~2017/1
Relative Bioavailability of HTL0018318 Oral Aqueous Solution Versus Capsules
⑤NCT03198624:健常人、54名、2017/5/16~2017/8/20
Pharmacokinetics of Oral Capsule in Healthy Japanese vs. Caucasian Subjects (HTL0018318)
⑥NCT03456349:患者対象、60名、2017/11/10~2018/7/16
Multi-centre Study of HTL0018318 in Patients as an add-on to Standard-of-care
本試験の目的の1つは安全性の確認でしたが、HTL18318と関連があるとされた有害事象は軽度かつ低頻度で、主なものは若年者における多汗症と血圧上昇でした。その他の目的である薬物動態などにも問題はなく、今回試験した1‐35 mg用量での忍容性は一般的に高かったと論文では結論付けられました。
尚、上記の①~⑥は2018年9月にサルの試験の毒性に伴うHTL18318の自主的な中断の前に試験が完了していますので、試験中断の影響は受けていません。多くのPhase1試験を行っているように見えますが、疾患の大きさなどを踏まえると一般的な規模になります。
今後とも、どうぞよろしくお願いします!
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【2020年12月期の進捗(主に今期収入と関連するものを抜粋)】
(発表日) (内容) (今期PLの売上げと関連する部分)
6月25日 (参考)/2Q アッヴィとの新規創薬提携 契約一時金+初期マイルストン:合計 32 百万ドル(最大)*
6月29日 (参考)/2Q エナジアが日本で承認を取得 マイルストン:1.25百万ドル
7月7日 (参考)/3Q エナジアが欧州で承認を取得 マイルストン:5百万ドル
9月28日 (参考)/3Q ファイザー社が臨床試験を開始 マイルストン:5百万ドル
11月2日 (参考)/4Q HTL0014242をTempero社に導出 契約一時金:非開示
12月1日 (参考)/4Q HTL0022562をバイオヘイブン社に導出 契約一時金:10百万ドル
12月21日 (参考)/4Q GPR35作動薬をGSK社に導出 契約一時金+初期マイルストン+研究開発支援金:合計 44 百万ドル(最大)*
*今期を含めた複数年で受領